ぶどう畑のアオさん

著者 :
  • こぐま社
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本棚登録 : 348
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772101592

感想・レビュー・書評

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  • アオさんは、本当に優しいなあとよみかえすたびに思います。

  • テンポが心地いい絵本だったな。

  • 馬場のぼるさんの遺作となった絵本。
    ある日、たっぷり実ったぶどう畑の夢を見たアオさんは、夢で見た場所へ行ってみることにしました。途中で出会ったネコとともに向かったその先には夢でみたのと同じ畑いっぱいのぶどうがあったのです。お腹いっぱいぶどうを食べたネコは「このぶどう畑、だれにも ないしょだよ」と言いますが、次の日またぶどう畑に行く途中、アオさんは出会った動物たちみんなにぶどう畑のことを教えてしまいます。

    馬場のぼるさんの特徴であるやわらかい色使いとのびのびとした線はこの作品でも健在で、ふわりとした空気感が読んでいて気持ちいいです。
    すぐにぶどう畑のことをみんなに話してしまうアオさん、ほんとは内緒にしておきたかったネコ、それを知って一緒にぶどう畑に向かう動物たち、ぶどう畑を独り占めしようとするオオカミ。それぞれは人間関係おけるメタファーなのでしょう。みんながアオさんのように考えることができたら、という願いが込められているように思います。
    オオカミを追い払う役目も、唯一オオカミのことを気にかけていたのもアオさんであることにもそのような「大局的に物事を見る」という考え方が感じられました。
    絵柄は同じでも、いままでの作品に比べコミカル度は若干落ちていますし、よりメッセージが強調されたつくりになっています。
    馬場のぼるさんの作品には、「迷惑をかけるやつ」や「ズルいやつ」が割と登場します。物語の都合上、彼らは何らかのかたちで罰をうけたり、追い払われたりするのですが、どうもそこには、彼らのことを「許容」したいという目線もあるように私には感じられました。というか、おそらく馬場さんはそういった「迷惑をかける」とか「ズルい」ということは誰だって心のどこかに持ち合わせていて、それがわかっているからこそ、「報い」と「救い」を同時に描いているのではないでしょうか。

    「あははは、みんなで たべたほうが、
    ずっと おいしいよ」

    結局はこの台詞に集約されるのだと思います。そしてそれを絵本の中でさえ簡単には実現しないことに、この作品の尊さはあります。

  • お馬さんが主人公の物語って、実は珍しい気がします
    そして馬場のぼるさんの作品によく登場するおなじみのねこやぶた、きつねにりす、そしてちょっと珍しいオオカミが、美味しいブドウをめぐってわちゃわちゃする物語です
    夢で見たブドウの群生地を探しに出かけるアオさんと道連れになったねこ、無事に美味しいぶどう畑はみつかるのですが、内緒にしておきたいねこを尻目に、アオさんは他のどうぶつさんたちにぶどう畑のことを話してしまうのでした
    しかし、それを一人占めしようとするオオカミがぶどう畑に有刺鉄線を張り巡らしてしまいます
    はてさて、アオさんたちはどうするのでしょう?
    という、縄張りや利権の争いをする、人間の社会の縮図の話でもあるお話です
    でも、お話はのんびりした雰囲気のままで、アオさんは馬らしいパワーを発揮してオオカミをやっつけてしまうのでした
    アオさん自身は、やっつけたという意識はなく、それよりは仲良くしたがっているところが、ポイントです

    みんなでぶどうをもりもり食べる場面のにぎやかさと、裏表紙のしてやられてあぐらをかくオオカミの対比が可愛いです
    そう言えば、アオさんは青いからアオさんなんだろうか
    黒い毛並みの馬の事を“青毛”あるいは“青鹿毛”といいますが、実際に青い馬がいたらどんなのかな~っていう発想でアオさんが生まれたのかなとか思いました
    あと余談ですが、犬や猫は本来ぶどうを食べてはいけないんです 内蔵を悪くします
    きっと、この森のぶどうはみんなで食べても大丈夫なものなんでしょうけど

    また、こちらの作品は馬場のぼるさんの遺作だったと、読んでから知りました
    たくさんのお話をありがとうございます
    まだまだ拝見できてない作品があるので、大切に読んでいきます

  • 2014【1/6】季節の展示&図書だよりで紹介。

  • 小さい時に何度も読んだ本。
    ぶどうがおいしそう。
    みんなで食べたほうがいい、ってとこが好きだった。
    久しぶりに「ねこさん」を思いだした。読まねば。

  • うまのアオさんは、森のなかでくらしています。あるひ、アオさんは、さんぽしてぶどう畑をみつける、ゆめをみていました。よろこんで、ぴょーんととびはねたところで、めをさまします。ぶどう畑へいきたくなったアオさんは、ゆめでみたように、森のこみちをあるいてみると――。
    インターネットで見つけた作品。馬場さんの遺作なんですね。野生のぶどう畑なのか否か不明のまま、みんなで食べてしまって良かったのか。表紙にいるように、11ぴきのねこにそっくりな猫も登場し、作者ファンは特に面白く感じるかもしれません。

  • なんだかオオカミさんお気の毒って思いました笑
    ゆるい動物たちがGoodです。
    ○未就学児~

  • 「アオさんのバカー」がお気に入り

  • やさしいアオさんのはなし。
    11ぴきのネコのネコがでてきたような、、、。
    みんなで分け合うやさしいきもちって素敵。
    アオさんを見習いたいなと思いました

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著者プロフィール

1927年、青森県三戸町に生まれる。1949年、上京し漫画家としてスタートした。漫画『ブウタン』で第1回小学館漫画賞、『11ぴきのねこ』で第15回産経児童出版文化賞、『11ぴきのねことあほうどり』と日本経済新聞連載の漫画『バクさん』で第19回文藝春秋漫画賞受賞。『絵巻えほん 11ぴきのねこマラソン大会』で、イタリアの子どもたちが選ぶイタリア・ボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞。一連の業績に対して、1993年に日本漫画家協会賞文部大臣賞、1995年に紫綬褒章受章。2001年没。

「2023年 『馬場のぼるのおえかき教室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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