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本 ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784771038042
作品紹介・あらすじ
書を求めて町に出よう。
たくさんの本が並んだ図書館に入ると、不思議なことに、
「私があなたの待ち望んでいた本なのですよ」と
サインを送ってくれる本がみつかる。
その本を手にとって読んでみると、
まさに自分の求めていたことが書かれている。
この種の出会いが起こるのが書店や図書館なのだ(本文より)。
感想・レビュー・書評
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文字通り、もっと本が読みたくなる読書論。読書の楽しさ、オススメ本満載。私にとっての読書は、新たな知識や考え方に触れたりする事が楽しみの一つであるが、成長というか変身願望というか、つまりは有用性を期待している面もある。その観点で本書によりそれを感じたのは、以下の内容である。少なくとも、私にとっては、もっと本を読みたくなる文章だ。
― ジョンサザーランドの若い読者のための文学史。物事を深く考える人の人生において、文学は大きな役割を果たす。人は家や学校で方向を学び、自分より賢い人や友人からも学ぶ。けれども、私たちの知っている最も重要な事柄の多くは、文学を読んで学んだことではないだろうか。文学を読んで過ごす時間はいつだって充実している。
― 読書は間違いなく人生を豊かにするから、1冊でも読むに越した事は無い。読んだ内容は記憶や聴覚、視覚を司る脳の側頭連合野にデータとして蓄積されていく。しかし、蓄積されて終わりではなく、後の新たな経験の展開と結びついて、経験を更新させていく。読書はこうした経験の生成に新たな刺激を加え続ける(茂木健一郎)。
― 文字を自分の脳の中から絞り出すという行為は、負荷がかかってヘトヘトになるし、効率も悪いかもしれないけれど、だからこそやり遂げたときには脳は本当に喜び成長する。
― どの本がどう役に立つかと言う事はわからないけれど、たくさん本を読むと、それが腐葉土のように発酵して、脳の中に良い土壌ができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
紹介されている本や、書評について興味深いのはまちがいないですが、この著者の生き方、読書の仕方について、感嘆します。こんなに幅広い分野の本を継続的に読めるのは、ほんとすごい。ここまで幅広くというのは、私には無理ですが、それでも、継続的に本をいろいろ読んでいけるよう、年を重ねていきたいなあと思います。【2024年9月8日読了】
追記補足ですが、著者はドイツ哲学、フッサールの研究者。草稿なども参照しながら、後期の時間論などが専門だと聞いたことがあります。なのに、一連の七冊の読書論のなかで、フッサールへの言及ってなかったと思うんです。自分の専門は度外視して、スポーツ選手の本だとか、アジア、アフリカまで視野に入れた文学・詩だとか、環境問題を含む社会学的な本だとか、経済学の本だとか、ほんと多彩な本を紹介しつづけてきたんです。大学の図書館長という立場にあったからといって、そこまでしなくても、全然いいわけです。なのに、ここまで本を紹介しつづけてこられるのは、やはりその根底に、豊かな本読みのストックがあるから。そういった本を読もうというモチベーションがわきつづけているからだと思うんです。この読書論シリーズを読んでも、自分がそれだけ読んでいるからといって、押し付けるとか自慢しまくるとかそういう尊大な態度も感じられませんし、そういうところも、私がこの著者を見習って自分もそうありたいと思う理由です。一連の読書論シリーズは、たぶん、図書館などにはおさめられているでしょうから、もっといろんなひとに手に取ってほしいです。 -
いろんなジャンルの本を探すのに
適した本。
そして読みやすい。
自分の知識の幅が広がり
読書の世界をさらに広げてくれた。 -
文学と宗教への招待―若者たちへ
考えるよろこび―思考が開く地平
水の惑星の変貌と危機―いま世界で起きていること
危機の時代を生きる―若い世代への期待
ふたりのメジャー・リーガーと本―菊池雄星と大谷翔平
挑戦する人生―クルム伊達公子と山岸秀匡の変身の哲学
啓蒙と教養―カント・村上・亀山の提言
経済の話―ヤニス・バルファキスはこう考える
ふたつの言語を生きる―フランソワ・チェンの歩み
書くことと生きること―あるジャーナリストの見方
詩と真実―ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩
詩と哲学の二重奏―ふたりの詩人とひとりの哲学者
人間とは何か―マーク・トゥエインとボーヴォワール
サマセット・モームの世界―『雨』と『サミング・アップ』
さわる経験へ―触角の讃歌
見る経験への問いかけ―身体とのあたらしい出会い
生きることを学ぶ―絵本はこころの扉を開く
生かされることと、ことばによって生きること―岩崎航の歩み
母国語を離れて―別のことばで考えることと書くこと
母国を離れて生きる―多和田葉子と山崎佳代子
インドの衝撃、日本の驚愕―作家、写真家、ジャーナリストの報告
バンコクからの報告―アジア管見
『夜と霧』―心理学者の強制収容所での体験報告
本の魅力―菅啓次郎の読書論・書評・詩 -
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