薬の社会史: 日本最古の売薬 外郎・透頂香

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  • 近代文藝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773363685

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  • 歌舞伎狂言十八番「外郎売」は有名?ういろうの名前を知るキッカケでもある。
    この本では日本古来の売薬の社会的意義を説くもの。売薬、現在の一般用医薬品、OTCというものとは観念が少し異なっている。霊薬と呼ばれるごとく、古来秘伝には、確固たる成り立ちと逸話、守り伝えられた秘法、社会に受入られる土壌などがあった。中世(室町時代)に発するが、小田原に移った後、江戸時代には庶民にも多く受け入れられろようになる。購入できる制度、体制、価格であったことはすごいこと。
    そして明治以降、戦後、現在に至るまで、残っていることはすごい。今でも買える。


    売薬とは、医師の処方せんなしで予め薬を調剤し、販売することである。
    外郎・とうちんこうは現在までのころ最古の売薬である。その理由は次のように考えられる。
    114世紀に来日した、当時貴重な唐人医師・外郎の作った薬であること。
    2主剤となるあせんやくが、現在売られている仁丹の様にその清涼、爽快感が日本人に好まれてきたこと。
    3その薬を提供してきた外郎家が、曲折はあっても現存し、とうちんこうを売り続けたこと。
    4各時代の外郎が、その時代に合致した宣伝方法をとりあげ成功してきたこと。

    二代目団十郎が狂言芝居「若緑勢曽我」で外郎売の姿をして、とうちんこうの由来と効能を早口舌、ねじり文句で滔々と喋って

    外郎が使った芳香性薬材は次のようなものである。
    丁子
    百壇
    龍脳
    沈香
    木香
    安息香
    蘇合香油
    麝香
    白膠香
    檳榔子
    陳皮
    橘皮
    縮砂
    阿仙薬

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著者プロフィール

スポーツプロデューサー
1936年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。
元スポーツ報道センター長(1998〜92年)。
NHK のディレクターとして、スポーツ番組の企画、制作、取材、放送権交渉などを手がけ、長野冬季オリンピックでは放送機構マネージングディレクターを務めた。 1998年NHK退局後は、スポーツ評論の著述、番組制作会社エキスプレス・スポーツのエグゼクティブプロデューサーなどで活躍。
リーグ理事(1998〜2002 年)、2002年ワールドカップ日本組織委員会放送業務局長(〜2002年7月)のほか、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科客員教授(2005〜9年)などを歴任。
著作に『テレビスポーツ50年—オリンピックとテレビの発展 力道山から松井秀喜まで(杉山茂&角川インタラクティブ・メディア)』角川書店(2003年)、「スポーツ・あ・いブラウン管からみたスポーツ」(日本体育協会『スポーツジャーナル』連載、95年度「ミズノ・スポーツライター賞」受賞)。

「2011年 『スポーツは誰のためのものか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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