理科オンチ教師が輝く科学の授業 (やまねこブックレット) (やまねこブックレット教育)

制作 : 犬塚清和 
  • 仮説社
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773502848

作品紹介・あらすじ

今から40年前,教育総合雑誌『ひと』に,ひとつの授業の記録が掲載されました。──理科の授業に四苦八苦する〈理科オンチ教師〉,しかし,そんな理科オンチ教師が行う授業にもかかわらず,子どもたちは目を輝かせ,クラスにはイキイキと討論が生まれ,家庭の保護者を巻き込んだ理科好きが生まれてしまう,なんとも不思議な記録です。
 「これまでの教育に落伍した理科オンチの先生方が楽しくてはじめてわかったような事柄は,子どもたちの認識にうまく合った教え方をすることができるのではないかと思うのです。そういう立場で,私どもは科学教育を作り直そうと考えているわけです」とは板倉聖宣さん。授業の成功のカギは,優等生ではない理科オンチならではの,〈楽しくてはじめてわかった感動〉にあるのかもしれません。
 本書には,板倉聖宣さんが「理科オンチのすばらしさ」について語った講演記録「理科オンチ教師のための科学入門教育」と,堀江晴美さんの若き日の授業記録「理科オンチ教師のたのしい授業」,そして現在《電池と回路》の名称で知られている授業書の前身《まめ電きゅうと回ろ》(1972年版)を収録しました。

感想・レビュー・書評

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  •  犬塚清和さんは,「編者まえがき」で次のように述べています。

    「子どもたちには学習意欲がない」「だから授業がうまくいかない」という声が教育現場では聞こえてきます。でも,教師がそれをいってしまってはおしまいです。教育は人間的な行為です。相手も自分も人間です。先生方が〈自分の感動をもとにした授業〉をしてくださることを願っています。

     本書に収録されている論文は,1974年の板倉聖宣氏の講演記録と,その頃,教育月刊誌『ひと』に発表された堀江氏の小学校2年生との授業記録です。

     この二つの記事を通して,読者は,「理科オンチ教師でも授業ができる」ということを通り越して「理科オンチだからいい授業ができている」ことを感じることが出来るでしょう。「なのに」ではなく「だから」なのですぞ。 

     最近でも,「生徒時代に落ちこぼれを経験したことのある教師は,できない子どもの気持ちが分かるのでいい授業ができる」…といわれることもあります。それも一理ある,少なくとも「こんなこともできないのか」と子どもを責めることにはならないから,と思はいます。

     が,それ以上に大切なことは,教師自身が感動して知ったことを「子どもにも伝えたい」という思いで子どもに伝えるという指導者の姿勢だと思うのです。

     もう40年近く前の文章なのに,全く古く感じないのは,教育界が根本の所でほとんど変わっていないことの証左なのでしょうね。
     10年ごとの指導要領の改正が,いつも「期待される人間像」から出発しているのですから,結局,子どもたちの思いからは,大きく離れているんです。だから,ずっと,現場は変わらないんでしょう。子どもたちは,社会の要請のために生きているのではない。子どもたちの生き方が次の社会を作っていくのです。

     こういう実践記録を読んで,少しでも,子どもの興味関心によりそった授業をしていきたいものです。

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