心理療法家の言葉の技術[第2版]―治療的コミュニケーションをひらく

  • 金剛出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772413510

作品紹介・あらすじ

カウンセラーとクライエントの葛藤、面接の中断・停滞は、偶発事でありながら避けがたい心理面接の宿命でもある。ともすれば面接構造そのものを揺るがす悪循環に陥った心理面接が好転するとき、そこではつねに心理療法家によって緻密にプログラムされた言葉が物を言う。精神分析、認知行動論、システム論、体験的アプローチに依拠しながら、メタファーやパラドックス、リフレーミングや治療者による自己開示など、心理面接でクライエントが陥った悪循環を覆す言葉の技術を徹底考察。

感想・レビュー・書評

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  • p9 セラピストノイズ 「興味深い」
    p11 おそらく/たぶん比率


    第二部
    p141 ずっと防衛排除されてきた感情をまた所有してもいいのだという許しを患者に伝えるようなメタ・メッセージを伴うコメントの言い方をしっかりみにつける。
    「扉を開く言い回し」↓
    p151 少なくとも
    p152 さらにいっそう
    p161 たったひとつあるとすればなんでしょうか?
    p163 不安がもっとひどくなるときはありますか?
    p165 あなだが最もおこってほしくないと願っていることは何でしょうか?
    p166 同じ問題を抱えている他の誰かならどんな風に振る舞うだろうか?

    p190 普段あなたが見せているほどには明確にはお話されませんね
    p191 この場面ではよりくつろいで自分を表現しているが、いったい何がそれを可能にしたのだろうかと不思議がってみる
    p206 どこに解釈の強調点を置くべきかを評価する一つの有用な基準は、変化の方向性あるいはベクトルにある。
    p209 そこでは何かがあなたがより有能になるのを可能にしています。何がそれを可能にしたのでしょうね?
    p209 あなたは、自分のその反応のなかに、自分自身の達成を認めないというあなたのかつての傾向のなごりがいくらか含まれていると思いますか?

    p220 あなたは自分の体験により深く入っていきたい。でもそれは怖いことでしょう。だからあなたはそうした体験にとどまりたいとおもいつつも、躊躇し、話題を変えてしまうのでしょうね。
    p221 あなたは変化したいのですね。でもそれと同時に、あなたは気がつくと変化をとても難しくさせるようなことを自らしてしまっているのですね。
    p221 今の状況はあなたにとって不満でしょうね。あなたはもっと深く進みたいと言う。私は、あなたが実際そう願っていると思っています。にもかかわらずあなたは話題を変えたり、とても抽象的な議論を始めたり、などし続けています。いったい何があなたにそうさせているのでしょうね?
    p228 そうでなくちゃ不公平な感じがするのでしょうね
    p229 あなたが本当に求めているのは〜とか、あなたが本当のところ感じているのは〜などと言いたくなったときには、それに代わってここに提示されたコメントを用いなさい。
    p230 「〜ではなく」コメントではなく、「〜も」コメントである。
    p243 感じている⇆わかっている
    p246 あなたは新しい仕事を〜
    p249 私があなたの話を聞いているところでは
    p249 今や、あなたは踏み固める準備が整ったようです
    p251 あなたは物事への自分のアプローチの仕方をいろいろと考え直すようになってきたようです。けれども、かつてのアプローチの仕方もまだ時に姿を見せることがあるので、われわれはなおそれらの出現に警戒し続ける必要がありそうです。
    p252 あなたと経験してきたことをすべて考慮すれば、あなたが〜と感じているのも理解できます。
    p254 帰属的コメントは患者がすでに曖昧に接触している物をさらに明確化する物である。
    p255 私たちがこれまで一緒に見てきたように〜、私の知る限りでは、あなたは〜ということに気づいていますね、私があなたを正しく理解しているとすれば、あなたが言っているのは〜
    p255 彼に〜ということを理解してもらう方法は何かないでしょうか?
    p258 どんなことをしても彼女を喜ばせることなどできないのだと認めるのは、きっとつらいことでしょうね。
    p258 現実には不可能だと知りながらも、母親を喜ばせることができるふりをしなければならないのはきっとつらいことでしょうね。
    p259 お母さんが狂っていると認めるのは、きっとつらいことでしょうね
    p259 あなたの話を聞いていると、あなたは〜と言いたい(したい)ようですね
    p260 あなたの話を聞いていると、あなたは〜と言いたい(したい)ようですね。でもあなたはもしそう言ってしまうと(してしまうと)わがまま(卑怯、危険)なことになってしまうだろうとも感じているのですね。

    p283 その日記について奥さんと話し合うのは、とても勇気のいることでしょうね。
    p292 あなたが秘密にしておきたいことを私に話さないでください。でも、なぜあなたはそのことを私に言えないのか、そのわけを教えてください。
    p293 もしそのことを私に話したなら、そのときあなたはどんな風に感じるのでしょうね?
    p293 もしあなたが私に話せるとしたら、何を話すのでしょうね?
    p293 あなたがどれほど〜と感じているか、誰もわかってくれないんですね。
    p294 今はまだこの行動を減らそうとはしないでください。私たちはまず、それにはどういう意味があり、それは何と関連しているのかといったことを、もっと良く理解する必要があるのです。だからこれからの1週間は、その行動が自然と起こるままにしておいて、ただそれによく注意を払っていてください。
    p298 あなたが抱いているような信念の下では、この事態を打開するなんて全く不可能だと映ることでしょうね。

    p312 あなたは私がどんな不安もまったく経験しないとでもおもってるの?

