実録 解離性障害のちぐはぐな日々: 私の中のたくさんのワタシ

著者 :
  • 合同出版
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本棚登録 : 142
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772613668

作品紹介・あらすじ

多重人格な私が身につけたライフハックの数々。
けっこう困ってるけど、今日もなんとか生き延びてます!
専門医による病気・症状についての解説コラム4本を収録

感想・レビュー・書評

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  • 「本当の私」はだれなの?
    イラストレーターで解離性同一性障害の当事者Tokinが描いた「多重」の世界のリアル&私が身につけたライフハックの数々。
    けっこう困ってるけど、今日もなんとか生き延びてます!
    専門医岡野憲一郎による病気・症状についての解説コラムを収録。
    もし抱えきれないストレスや辛い出来事に遭遇したら、どうやって自分を守るか?「辛くなったら、自分と感情を切り離してしまえばいい」この対処法を子供の頃身に付けたTokinさんはある時期まで無敵だったけど、自分から切り離された感情や自分は別の人格を形成するようになった。
    双極性障害もあり、相手や状況によって自分の感情や人格が激しく入れ替わるようになり、人間関係に支障をきたすようになり、自分が分からなくなり、友人や彼氏が自分を好きでも「どの自分を好きなのか?」わからない、辛い感情が冷凍保存されていてある時吹き出して混乱してしまう症状に苦しみ、カウンセリングした。自分の感情と人格が上手くつかめず、坑うつ剤の影響で解離症状が悪化し躁状態が強くなってしまう。入院中に入院仲間から「やっぱり私達病人のことなんて、先生はわからないんだ」という言葉を聞いて悔しい気持ちになったTokinは、自分の経験を元に解離性障害のことを理解してもらうためにフリーペーパー「ゾンビ道場」を作ることにする。「ゾンビ道場」をきっかけに、ロックバンド「バクガキ」のライブでライブペイントしたり、活動の幅が広くなったTokinだが、服薬で躁鬱の幅の改善を図ろうとするけど、なかなか上手くいかない。定期的に両親が様子を見にきてくれたり、「100%を目指さない」「「普通」は気にしない」「困ったらノートに書く」「少し疲れたら休む」「自傷したい時は柔らかいものを握る」などのライフハックを身に付けて、「カウンターたちの朗読会」などの活動したり初の個展を成功させて順調なTokinだが、自分のやることが記憶と実感が解離していることに手の中からやっていることがすり抜けていく不安があり「絵を描くことに意味があるのか?」と不安になった。「カウンターたちの朗読会」をやっている相方の朗読詩人成宮アイコに解離のことを聞かれたTokinは、「実感はあるけど自分の記憶が遠ざかってしまう」と説明した。成宮アイコは、「忘れたりしても絵で記憶を残して絵を描くことで取り戻してきた。忘れても絵を続けてきたことって凄いよ」とTokinに言ってくれた。

    解離のせいで記憶が遠ざかって、自分がやり遂げたことも手の中からすり抜けても、形に残るもので残すことで自分と世界を隔てる川の幅を縮めることが、出来る。自分の感情を、例え怒りや悲しみや悔しい気持ちや怨みや苦しみであっても否定せず、向き合い受け止め表現することが大事。理解しにくい解離性障害を分かり易く解説したコミックエッセイです。

  • 解離性障害ってなんだろう?ということが、コミカルに描かれていて、美しく可愛らしいイラストが良かったです。

  • 解離性パーソナリティ障害、双極性障害をもつ著者のサヴァイヴァルの記録。表現力が豊かで解離の世界を想像することを助けてくれる。監修は岡野憲一郎先生。

  • マンガと解説の両方があり、精神疾患に詳しくない方でも十分リアリティを持って理解するサポートが可能な本だと思います。
    もしかしたら、解離性障害について全く知らない方や、身近にその障害を持つ方がいないという方にとっては、まさに漫画の世界かもしれませんが、このような光景が、障害を持つ方の目の前に広がっているのが事実です。
    患者の方のやりきれない思いや落胆、この辛さがいつまで続くんだろうという恐怖や絶望を、少しでも多くの健常者の方にも知って頂きたいなと思いました。

    解離性障害の内、心に起こるもので、いろんな人格が登場するのが、解離性同一性障害(昔の呼び名で多重人格)、体に起こるものが、転換性障害です。
    最近になって解離性同一性障害についての書籍や情報は増えていますが、転換性障害についてはまだ少ない印象です。

    巻末にはたくさんの相談窓口リストも掲載されており、有益です。

    患者さんのご家族にもぜひご覧いただきたい本です。

    「おわりに」のメッセージがとても心に残りました。
    読んでよかったです。

  • 解離性障がいの当事者として、ずっと気になっていて、やっと読むことができました。自分と同じところ、違うところがありましたが、解離性障がいの分かりにくい世界観や当事者のしんどさを、とても分かりやすく表現されていると思います。自分自身が読む際は、「これ分かる」「これよくある」と楽しく共感しながら読むことができます。また、漫画形式になっているので、パートナーにも勧めやすく、自ら興味を持って読んでくれました。筆者と私の様子を照らし合わせて読むことができ、精神疾患に全く興味や知識がなくても、理解を深める良い機会となったようです。

  • 東京新聞:気持ち、ありのままに『実録 解離性障害のちぐはぐな日々』 イラストレーター・Tokinさん:Chunichi/Tokyo Bookweb(TOKYO Web)
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/kakuhito/list/CK2018121602000188.html

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    けっこう困ってるけど、今日もなんとか生き延びてます!
    http://www.godo-shuppan.co.jp/products/detail.php?product_id=603

  • 493.7巻末にスライブ紹介あり

  • 726

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著者プロフィール

イラストレーター
1983年生まれ。学生時代から心身の不調を抱えつつ七転八倒。精神科への通院開始から10年ほどで解離性同一性障害・双極性障害と診断される。長期入院をきっかけに、自身の障害を描いたフリーペーパー「ゾンビ道場」を発刊。朝日新聞、テレビ東京等で話題を呼び「季刊・BE!」(アスク・ヒューマン・ケア)にて1年半にわたり当事者漫画を連載。
現在は主に「心理とおとぎ話」をテーマに漫画や水彩画を制作。イベント出展やライブペイントも多く行なっている。

「2018年 『実録 解離性障害のちぐはぐな日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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