- 本 ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784771038639
作品紹介・あらすじ
二大宗教における悪魔の存在と相互理解の深まり
キリスト教とイスラームはともに一神教という共通点があるが、現代まで対立・緊張関係を続けてきた。2つの世界宗教に共生の道はあるのだろうか。本書では、「神秘思想」「聖人」「悪魔」をキーワードに2つの宗教を考察し、共通性を探る。二大宗教の相互理解、そして対話の道を開く画期的研究!
感想・レビュー・書評
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序 章 キリスト教とイスラームの接点を探る
1.キリスト教からの視座:対立から対話へ
2.イスラームからの視座:共通点から対話へ
第Ⅰ部 神秘思想にみる交流と変容
第1章 ライムンドゥス・ルルスの冒険
――中世キリスト教のイスラーム世界宣教――
は じ め に
1.生涯:行動の生
2.『異教徒と三賢者の書』:対話と証明
3.「宗教間対話」の思想空間
お わ り に
第2章 ズィクルと「イエスの祈り」
――スーフィズムとヘシュカズムとの比較――
は じ め に
1.比較対象となるテキスト
2.比 較 検 討
お わ り に
第3章 イスマーイール派のイエス・キリスト論
は じ め に
1.イエス論の文脈:イスマーイール派思想
2.イエスの預言者としての「形成」:預言者に「成る」
3.イエスの十字架
4.メシアの到来とイエス
お わ り に
第4章 神秘主義がつなぐイスラームと諸宗教
――アメリカにおけるスーフィズムの展開から――
は じ め に
1.アメリカにおけるスーフィズムの潮流
2.バワ・ムハイヤッディーン協会
お わ り に
第Ⅱ部 預言者・聖人にみる共生への智
第5章 ルーミーの神秘思想にみるキリスト教観
は じ め に
1.ルーミーの実践的神秘主義
2.ルーミーの共生思想
お わ り に
第6章 タウヒードと諸宗教の共存
――植民地期西アフリカにおけるイスラームとキリスト教の出会い――
は じ め に
1.歴史的背景
2.チェルノ・ボカールの生涯
3.ムスリムの分裂状況とチェルノ・ボカール
4.植民地下の宗教状況
5.「タウヒード」,神の唯一性
お わ り に
第7章 イスラームにおけるイエスの弟子たち
――十二使徒,ペトロ,パウロの位置付けを巡って――
は じ め に
1.ハワーリーユーンと十二使徒
2.キリスト教の逸脱:十二使徒かパウロか?
3.クルアーン解釈におけるペトロとパウロ:スンナ派の場合
4.シーア派におけるペトロの重要性
お わ り に
第8章 共通の崇敬対象としてのマリア
――東方キリスト教とイスラーム――
は じ め に
1.共通の源泉
2.イスラームにおけるマリア
お わ り に
第9章 初期シーア派神学におけるファーティマ崇敬理論
は じ め に
1.神による選び出し
2.マリアとファーティマの選び出し
3.ファーティマとマリアの区別
お わ り に
第Ⅲ部 悪魔との精神的闘争
第10章 カースィア(al-Qāṣiʻah)の説教
――悪魔にいかに対処するか――
カースィアの説教解説
1.アリーの生涯と「カースィアの説教」
2.編者ラディーとシーア派における『雄弁の道』の位置づけ
カースィア(al-Qāṣiʻah)の説教
第11章 イスラームの悪魔観
――クルアーンから神秘主義へ――
1.クルアーンにおける悪魔観:人間,ジン,天使との関係性の考察
2.悪魔との精神的闘争
第12章 キリスト教の悪魔観
――その起源と展開――
は じ め に
1.旧約聖書における悪魔
2.新約聖書における悪魔
3.教会の思想伝承における悪魔
4.教会生活における悪魔との闘い
お わ り に
第13章 修道者アントニオスの悪魔・悪霊観
は じ め に
1.新約聖書の悪魔・悪霊観
2.古代エジプトの悪魔・悪霊観
3.『アントニオス伝』に見る悪魔・悪霊観
お わ り に
著者プロフィール
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