- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772412537
作品紹介・あらすじ
本書には、良質の臨床論文13篇が精選されている。精神科診断面接における留意点、面接を構造化するポイント、臨床現場の実感、全編に達人の臨床記録がちりばめられている。後半部には"成田善弘精読"とも言うべき秀抜な「解説」(原田誠一氏による書き下ろし150枚)を収載した。
感想・レビュー・書評
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成田先生の豊かな臨床経験に根ざした、
豊かな人間理解と、
真摯な向き合い方とが凝縮された論文集。
己の思春期青年期についての、
あくまでも冷静でしかも正直な自己理解に触れると、
その誠実さに、はっとする。
だからこそ、
事例を通し、先生にお会いすることができ、
確実に受け継がれる普遍性があるように感じる。
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先生の紡ぐ日本語の素晴らしさを思うと、
面接場面で生の言葉を伺いたくなる。
精神療法を真剣に学んでいない精神科医に、
ぜひとも読んで欲しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
成田先生の「自選臨床論文集」です。これまでも氏の論文集は出されているが、最新の物です。最新と言っても昔からの論文も入っており、氏の考えをバランスよく理解できる論集だと思います。原田誠一先生がかなり長い解説を掲載されているのも本論文集の特徴と思います。私はこの論集の中でも「転移/逆転移」が一番興味深く読めました。精神療法(特に分析療法)は、転移・逆転移によって「ドラマ」となるということです。成田先生は、輸入文化である精神療法を日本語(文化)に咀嚼して表現できる一人として、文章も卓越なこともあり、読んで勉強になる方と思います。解説の原田先生も同様ですが。