戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方: エコとピースのオルタナティブ

著者 :
  • 合同出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772603454

作品紹介・あらすじ

この本は、戦争をやめさせ、地球温暖化を中心とする環境破壊をくいとめる、新たな社会づくりの方法について述べたものだ。確かに大風呂敷だが、問題を解決していくには、大きな視点から問題の原因に迫り、その原因を取り除く方法を考えなければ解決できない。現象に踊らされても、対症療法以上のことはできない。さらに問題を解決していくためのストラテジーが必要だ。ただ問題を分析してみせるだけなら難しくはない。しかしそこから何ができるか、どういう可能性があるかを示せなければ実現には近づかない。全体状況は悪化している。まるでレーサーがコーナーを攻めるように、最短距離のラインをフルスロットルで切り込んでいかなければならない。

感想・レビュー・書評

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  • 著者のオルタナティブな物の見方が大好きです。

  • 目から鱗がドバァーーーーーっと落ちました。ナイアガラくらいかな。ホント読んで読んで<(_ _)>

  • 分かり易い上に数値的なデータもあり詳細。且つ落とし込みどころが前向きな内容なのはこの手の本には珍しいかもしれない。(大抵はシンプルで薄っぺらでピースなだけか、逆に真っ暗闇な事実・データと批判だけかに留まるものが多い気がする) 「人々は悲惨過ぎる情報を受けたがらない」と書かれている通り 著者もそれを承知していて、読むに耐えられない内容にはならないよう心掛けたのかもしれない。それでも「戦争の被害者としてカウントされない犠牲者も居る」という事においては述べられている。「戦争を支持出来ない一番の理由はそこにある」と(人の存在が否定され無視されている事やそれが結局テロリストを量産する仕組みとなる事)、著者の反対理由はその非人道的な点にあるが、現実の問題点は戦争が巨大なビジネスであり、具体的にどういう原因でどこからの金が動いているかという事も分かり易く書かれている。世界一軍事費をかけているアメリカの国債購入国比率は日本がダントツの1位。日本の銀行から出ているので私達の預金は間接的にアメリカの軍事費となっていると(しかもその軍事費の使われ方は不透明…)。又、私個人は軍事費以上に原発を問題視しているので第2章の方が興味深かった。本書は東日本大震災が起きる前に出版されたものだが、「地震国に原発を建てる事自体が非常識」である事や地震等自然災害のリスクや健康被害のリスクだけでなく、経済合理的な面からも原発に無理がある事が解説されておりロジカル且つ非常に分かり易かった。
    エコロジーにおいても「一人一人の意識を変えよう」などと簡単に済ませていないのが好印象。寧ろ「ライフスタイルを改善すれば解決する」は誤解で、その詳細はP56から記載されいるが 要するに「地球温暖化は家庭の責任」と言うのは無理があり、個人のやる気を失くさせているようでもあるという話。ヨーロッパ諸国のように環境税を活用してはどうか、「国民経済に大きな影響を与えるのは(環境税ではなく)地球温暖化の側ではないか」と。
    第3章では家庭で出来る事も書かれているが、単なる節電の話ではなくエネルギーシフトの話。「キャパシタ」「ポリ乳酸プラスチック」等、聞き慣れない単語も多く こういうのがあるのかと思った。理系の人には楽しめる内容かもしれない。
    「自然エネルギーへのシフトにおいて日本は遅れている」とよく言われている事についても他国と比べたグラフで見られる。

    第4・5章はお金についての話で、断片的に聞いた事があった問題も流れとして分かった。「1日1ドル以下の収入で生活している」事と「貧しい地域」は必ずしも一致しない という点も納得出来て面白かった。身近な筈のお金の事・常識と思っていた事、意外と知らないままだったと思う。とくに郵便貯金の問題は非常に興味深かったので、別の本やネットからもう少し調べたいと思えた。

    第6章は他の章で書ききれなかったものが書かれた、という印象で話の転換が多く少し読み辛かった。ただ「保険貧乏」の例を用いた「セキュリティー」という幻想の話は面白かった。
    又、P156の9・11についての記載はさらりと書かれているものの衝撃だった。これも絶妙な情報量ではないかと思う。

