- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772100342
感想・レビュー・書評
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「100万回生きたねこ」の作者佐野洋子さんによる創作初期の絵本。すーちゃんという女の子とネコちゃんが仕返しし合う話である。久々に読み返したが、強烈に残った印象はそのままである。
風船を女の子から取り戻そうと叫び続ける必死なネコちゃんと、それを無視し続ける女の子の意地悪な描写の対比は残酷である。そして次の日、たくさんの風船を空に飛ばしたネコちゃんに続いて、昨日奪った風船を女の子が空に飛ばして、二人で一緒に空を見上げるところには爽やかさを感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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(2010年11月05日のニュースより)
『100万回生きたねこ』で知られる絵本作家でエッセイストの佐野洋子さんが5日午前9時54分、乳がんのため亡くなった。72歳だった。葬儀は近親者のみで執り行い、後日、お別れの会を開く予定。(オリコン)
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ねこちゃんがつかまえたみずいろの「ぴっかぴかのふうせん」をすーちゃんは横取りしてしまう。すーちゃんがふうせんちゃんとお茶をしたりおふろにはいったりしているあいだ、ねこちゃんは「ぼくのなのに!」と窓の外でないている。そんなはなしだったと思う。今の自宅に置いていなくて、実家にあるのだけれど、さのようこ(佐野洋子)さんが逝去されたニュースを知って、メモ。
「おじさんとかさ」や「百万回生きたねこ」よりも、色合いが淡くて、子どもの頃に一番好きだった佐野洋子作品はこの本だったな。 -
あの時代のノスタルジーはあるものの、古さを感じさせないのは佐野洋子の力?
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さまざまな意見がありそうだが、とがめる大人が出てこないのが素敵。
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むかしから、すーちゃん、大キライだった。
ねこちゃんのいやなことを、これみよがしにするから。
ねこちゃんは、そんなことをされても、でも、ぜったいふうせんはねこちゃんのものだから、ずうっときになっている。
もういいもん、ってならない。なれない。
「ぼくの・・・・・ぼくの・・・・・」
翌朝、ねこちゃんは同じ場所で、もっとたくさんの風船を捕まえることができた。
だけどねこちゃんは、たくさん捕まえた風船を、すーちゃんの前でみんな空に飛ばしてしまう。
みせしめだろうか、あてつけだろうか。
すーちゃんとはなかなおりできたのかな。
分からないまま今に至る。たぶんずっと分からないままだろう。
追記
家にあった本を読み返してみたら、歌を歌いながら何も反省せずに、楽しそうに風船と散歩をするすーちゃんの顔が黄色いクレヨンで塗りつぶしてあった。(それがこの本の絵のタッチと相まって、自分でやったのか元からそうなのか一瞬わからなかった)
痕跡本。 -
好き過ぎて困ってしまうぐらい大好きな絵本です。
まず表紙のすーちゃんの意地悪そうなお顔に注目です。
友達のねこちゃんの風船を無理矢理奪ってしまうすーちゃん…
でも、ねこちゃんも頑張ります。
ねこちゃんのとった行動とは…?
ラストシーンはとても感動的です。
友情とは何か…を考えさせられます。 -
佐野洋子の絵本の中ではちょっとマイナーか。
すーちゃんとねこのキャラがうちと重なることもあり
読みきかせ登場回数多し。とりあっていた風船を
最後はふたりでどんどんと空に離す場面の
解放感が大好き!
ふうせんはそらのむこうまでいくのかしら。
ふうせんはうみのむこうまでいくのかしら。 -
さのようこ作
すーちゃんの意地悪。ちょっとわかる気がします。ねこちゃんごめんね。