罪に濡れる夜に (CROSS NOVELS)

著者 :
制作 : 片岡 ケイコ 
  • 笠倉出版社
3.05
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本棚登録 : 35
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773003048

感想・レビュー・書評

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  • 神学校を卒業し、司祭として郷里に派遣された十夜は、幼馴染みで親友だった大地と再会する。
    旧交をあたため、穏やかな友情をかみしめる十夜だったが、気安さから出た振るまいを誤解され、憤った大地に半ば無理矢理に抱かれてしまう。
    手のひらを返したように強引になる大地と、司祭としての自分に板挟みになる苦しみから、一度は別れを選ぶ十夜だったが…。

  • ●あらすじ●</br></br>
    神学校を卒業し、司祭として郷里に派遣された十夜は、幼馴染みで親友だった大地と再会する。旧交をあたため、穏やかな友情をかみしめる十夜だったが、気安さから出た振るまいを誤解され、憤った大地に半ば無理矢理に抱かれてしまう。手のひらを返したように強引になる大地と、司祭としての自分に板挟みになる苦しみから、一度は別れを選ぶ十夜だったが・・・・・・。</br></br>

    ●感想●</br></br>
    今までちゃんとこういった教職者ものを読んだことが無くて・・・。雑誌に掲載されていたものをちょっと読んだことはあるのですがどれもイマイチで買ってまで読みたい!と思わせるようなものに出会えず苦手意識だけが残ってたのですが・・・・・・。
    <blockquote>
    「この猫被りの悪徳神父」</br>
    告解室の中に入ってくるなり、大地は少しからかうような口調でそう言った。</br>
    木曜日の夕方。</br>
    大聖堂の窓からは、真っ赤な夕日が見えており、外はセピア色に染まった風景と穏やかな日常が広がっていた。</br>
    微かに汗の匂いがしたのは、ほんの今まで聖堂の工事が行われていたからだ。だがそれは不快というにはほど遠く、スポーツをした時にかいた汗のような爽やかさすら感じるものだった。</br>
    大地の存在を近くに感じながら、十夜は容赦ない言葉を自分に浴びせた男のほうを一瞥した。格子の向こうに見えるのは、頭にタオルを巻いた男らしい親友の姿だ。</br>
    告解をするときは跪くのが一般的で信徒側の部屋に椅子はなく、膝を載せるために10センチほどの高さの木製の台が置いてあるが、大地は小さな椅子を引っ張り出してて十夜と並ぶように座っている。</br>
    「そう言うなって。司祭なんだから、誰にでも優しく接するのが当たり前だろ」</br>
    「優しくしすぎだ」</br>
    「なんだ、やきもち妬いてんのか?」</br>
    「アホか。色仕掛けでミサに誘う神父なんてどこ探したっていないんだよ」
    </blockquote>
    十夜が悪徳神父で色仕掛けで次々と信徒を増やしていく・・・・・・そんな話ならもっと楽しかったろうに〜(+_;)実際の十夜は駆け出しの司祭でとても真面目な人です。幼馴染みの大地の前でだけ安心してちょっと砕けた態度を見せますが。黒い司祭服のまま煙草を吸う姿にはそそられましたが・・・。もっと悪を想像してしまった私が悪いのか・・・物足りなさがどうしてもありまして。表の顔と裏の顔があったなら、と思わずにいられないのです。</br>
    お相手の大地は亡き父の工務店の跡を継いだガテン系。信徒であることから大聖堂の修復を請負、赴任したての十夜と再会。次に会ったら、絶対に堕とすと決めていた大地は十夜に迫るが・・・・・・。鈍い十夜は司教に言われて大地を想う女性・久美子との仲を仲介することに。そこから話がこじれていって・・・・・・。
    <blockquote>
    「---く・・・・・・っ!」</br>
    十夜は、磔にされるような格好でドアのところに押さえつけられていた。体格の差を見せつけられ、焦りを誘発する。</br>
    信じられないくらい心臓が音を立てていた。</br>
    「俺に襲われねーようにしろって言われたこと、忘れたのか?」</br>
    「・・・・・・っ、大地・・・・・・っ」</br>
    「俺に隙を見せるなって言っただろ?なんで俺を慰めようとする?神父だからか?」</br>
    「待・・・・・・っ」</br>
    「中途半端に優しくしやがって・・・・・・っ」</br>
    「は、離せ・・・・・・」</br>
    我に返った十夜は慌てて身を捩って逃れようとしたが、完全に押さえ込まれていてはどうにもならない。すぐ近くから顔を覗かれ、言いようのない羞恥に見舞われる。</br>
    つくづく自分を馬鹿だと思った。</br>
    大地の気持ちを知っていながらなぜ部屋にあげてしまったのかと、そして部屋を出ていこうとした大地を引き止めてしまったのかと、ただそればかりを後悔した。</br>
    何も触れることはなかったのに、と・・・・・・。</br>
    「・・・・・・っ、離せよ・・・・・・っ」
    </blockquote>
    司祭とのタブーの恋・・・・・・そんなシチュエーションに萌ぇ〜と思う方にはいいかもしれない。逆に無宗教で神を信じない私は嘘くささと偽善が鼻について駄目でした。</br>
    久美子の取った行動は許されるものではないかもしれないけど、でも彼女が一番自分の感情に忠実だったと思います。十夜は司祭の立場から本心を隠し、大地や久美子の気持ちを知っていながら二人をくっつけようとしたり応援するようなことをして。誰にでも平等に優しくしなければイケナイ・・・・・・仕方のないことだとは思うのですが、どうも納得いかないというか。</br>
    あらすじでは十夜が司祭との立場に悩む・・・ような感じですが、実際十夜はその辺のことでは悩んでない気がするのですが。もっと”こんな事しちゃイケナイ”っぽかったら背徳感が盛り上がっただろうに、割と流されてたような・・・・・・。あまり十夜の方に大地が好きで好きで堪らない、といった感情が感じ取れないのよねぇ〜。結構あっさり司祭の立場を捨てるとか言ってるし。最終的に司祭のままでいられるようになった十夜だけれども、大地の心配は永遠に続くのだろうと思うと気の毒のような・・・・・・。

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プロフィール

2001年に白泉社にてデビュー。シリーズ物を多く手掛ける。

「2016年 『極道の淫らな挑発』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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