スキーマ療法―パーソナリティの問題に対する統合的認知行動療法アプローチ

  • 金剛出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (490ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772410465

作品紹介・あらすじ

本書は、リネハンの弁証法的行動療法とともに、パーソナリティ障害をはじめとする人格の問題にアプローチする最良の方法の一つであり、理論的な入口の広さから多くの心理臨床家、精神科医、心理学者などに読んでもらいたい1冊である。

感想・レビュー・書評

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  •  スキーマ療法に関する理論や事例について包括的に解説されている。分厚く、字数も多いため、読むのに骨は折れるが、その分内容は非常に充実している。スキーマ療法関連の本で、本書を超える内容のものは現時点では他にないだろう。
     本書は、1章では概要。2章ではアセスメント。3~5章、8章では中心的な技法である認知的技法、体験的技法、行動的技法、モードワーク。6、7章では治療関係、治療戦略。そして9、10章で境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害に対するスキーマ療法。という構成になっている。
     他の心理療法との共通点や、違いが丁寧に論じられており、それによってスキーマ療法の特色がより明確になっている。副題にあるように、まさに「統合的」認知行動療法であり、むしろ認知行動療法からさらに一歩踏み込んだ理論といえる。精神分析の理論なども上手く取り込まれており、理論のまとまりのよさ(統合性)には素直に感動した。
     9、10章で事例を交えて理論が解説されていることで、より理論をイメージがしやすくなり、理解が深まる。「モード」という概念が導入されたことで、クライエントの心の動きが追いやすくなるとともに、より共感しやすくなったように感じる。それぞれの技法(認知的技法、体験的技法、行動的技法、そしてモードワーク)がほどよいバランスで統合されていることも魅力だ。
     本書で論じられていることは、必ずしも「認知行動療法」の枠組みに納まらない。他の心理療法を学んでいる人であっても、クライエント(特にパーソナリティ障害をもつクライエント)への理解を深める上で本書から学ぶことは多いように思う。

  • 新世代の認知行動療法の一つであるスキーマ療法の"バイブル"とされている本です。

    セラピスト用の書籍ですが、当事者の方でも十分に読める内容となっていると思います。また、訳が素晴らしく、日本語として不自然なところが見当たりません。


    早期不適応スキーマ、治療的再養育といったスキーマ療法の中核的な概念の説明が具体例を示しながら説明されています。また、治療に向けたアセスメント、認知的・体験的技法といった治療の過程で必要な方法論も具体例を示しながら解説されています。特にクライアントとセラピストのやり取りを例として掲載してあり、技法を実際に適用しようとする際に参考になります。

  • かなりのボリューム読みごたえ、思ったよりもするする読めたのは、事例がたくさんあってイメージしやすかったこと、失敗例もあって興味深かったこと。
    多かれ少なかれ、自分にも当てはまるところがあると、言語化されて読むことが浄化作用になったりとか。

    スキーマやモードの名称、専門用語、説明のくだりは、かなり読むのにきつかったのはあるけど、とにかく読み進めてなんとなく理解できてくると、ああそういうことかとか、そのモードは私のこれかなとか、私の中にもこのスキーマはあるなとか、だんだんわかってきたり。

    あとがきで、少しべてるちっくなことが書いてあった。
    以前、監訳者のツイッターで、スキーマ療法の本を執筆とかを見かけたような気がするので、監訳者のスキーマ療法の本が出たら、ぜひ読みたい。
    っていうか、べてるちっくなスキーマ療法書いてほしい。

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