ビジネスパーソンのためのアサーション入門

  • 金剛出版
3.09
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本棚登録 : 129
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772414876

作品紹介・あらすじ

アサーションとは「自分も相手も大切にする自己表現」という意味で、現在では、コミュニケーションにおける必須の知恵となって世界に広まっている。
人はひとりで生きているわけではない。人との関係の中で育ち、成熟していく。そのためにコミュニケーションは誰しもが必要なものなのだ。
本書は、アサーションの平木典子先生と経営学組織行動論の金井壽宏先生とのコラボレーションにより、心理学と経営学の架け橋となる1冊に仕上がった。

感想・レビュー・書評

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  • 大学の先生との対話形式ということで、前半は概念的、後半はケーススタディも交えて、学生の感想等が書かれていた。個人的には少しジェンダーに偏りがあるような印象も受けた(例、女性はこうなので、という書き方が多い)。

    以下メモ
    ・よく言う「I(アイ)」メッセージ。アンガーマネジメントにおいて相手を責めるのではなく、自分はどう感じたか相手に伝えると言うもの。その発展系として、「怒っているのではなくて、がっかりしてるのよ、あなたに」と、枕詞をつけることでよっぽど鈍い人にも伝わり、かつよいアサーションな表現になる。
    ・女性は怒っている時に泣くことがあり、男性は寂しかったり悲しかったりすると怒る。
    男性は「男は寂しがったり悲しんだりしては行けない」というジェンダーの縛りを受けているので、そういう感情を引き起こされたときに怒る。

  • 今の私に一番刺さった本。

    前職でのモヤモヤのうちのひとつがクリアになった。

    『集団での意志決定』
    前職では、じぶんの意見(少数意見)を次第にだせなくなっていった。
    「決断したがりな人に、前進する決断の気持ちよさを味あわせておけばいい」と、諦め続けた。
    なにを誰にいっても、どう伝えても、現状が変えられず悪化をたどるばかり。そして自由に発言する権利もどんどん奪われていく職場(言語統制)
    社長のお気に入りの人以外の意見は、無意味で評価されなくなっていった。そのようなふるまいが推奨されないと、誰も意見を言わなくなる。
    澱がたまる。
    人もやめる。
    気づかぬうちに、いつの間にか巨大化したモヤモヤの塊にとらわれて、身動きとれなくなっていった。

    この本の意図やコンセプトとは、少しずれるけれど、じぶんで言語化できてなかった部分が解明できて、すごくすっきり。読み途中なので、読み進めます。

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    読後、気になった箇所のメモ
    ◆コンパッション・ファティーグ compassion fatigue
    共感疲労。人をケアする仕事では、共感的、同情的に相手にかかわることで疲労し、バーンアウトすることが多い(看護婦、カスタマーサポート、苦情受付)
    アサーティブでいられず、「申し訳ありません」と言わなくてはならない。心の中に汚れがたまっていく。そうならない為に、「仕事の中であったことを話せる場所と相手を用意する」ことが大事。仲間同士で話し合える場が大切になってくる。

    ◆組織の秩序といえば、「マネジメント」
    組織のチェンジ・変革といえば、「リーダーシップ」

    人は自らのモチベーションを自己調整し、落ち込んだときにも自分を鼓舞する人間である必要あり。
    組織の中で、自分の言いたいことをきちんと相手に伝えることも大事。相手に伝えることで、自分の周りの人に影響を与えていく。他の方が目的に向かって頑張れるように方向づけ、動機づけるのがリーダーシップ。
    それは実際経験するか、よきリーダーの薫陶によって鍛えられる(座学だけでは厳しい)

    何をするにしても、コミュニケーション比重大きい。

    ◆人間である限り、人権として『言いたいことを言いたいひとにきちんと伝える権利がある」
    ただ上の言うことを聞くだけではなく、自由闊達な雰囲気の中で個人の権利が尊重されなければならない

    ◆認知の問題。ものの見方が違っていることは間違っていることではない。アサーションでは、自分は違うということがお互いにはっきり言い合える関係。お互いの違いを理解しあえる関係を重視。

    ◆日本語では、アサーションは主張、断言、言い張るという訳語に。本来の意味とは異なる。
    日本文化が関係している、のだろう。文化が違うと意味が異なる。
    自分も相手ま大切にする自己表現。が著者の考える意味。

    自分を引っ込めて言いたいことを伝えないと、だんだん言いたいことがわからなくなる。そのときどきの自分を確認しておかないと、そのうち自分のことがわからなくなる。相手の話をきいて、『わかったわかった』ではなく、『私はこんなふうにわかった』と伝えるのが大事。

    ◆怒りは、人間が生きるうえで一番大切な感情。怒りは怒りとして表現する必要がある。怒ってますと、いえば通じる。

  • 機会があって、アサーション(アサーティブコミュニケーション)について勉強しました

    ビジネスにはロジカルコミュニケーションも当然重要ですが、アサーションも実践することで、より良い人間関係や職場環境の形成に繋がりますね

  • 「非主張的自己表現」で『安眠ガイド』とリンク。日本人特有の「自分の気持ちを抑えて言わなくても伝わるだろう」ではなく、でも怒ったり感情的になったりするのでもなく、ちゃんと気持ちを伝えることが重要。女性で出世するタイプの一つとして挙げられている「男性を凌駕しようとする女性」、いわゆる「男性化」は、朱野帰子『わた定』や碧野圭『駒子さんは~』にも同じような主題があったような。日本人のビジネスパーソンは感情を伝えるのが苦手で、奥さんにすらありがとうが言えない男性社員もいるとの話に驚き。たしかにいそうだけど、そういう人は一体どこで安らぎを得るのだろう。

  • 対話形式でビジネスシーンを想定したアサーションの必要性を説いている本。
    学生実験の感想もある

  • ビジネスパーソンのためのアサーション入門: Meet Up 大阪 @ blog
    http://www.meetuposaka.com/article/455835461.html

  • 飯能図書館貸し出し
    2017-8

  • 本書は、組織行動論とカウンセリング心理学のコラボで、アサーションを解説。

    格差、見通しのつかない未来、ネット・メール等顔の見えないコミュニケーション・・・。
    自分は優秀だと思っている人は「もっと上昇してやろう」と前向きになれるが、そうでもない人は、「どうせここまで」とあきらめ感を持ってしまう時代。価値観も生き方も生活スタイルも多様化する中で、人と人がコミュニケーションをとり、理解を深めることが難しくなっている。
    そんな時代、組織がパフォーマンをあげるには、構成員がアサーション(自分も相手も尊重する自己主張の仕方)を身につけることが鍵。
    とは言っても、難しい・・・。

    国権の最高府で議論される国会議員こそ、こうしたスキルを身につけてほしいとも思った。

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著者プロフィール

IPI統合的心理療法研究所

「2021年 『《中釜洋子選集》家族支援の一歩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平木典子の作品

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