    p316 治療者をこのように保護することは、事実上、患者の利益にかなったことだからである。

    p317-318 ちょー大事!職業的行為についての最も高度の倫理的基準
    p318 治療者は参与観察者であるけれども、非対称的な関係における参与観察者なのだということ
    p323 なぜその質問が問われたのか、そしてその質問は何を意味しているのかを治療者が理解することが重要だということ
    p324 質問に答えたあとに、「このことについてあなたはどんな風に感じますか?」「今の私の答えはあなたが本当に知りたかったことに答えていますか?」「もし私が〜だったなら、それがどんな違いをもたらしていたと思いますか?」
    p325 私はその質問に喜んで答えたいと思っています。でと、あなたが本当のところ何を知りたいと思っているのか、はっきりつかめない感じがあるのです
    p326 質問はチャンスであって、治療者や治療関係についての患者の体験を調べる機会となったりする
    p327 この仕事をしているとしばしば気がつくことですが、人は複数の理由から質問をするものです。確かに、あなたがその質問をした理由の一つは、私がどこの大学を卒業したか知りたいから、ということでしょう。けれども、私がA大学ではなくB大学を卒業したのだとしたら、そのことはあなたにとってどんな意味があるのでしょうか?その答えは、私について他にどんなことをあなたに告げることになるのでしょう?
    p328 その質問にどう答えたらよいのか、よくわからないのです。あなたはただ私が沈黙を守るか、それともあなたの質問に答えるかを知りたいのでしょうか?あなたにとってよりぴったりくるように感じられる特定のアプローチが何かあるのでしょうか?あなたが私の治療の仕方のどういった側面に最も興味があるのか、もう少し話してもらえますか?そうすれば私はあなたにより十分な答えを与えられるでしょう
    p334 何も話すことがないとき、私は時々、しばらく後になって、それは自分が怒っていたからだ、と気づくことがあります。

    p367 患者にさもなければ気づかれないままになっていたかもしれない変化に気づかせ、その過程において、その変化を維持し促進するよう助けうるものである。
    p367 リフレーミングのある種のものは、基本的にどこを強調するかという問題、すなわち図地反転の問題である。
    p368 変化した励まし力づけるコメントが、単に図と地を反転させるにと止まらず、生起した事象の意味をより徹底的に再解釈するものである場合もある。
    p371 あなたの話を聞いていると、あなたは夫に、一緒に過ごす時間が楽しみなので、もう少し早く仕事から帰ってきて欲しい、と言いたいように聞こえます。でももしそう言うと、要求がましく不平を言っているだけのように聞こえるのではないかと恐れているのですね。
    p374 患者は、他者が患者のことをどんな風に体験しているのかを、そしてまた、自分の関わり方が他者にどのような影響を及ぼしているのかを理解する必要がある
    p379 お二人とも、相手が自分の体に触っているときに、どんな感じがしているかにもっと気をつけてみてもらえますか?
    p384 本書全体を通して私は、不必要に抵抗をかきたてないようなやり方で治療者の理解を患者に伝えることの重要性を強調してきた。
    p385 治療者の専門技術は、抵抗を巧みに扱うことである。すなわち、患者が問題を引き起こしている自分自身や自分の生活の側面と向き合えるようにする方法を見出すことである。

  • 勉強をしてみたはいいものの、どれも今ひとつぴんとこず、どうしていいのかわからないでゐた。
    たまたま見つけて、目次やまへがきを見てゐたら、自分の気持ちや、その場で伝へなければならないこと、伝へたいことをどのやうに伝へればいいのか、感じていたゐたことが並べられてゐて、まう読まずにはゐられなかつた。
    心理療法とは、特効薬的にすぐに効くものではない。患者の体験する主観世界の再構築や、患者をとりまくシステムなど、患者の生きてきた時間の中で構築されたものはさう簡単に変るものではない。ひとはだからこそ安定した社会的生活を営める。
    しかし、いつもいつもさうしてゐられるわけではない。状況が変れば、時にさうして構築されてきたもので余計にうまくいかない時があつてしまふ。
    だが、それは構築されたものである以上、構築し直せないわけではない。構築のし直しをためらはせるのは、ひとの不安や恐れである。さうした時間の中で構築されてきたもの、変ることへの不安や恐れに気づかせ、面談の中で少しずつ体験し直し、少しずつ患者をとりまく世界になじませていくこと。それこそが心理療法家のできることではないか。
    これらの再構築や体験のし直しには、信頼関係を築いた上で、継続して関はり続ける必要がある。信頼関係を築くには、患者のとる行動には何らかの解決への努力があり、さうせざるを得ない事情が必ずあることをまずは伝へることである。決してそれは取調べでも尋問でも非難でもあつてはならない。わずかな意味合いで、そのやうにとられてしまはぬやう、様々な工夫が挙げられてゐる。それは時に自己開示といふやり方も効果的である。
    さうして築かれた信頼関係があつた上で、患者の体験する世界に例外や解決の糸口を開かせるやうな洞察、解釈が効果を成す。そして、そこには新たな行動変容につながりうる、帰属的コメントやリフレームが大切である。
    技法といふものは心理療法を科学たらしめる意味においてとても重要である。誰がしても一定の効果があるといふことは、その再現可能性からして心理療法といふつかみどころのないものの輪郭を非常に明瞭にする。それは人間をこの社会にあはせるといふ意味で、都合のいいやうに変化させることをやがて可能にするだらう。
    しかし、技法を用ゐるのはこの人間である。用ゐる人間の意図を無視して心理療法はあり得ない。どんなに技法的にただしくても、用ゐる人間が患者を前にしてその技法を用ゐなかつたといふなら、技法うんぬんより先にそのことを先に考へなければならない。そこに心理療法家としての腕や倫理といふものがある。

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