    全体的にそれぞれの話の情報量が絶妙だと感じた。例えば「劣化ウラン弾」についての記載(一般にはあまり知られていないが強力な武器で核ではないので日本の自衛隊も所有しておいる)、知らない読者には「なんだろう?」と疑問を抱かせ「とにかく子供が犠牲になっている」という事は分かる。(詳しく知りたい人はネットでも何でも調べればいい) 詳しく述べられると読むのが辛くなる凶悪な武器なので情報量としては丁度良いと思う。(入り口としても既に知っている人にとっても)

  • 「戦争は良くない」「環境破壊は良くない」と思っている人は多い。

    でも、その原因にアプローチして解決策を提示することなしに、
    感情論だけで行動するのはナンセンス!

    現実的に何が問題で、その根っこの部分には何が存在するのか。
    それに対して自分ができることは何なのか。
    ここまで考えた上で、行動に移さなければダメ。

    あとがきを読んでも分かるように、
    筆者はこうした考えを持っていると思う。
    そして、その思想に自分は深く共感した。
    読んでいて、大量の付箋が付いた。

    ただ不安を煽るマスコミから薄っぺらい情報を得るくらいなら、
    この本を一冊読んだ方がいいと思う。

  • 新しい考え方を見つけられた。
    自分でも実行できること(ちゃんと効果がある)が満載。銀行にお年玉を貯金するのはよくない!!


    (07.8/21月曜)

  • あまりにもストレートな題名で少し恥ずかしくなるが、内容は「どうすれば現状を打開できるか」ということだけに的を絞った非常に実践的な本。
    この本のおかげで教えられたことは多々ある。
    自分(または世の中)を変えたいという気持ちが少しでもあるのなら、読んで損はありません。

  • NPO未来バンクを立ち上げた著者の指摘は鋭く、論理が飛躍しているように見えて、全く同感だと思いました。イラク戦争、地域・民族紛争の背後にあるものが石油問題であり、石油問題を徹底的な省エネにより解決していこうとする薦め。著者はそのためのNPOとしてサラ金と似ても似つかぬ、環境投資のみへの融資を行う銀行を立ち上げているのです。冷蔵庫などの省エネに飛躍的な実現により、私たちの家庭で出来ることは実行していきたいと思いますが、産業用エネルギーの節減が日本ではまだまだ遅れているということは全くそのとおりでしょう。エネルギー問題の解決なくして環境、戦争の解決はない、という極めて分かりやすい迫力に富む指摘です。

  • 未読

  • エコ、ね。
    資源と金と戦争と。

    考えること。です。

  • 平和と環境のために、自分ができることを考える。そして、小さく実行していく。

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著者プロフィール

1957東京都生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和のさまざまなNGO活動に関わる。現在「未来バンク事業組合」理事長、「日本国際ボランティアセンター」理事、「apbank」監事、「一般社団 天然住宅」共同代表を務める。現在、立教大学大学院、和光大学大学院、横浜市立大学の非常勤講師。著書(共著を含む)に『環境破壊のメカニズム』『日本の電気料金はなぜ高い』『どうして貯蓄が行けないの』(以上 北斗出版)、『非戦』(幻冬舎)、『Eco・エコ省エネゲーム』『戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方』『戦争をしなくてすむ世界をつくる30の方法』『世界から貧しさをなくす30の方法』(以上 合同出版)、『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』(岩波書店)、『地球温暖化/人類滅亡のシナリオ』(扶桑社)、『おカネで世界を変える30の方法』『天然住宅から社会を変える30の方法』(合同出版)、『いますぐ考えよう!未来につなぐ資源・環境・エネルギー 1~3 』『いますぐ考えよう地球温暖化 1~3 』(岩波書店)、『おカネが変われば世界が変わる』(コモンズ)、『環境教育の落とし穴』(大月書店)、『原発に頼らない社会へ こうすれば電力問題も温暖化も解決できる』(武田ランダムハウスジャパン)、『地方論』(子どもの未来社)など。著者ホームページ「田中 優の“持続する志”」 http://www.tanakayu.com

「2013年 『子どもたちの未来を創るエネルギー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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