増補新版チェ・ゲバラモーターサイクル

  • 現代企画室 e託
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本棚登録 : 63
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773804089

作品紹介・あらすじ

ゲバラの医学生時代の貧乏旅行の様子を綴った日記。無鉄砲で、無計画、他人の善意を当てにする旅行を面白おかしく描写して、瑞々しい青春文学の趣きをもつ。

感想・レビュー・書評

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  • 医学生だった青年ゲバラの旅行記
    「チェ」以前のゲバラは、平凡な青年といった印象。
    その後の人生を知っているから、彼が
    旅の間に出会う、搾取され貧しい生活から抜け出せない人々
    。ハンセン病院で送った生活
    ペルーで出会う共産主義の夫婦…

    医学生から、革命家へと内面の移り替わりを
    予期させる記述は興味深い。

    バイクか故障した後、ヒッチハイクや密航、
    初めて出会う人の親切もあり無事旅を終える。
    素直に時にユーモアに生き生きとした
    23歳(旅の途中24歳の誕生日を迎える)の
    あまり知られていない青年ゲバラがいた。

    まえがきは、娘のアレイダさんの若き
    父への想いに溢れている。

  • 革命の英雄というのは生まれた時から革命の英雄なのか(つまりそういう資質が先にあるのか)、時代や状況が革命の英雄を産み出すのか、どっちなんだろう…そんな気持ちを抱いて読み始めた。

    “チェ”・ゲバラが、24歳(1951~2年)前後の頃に南米を旅した時の手記である。(モーターサイクル…とあるが、モーターサイクルは旅の早い時点で壊れてしまった)

    全体の空気感としては、以前読んだロード・ノベルなどに通じるものがある。腹を空かせ、ある時は人の世話になり、ある時は人をかついだりたかったりして(大衆からたかるものと戦った人も、個人相手にたかるのはいいんだ…と意地悪く思わなくもなかったけど)、人と出会い、見聞を広めながら旅を続けていく。

    当時、南米の大地から見えるものは、搾取と貧困であった。中んづくアメリカの資本主義や持てる白人による圧制が、文化を、資産を、生活を奪って行く。

    その矛盾を24歳の目は(まだ萌芽にしか過ぎないまでも)正面から見据える。

    さて、アメリカによる覇権主義の歪みや格差・貧困・搾取など権威者と従属者との軋轢は、60年近く経った今、日本でも、少し形は違うが見ることができる。

    そういう意味では、今こそ読み直してみる価値のある本ではないだろうか。

    ゲバラはいう、「革命家になるためには、まず革命を起こすことが必要だ」。言葉より行動を、と。

    政局…党利党略ばかりで社会の根元を見つめようとしない、ただそうとしない政治家ばかりの中で、(残念ながらオレではないけど)真なる行動を起こす人を来るべき総選挙には求めたいものである。

  • 旅行記はたいてい面白く読めるので、特にどうということはないのですが、ゲバラという人の“この先”がどうしても頭の片隅から離れない。うがった読み方をしてしまうのは避けられないかもなあ。

    知らないなら知らないで、こんな旅をしてみたいとも思える。
    若者だからできるあんなことやこんなこと。

    難を言えば、翻訳を翻訳したからなのか、ゲバラ自身の文章が文章だからなのかわかんないけど、高校生の教科書の直訳のような痛い文章に耐えながらの読書でした……。

  • 革命家になる前の、24歳の若者チェ・ゲバラの南米放浪日記。
    無鉄砲というか、結構めちゃくちゃなことをしつつチリーペルーエクアドルーベネズエラと旅をする。まだ全然「革命」なんて頭にない時期のはずだけど貧乏旅行をしていけば自ずと南米の矛盾に気付いていくようすがちらほらと。

    原文の並びをそのまま訳した感がある箇所がいくつかあるのだが、逆になれてくるとまだ書慣れていない青年の筆致がそのまま現れているような気になってくるのが不思議。

  • 革命家チェ・ゲバラよりも、「ただの夢ある若者」に過ぎなかった、青年チェ・ゲバラに興味があって・・・。
    そうだよなぁ。みんな何かを成し遂げる前は名もない若者に過ぎない。
    その時期にどう過ごすか、ってほんと大事なんだなぁ、と思った。

    若い時にしか出来なさそうな、無鉄砲な貧乏旅行。
    喘息の体で、あんな無茶をよくしたなぁ、と呆れつつも感心する。
    ゲバラはこの南米縦断旅行中に24歳の誕生日を迎えたそうで。
    まさに今の私と同い年。ゲバラ青年を身近に感じ、同じ風景を見たいなと思いました。
    ハンセン病療養所を訪れたり、各国の貧困などを目の当たりにしたときの、彼の意識の中で頭をもたげた問題意識に後の革命家の姿がきらり。
    ああ、もう一回映画観たい。
    ポデローサ?号や、友人アルベルト・グラナードのように、旅を共に出来る仲間が欲しい!
    今度は革命家ゲバラの本が読みたい。

    好きな街の表現メモ
    ━チュキカマタは現代ドラマの一場面みたいだ。美しさに欠けるとは言えないが、ここにあるのは優美さのない、威圧的な、氷のように冷たい美しさだ。鉱山地帯に近づくとその眺め全体が平原の真ん中に集中していて、息が詰まる感じがする。
    ━クスコの定義としてぴったりくる言葉は「回想」だ。他の時代のうっすらとした埃が通りに堆積しており、その基盤を踏みしめると、ぬかるんだ沼からざわめきとなって巻き立つ。
    ━あの山の街の空に光の縞模様をつけている星々と、静寂、そして寒さが、暗闇を非物質的なものにしていた。どう説明してよいのかよく分からないが、それはまるで、形のあるもの全てが僕らを取り囲む天空に蒸発してしまうかのようだった。(カラカス)

    足跡メモ
    コルドバ→ロサリオ→ブエノス→ビジャ・ヘセール→ミラマール→ネコチュア→バイーア・ブランカ→チョエレ・チョエル→ピエドラ・デ・アギラ→サン・マルティン・デ・ロス・アンデス→ナウェル・ウアピ湖→バリローチェ→ペウージャ→オソルノ→バルディビア→テムーコ→サンティアゴ・デ・チレ→バルパライソ→アントファガスタ→バケダーノ→チュキカマタ→アリカ→タクナ→タラータ→プーノ→シクアニ→クスコ→マチュピチュ→アヤクーチョ→ウアンカヨ→リマ→ラ・オロヤ→タルマ→サン・ラモン→セロ・デ・パスコ→オクサパンパ→プカルパ→イキトス→サン・パブロ→レティシア→ボゴタ→ククタ→サン・クリストバル→カラカス・・・

    南米はほんっと広いわ。
    バリローチェとバルパライソには行こう。

  • これこそ本当の旅行記だな、と思った。
    脚色がまったく無い、リアルな日記。
    本を読む前と読んだ後と二回、映画モーターサイクルダイアリーを観たが
    はやり読んだ後に見たほうが内容がしっかりつかめた。

    キューバでの演説も一読の価値あり。
    革命家の魂を感じた。

  • タニィは若き日のゲバラ少年の旅の足跡がつかめる良書と思った。発行当時この手の本が少なかったし、西語→日本語翻訳も少なかったので、重要と思える書

  • 翻訳に若干の問題ありか・・・

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