ごみ行政はどこが間違っているのか?―リサイクル社会を問い直す

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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772602525

作品紹介・あらすじ

いかに企業の生産者責任を問うか、という視点。ごみ処理費用あるいはリサイクル費用をいかに企業とその製品を買う消費者とに負担させるか、いいかえれば、いかに市場に内部化するか、という視点。生命を守る立場からいかに大量浪費社会を変革するか、という視点。これらの視点から、一般廃棄物についても産業廃棄物についても、その処理・リサイクル制度を根本的に転換する必要があること、たとえば、一般廃棄物については、税金負担の処理に代えて事業者負担で処理・リサイクルをはかるべきこと、有害廃棄物については、その処理を事業者にまかせるのではなく、公共を中心とした中間処理施設を指定してそこに運ばせるようにすべきことなどを論じる。

感想・レビュー・書評

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  • ごみ行政とタイトルについているが、
    行政のみならず、日本における廃棄物処理に関する問題点の指摘や
    提言がつづられている。
    廃棄物に関する書籍は多いが、論者によって、
    特定の物質(例えばダイオキシン)の危険度や、
    処理方法(例えば高温焼却、RDF化、サーマルリサイクル)の
    評価もまちまちで、門外漢には迷いのもと。
    個人的には技術的評価はいずれも「そういう見方もあるんだな」と
    見ざるを得ない。
    本書についても同様だけど、データ、現場の課題、技術的観点、
    諸外国との比較等、誠実に書かれているように思う。
    まあ判断つかないんだけど。

    個人的にいいなと思ったのは、廃棄物を「負の財」と捉える概念。
    通常の財と異なり、お金の流れとモノの流れが同一となることにより、
    処理の質が代金の支払者がチェックすることが困難であり、
    それが一般的な市場原理になじまない、とする考えで、
    これは処理業の現状をよく表していると言えるのではないかなー。
    この概念を水道と下水道で喩えた部分も面白い。

    他の興味深い概念としては「住民負担より消費者負担が優れている」という考え方。
    むちゃくちゃかいつまむと「ゴミの処理費を税金でまんべんなく負担させられるより、
    実際にゴミになる製品使う奴が購入費の中で負担しろよ」ってことかと。乱暴な表現ですけど。
    具体的には生産者が費用負担して、その費用を価格に転嫁する。
    仕方ないよなー。

    本書のすぐれた点は、廃棄物の存在を事実と概念の両面から説明し、
    問題指摘と対策提案を行っている点にあるのだと思う。
    何でもかんでも反対(または賛成)ではなく、
    是は是、否は否としているのも個人的には好感。
    あたりまえのようだけど、廃棄物や環境の問題になると
    それができない論者もいるのです。
    思い入れだけになっちゃうのかねー。

    あ、この本、1999年の発行なので、法規やデータは
    変わってるので、そのへんは気をつけましょう。

  • 現在の廃棄物行政を批判し,リサイクル至上主義,ゼロエミッション・ブームの危険性を指摘。
    経済成長と環境保全をいかに両立させるかは,現代社会に突きつけられた重い課題だ。そのどちらに比重を置くかで,環境行政も大きく変わってくる。著者の熊本一規氏はこの点,「生産力を落としていくことによって,人間が幸せになる可能性を探るべき」との立場をとる。

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著者プロフィール

明治学院大学国際学部教授

「2018年 『ごみはどこへ行くのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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