シュナイドマンの自殺学―自己破壊行動に対する臨床的アプローチ

  • 金剛出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772408578

作品紹介・あらすじ

本書は、わが国自殺研究の第一人者であり、シュナイドマンに直接師事した訳者が、自殺学の巨人シュナイドマンの主要論文を訳出したもので、自殺という難問にプラグマティックに対処するための知見が数多く盛り込まれている。自殺を生物学的、社会学的、文化的、対人的、哲学的等、多くの要因からなる現象としてとらえ、その本質的原因を心理的な要因に求めたシュナイドマンの研究の全貌を明らかにする待望の邦訳といえよう。自殺予防の実践に携わるすべての人々に。

感想・レビュー・書評

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  • すごく勉強になった。

    人の思い込みで、こうなんや!とストンと思い込んでしまうのはとても恐ろしいことだと思った。

    裁判や検察官でさえ、とある事例を見て、傾向を見て、相手を犯人だと決めつけてしまうことがある。それは、私にもそう思えた、それが妥当だと思った。なぜならそれは今までの膨大な判例が示されていて、照らし合わせればそうなんだと思い込むものだ。
    だが、シュナイドマンは、それに対して、それは背景であって、情報にすぎないと言い、個人を見てゆく、周りや、その傾向、関わり合いを見てゆくことをして、死因を明らかにするとゆうことだ。これが、素晴らしかった。それにより、超特殊的な例外においても、余すことなく、真実を露わにし得ることが格段に上がる。
    これを心理学的検とゆうシュナイドマンの生み出した行為だ。
    これには私は目からウロコだと思った。

    自殺者とゆうのはなぜか私はとても興味を持った。
    人は、視野が狭くなり、選択を狭め、駄目だと思い込み、自分を責めてゆく。どんなことでも、どんな人間でも、こうやって思い込むことはできる。自分の内側にあることよりも、周りは、現実はもっと強大なもののように思える。贖えないようにも思えてくる。そして、意気消沈し、現実から逃避したくなる。それは誰でもあるしよくわかる。でも、そうはならないのに、自殺者は自殺する。
    自殺者に対しては、大切なことは、視野を大きく持たせること、選択肢を増やすことと、その人自身の思い込みを客観的に気づかせること、この二つが大切なことだとこの本を読んでわかった。
    そのために、カウンセラーは、断定的なことを言わない、あくまでも、狭まった視野を広げ、内側の気持ちに気づかせてやる。
    これは、自殺者でなくても個人にも大切なことだ。
    客観性と、思い込みをなくし、視野を広めること、自分の内側のことに目を向けることが大切なのだと思った。

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