脳の中の身体地図: ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ
- インターシフト (2009年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772695152
感想・レビュー・書評
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脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ
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最近レーベル買いしているインターシフトの本。
脳が認識している身体と、実際の身体が一致しない場合、という不思議な現象を中心にして「ボディマップ」について書かれている。
このボディマップの不一致や拡張について、拒食症からWiiまで様々な例を挙げてわかりやすく説明してあるので、全くボディマップについての知識がなかったが、心と身体がうまく一致していないという状態についてよく理解できた。
道具を手に持っていると、その道具の先までボディマップが拡張されるというのはおもしろい。オランウータンが木の枝を杖のようにしてあちこちつついている映像を思い出した。
同じ著者の『脳の中の幽霊』は読んでいないので、機会があったらこちらも読んでみたい。 -
「プルーストとイカ」につづいて、「脳科学のフロンティアシリーズ」の2冊目の本書を読む。
研究者ではなく、サイエンスライターが書いたせいか、とても、分かりやすいし、この分野のいろいろな話題が相互の関連性をもって、理解できる。
うーん、脳科学もほんとうにものすごく進んで、いろいろな事が本当に分かってきているんだね。
最近、脳科学関係の本が結構売れているみたいだけど、かなり旬なんだね。
科学がどんどん進歩することで、いろいろなことが分かって行く。と、人間とか、生命の不思議というのは、ある意味どんどん増して行く感じだ。
なんて、よくできているんだ。
といっても、神が創造したものとはとても思えないご都合主義のありあわせのモノを利用しながら、さまざまな高度な機能が実現しているわけなので、やっぱり進化のたまものなんだろうね。
私とか、自我は幻想でしかない。
でも、そうした幻想を感じる事ができる高度に発達した存在として、存在している。それこそがまさに奇跡なのだ。 -
脳科学の本が面白いのは、身近な疑問や習慣を事例として扱いながら、それを驚きの理由をもって説明してしまう所にあるのだろう。本書で挙げられるボディ・マップの機能とは大人になった後も脳内で随時更新され続けるものであり、それが摂食障害やイップス、変性意識状態といった原因になっているという。特に、体外離脱やドッペルゲンガーといったオカルトめいた経験は、特定の脳の部位への電気刺激によって再現可能だという事実には驚かさせられる。『脳のなかの幽霊』の共著者というのもあって、類書の中でもそのわかりやすさは頭一つ抜けている。
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ボディマップをうまく使えば新しいUX/UIが作れそうだ。
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全体を通じてボディ・マップ、感覚と脳の領域との対応についての話。 途中からダイエットやら精神疾患やら、具体的な事例の話が詰め込まれ、各事例は身体観を見直す視点を与えるものであるように思えた。
ただ、一つ一つの事例を追いかけていくのはなかなか大変だった。 冒頭を読むだけで充分だという人もいるかもしれない。 -
ボディマップ。
脳が手足と感じている領域についての本。
例えば、杖やバッドを自分の手足のように使えるのは、脳がそれらの道具を体の一部ととらえているからである。
アクションゲームをしていて、ゲームの中のキャラクターが攻撃を受けるとびくっとしてしまうのも、脳がキャラクターを自分のように感じているからだそうな。
そしてそのフレキシブルさに驚く。身体は一定ではなく変化するし(成長や老化)、環境によっても変わらなければならないから、当たり前かもしれないけど、ここまでじゃなくてもいいでしょ? という予想外のことにすら対応する。(バーチャルリアリティを用いて6本の脚を動かすことすら可能なのだそうな)
よく、本のなかで「魔法使えるのは才能があるから」とか、「超能力を使う感覚は持たない人には分からない」なんていうのがあるけど、これを読むと「そんなことは無いだろう」と思えてしまう。恐らく、魔法や超能力が当たり前の世界なら、「分かってしまい」「使えてしまう」んじゃないの?と思える。
面白かった。
「脳の中の幽霊」を読んでいたので驚きが薄いのが残念。