マローンおばさん

制作 : エドワード アーディゾーニ  Eleanor Farjeon  Edward Ardizzone  阿部 公子  茨木 啓子 
  • こぐま社
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  • レビュー :13
  • Amazon.co.jp ・本 (47ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772190244

感想・レビュー・書評

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  • ハンディサイズで、最後の英語の原詩を入れても47ページ。
    エリナー・ファージョンの一編の詩に、エドワード・アーディゾーニの挿絵がついている。
    【チムとゆかいなせんちょうさん】などのチムシリーズで有名な方だ。
    このペン画による挿絵の、またなんと繊細で素敵なことだろう。
    描きこみすぎず、でも物足りなくもなく、質素でもじゅうぶん幸せな主人公を、とても上手くあらわしている。
    見開きの、左側に展開する挿絵だけを見ていても、じゅうぶんな物語。

    森の傍で貧しい一人暮らしをしているマローンおばさん。
    床の上に、古いぼろの荒布を敷いて眠っている。
    誰も、マローンおばさんのことを気にもかけない。
    そこに、月曜日から順に、お腹をすかせた動物たちがやって来る。
    そのたびにおばさんが言う言葉は【あんたの居場所くらい、ここにはあるよ】。
    天国に召される最後は宗教色が入るが、そんなことは全然気にならない。
    なぜなら、【あなたの居場所が ここにはありますよ、マローンおばさん】という聖ペテロの言葉で終わるから。

    【君ひとりくらいなら守ってあげられるよ】と次々に声をかけてしまうため、大変な数になった我が家の猫たち。
    増えることを喜んでいるわけではもちろんなくて、ただ、見ると放っておけないだけ。
    「幸せとは分け与えること」とか、「やさしさとはどういうことか」などというのは傍から見た見方で、【マローンおばさん】も、ただただそうしないではいられなかっただけのこと。
    自分もそうだから、よく分かる。
    食べ物や住みか、着るものを分けてあげたりすることが、楽しくてたまらないのだ。
    みんなで火にあたっている絵を見ると、おばさんがどんなに幸せだったかが分かるというもの。

    【どんな動物たちだって みんな生きていかなきゃいけない】・・その通り、まさに。

    エリナー・ファージョンの原詩も美しいけれど、日本語の訳も美しい。
    胸の中が、ぽおっと温かくなる一冊。
    ストーリーテリングのテキストとして借りたものだが、諦めて(笑)鑑賞だけにとどめておくことにした。
    ああ、読んでて私も幸せだった。

  • 手のひらサイズの小さい絵本だけど、マローンおばさんの心はどこまでも広く、読み応え充分の絵本でした。

    マローンおばさんは貧しい暮らしをしていたけれど、飢えて傷ついた動物達に「あんたの居場所くらいここにあるよ」と言ってみんなを受け入れる。何でもみんなで分け合う。
    今の私にどれだけの事が出来るだろう。とにかく自分の周りの人から、そしてそれがずっと広がっていけばいいな。小さい絵本から広い世界へ。そのようなことを考えさせられる温かい絵本でした。
    原文の詩、ほとんどわからない。英語力の無さに涙。

  • へのへのもへじ文庫で、ファージョンの本やと借りてみた。どんな話かなと思ったら、これは、マローンおばさんがどんな人であるかをうたった詩なのだった。

    森のそばでひとり暮らしのマローンおばさん。おばさんをの様子をたずねる人はひとりとてなく、心にかける人もいない。

    おばさんの家へたどりついた、スズメ、ネコ、母ギツネと子ギツネ、ロバ、クマ―みな弱りはて、やせこけて、おなかをすかしていた。おばさんは、動物たちを中へ入れ、「あんたの居場所くらいここにはあるよ」と声をかけ、わずかずつでも食べ物を分けあった。

    「神さまは ご存じさ、どんな動物たちだって みんな 生きていかなきゃいけないってことを」(p.25)

    訳者があとがきで、この主人公のおばさんはファージョン自身に似ているといわれます、と書いている。彼女のところにはみんなの「居場所」があったとも。

    "There's room fer another"、「あんたの居場所くらいここにはあるよ」とおばさんは誰に対しても言い続ける。

    『町かどのジム』や『ムギと王さま』などと同じく、アーディゾーニのカバーと挿絵がまたいい。

    (10/4了)

  • 最期のとき、何を想うでしょう。

    地位も名誉も財産も、天国へ持っていくことはできません。

    その人が何で満たされているのか。

    どう生きてきたのか。

    天国の門の前に立ったとき

    神様にはどう見えるのでしょう。



    難しい宗教の本よりも、私にはこの本が響きました。

    私の居場所が、この本の中にあったからです。

  • 優しい心を持った人は、天国に行くわよ❣️

  • "社会に居場所を失い、非行に走る子どもたち。そんな少年や少女に寄り添い、30年以上、その立ち直りを支えてきた女性がいる。“ばっちゃん”こと、元保護司の中本忠子(ちかこ)さん82歳。長年の経験から「非行の根っこには空腹がある」と確信した中本さんは、広島市内にある自宅を開放し、手料理を振る舞い、親身になって相談にのりながら、多くの子どもたちを更正させてきた。そんな中本さんと子どもたちの8年間の記録。"

    NHKホームページより。
    2017/1/7放送のNHKスペシャルで取り上げられた"ばっちゃん"、知人とその話をしていた時に紹介してもらったこの絵本。

    ばっちゃんもマローンおばさんも、ただ目の前のことに淡々と対応してるだけなんだろうな。
    ボランティアが自分さがしみたいになってしまう、それはかならずしも悪いことではないけど…助けが必要なものをただ助ける。そういう姿に学ぶことは多い。

  • 大人向きの本。挿絵も素敵だ。分け与えるということが、いかに幸せか、挿絵と共に胸にせまる。マローンおばさんが天国の門の前に立った時、門番にかけられた言葉が心に残りました。何度も読み返したくなる。

  • どこかで語りを聞いた気がする。詩、だよね。そうすると語りはハードルが高くなるなあとおもうけれど、洗練された文章が素敵です。

  • ひとりになったとき、わたしは、健やかに過ごせるだろうか。

  • ストーリーになっていますが、文体は詩のようで、おごそかな気持ちになる。この良さは高学年でも難しいか?大人向きでしょうか。

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