緋色の蜜蝶 (クロスノベルス)

  • 笠倉出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773085846

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  • 魁は、ヤクザを父親に持つ大学生。
    しかしながら、母は愛人の立場であり、正妻の子である義兄からは目の敵にされており、日々目立たないように生活をしていた。
    その両親も亡くなってしまい、魁には義兄には内緒で父親からは生活するのに困らないだけの遺産が残された。
    そのお金をもとに、大学生活を送りながら、時折目立たないように生活することに息苦しさを覚え、ふらりと一人旅に出ていた。
    そんな一人旅からの帰り道、魁は獰猛でいながら怜悧な目をした舘林に声をかけられる。
    思わず足を止めた魁の目の前で魁の住んでいたはずの部屋が爆発する。
    呆然とする魁に対して、舘林は爆発の黒幕が魁の義兄であることを告げると同時に、ある提案を持ちかける。
    それは、男に抱かれる男娼になるか、死か。究極の二択であった。
    義兄は魁が父から引き継いだ遺産を狙っていて、魁が生きていることが別れば魁の命はないだろうし、魁の部屋からは身元不明の男性の遺体が見つかっていて、それが魁であると判断されることがほぼ確定していて、魁は戸籍も失うことになってしまっていて一人で生きていくことは不可能な状況であった。
    舘林はそんな魁に、義兄への復讐をするために男に抱かれ、義兄の上にいる男を誘惑するように勧める。
    最初は躊躇った魁だったが、他に選択肢もなく、男に抱かれることを受け入れる。
    その足で連れていかれたのはその道では有名な彫り師の元だった。
    そこで問答無用で妖艶な刺青を彫られることになった魁は、それとともに舘林の元で夜な夜な淫らな調教を受けることになる。
    次第に開花していく魁は、義兄への復讐よりも舘林への恋情の方が自分の胸のうちで優っていることに気がつくが、刺青が完成に近づくにつれて舘林との距離が開いて行って……

    という話でした。
    えーっと、大腿からお尻にかけての妖艶な刺青、という設定はとってもよかったと思うんですが、調教物だと思って表紙の妖艶さに惹かれて読むと失敗します。
    煽りに「調教」と書いてあるので、そのまま表記しましたが実は全然、調教ものではありません。
    ベッド上での行為は、他の男と関係を持つこと前提、と言われれば調教に相違ないと思いますが、それ以外はいたってノーマルな行為で、過激な描写はほとんどありません。というかむしろ、最後の最後で腰が引けている印象さえ覚えます。
    結局のところ、魁に関係を持つように当初から言っていた男もとても紳士だったし、あんまりドロドロした感じの話にはなってなかったなーと思います。
    かと言って、過激であれがいいってもんでもないと思うので、別にそれでもいいと言えばいいんですけど、ちょっと設定がもったいなかったかなー……と思います。
    難しいですね。

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