- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772414180
作品紹介・あらすじ
トラウマやトラブルで傷つかない人はいない。それでも、折れた心を回復させることは誰にでもできる。ユーモア、好奇心、環境適応力、感情コントロール、問題解決スキル-これまでの人生で身につけてきた「自己回復力=レジリエンス」を再発見するための心理学入門。
感想・レビュー・書評
-
役に立つ考え方がたくさん
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
生態系の復元、経済危機からの復活、災害からの復興など、『回復力(レジリエンス)』という言葉が使われます。著者は、認知療法・認知行動療法の立場から、この回復力について丁寧に順を追って説明します。
1. 回復力とは何か?
2. 態度(回復力の核心)
3. 回復力の養成を妨げる態度
4. 回復力をさらに高める
5. 回復力を支える強さ
6. 職場における回復力
7. 人間関係における回復力
8. 厄介な人に他処するための回復力
9. 回復力を維持する
10. 回復力についてのまとめ
・出来事が心を乱すのではなく、その出来事をどう受け取るかによって心が乱れる。
・思考と感情と行動は密接に関わっている。思考と感情を混同してはいけない。整理するには、自分の考えが硬直しているか柔軟か、現実的か非現実的か、有益か無益か、他の人に教える気があるか、を問う。
・悲観的な説明スタイルに陥った場合、永続性、全面性、自己関連付けの3つの要素が含まれる。例えば、自分がやらかしたせいで奈落の底に落とされた気分になる、という0 or 100的な思考。極端に振りすぎた状態と言える。
・人が間違いを繰り返すのは、自分を十分理解できていないからである。
・疑念が頭をもたげても、それと関わり合わず、ただその存在を認め、心を素通りさせること。これはマインドフルネスと呼ばれる。
本著では、著者によるセラピーのクライアントの事例を紹介しなら、歪んだ認知をどう正常化してきたのかを分かりやすく説明します。
生きていく中で遭遇する様々な事象に対して、自分が変えられるのは自分だけ。影響を与えることはあっても、相手を変えられるなんて思ってはいけません。また、自分を変えるにあたっても、感情に振り回されることなく、事象に対して何を考え、何をしたいのかを冷静に整理する必要があります。
海外ではよくセラピーが活用されていますが、セラピストを含め、他人になかなか心を開いて相談することができず、悩みに悩み続けている人も多いかと思います。
そんな時、「回復力」という言葉や整理方法を知っているかどうかで、対処のスピードも効果も大きく変わってくるようです。短い人生、くよくよ悩みながら生きるより、一度すべてを吐き出してリフレッシュすることは大変に重要です。
一歩踏み出してみれば、意外にも他人はそれほど気に留めていないことだらけ。まずは勇気を出して行動してみたいと思わせる、そんな一冊でした。 -
コントロールできないもの、ことに囚われない。疑念が頭をもたげても、それとかかわりあわず、ただその存在を認めて、心を素通りさせる。
上司にも取扱説明書がある。敬意を持って部下に接するとか心身の健康に注意する義務を負うことはない。何としても仕事をやり遂げたいだけ。 -
146.8-ニナ 300446390