- Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
- / ISBN・EAN: 9784773812053
作品紹介・あらすじ
麻薬・テロ対策で職権乱用で謹慎処分を受けた警察官の兄。娼婦に無垢な愛を捧げる、知的障害をもつ弟。帰郷した兄は、必死に、かつ暴力的に、弟を娼婦から引きはがそうとするが———
テロ・移民・暴力を必然的に生み出す社会構造、売春・性・麻薬・カネをめぐって渦巻く欲望。
その中を生き抜く人びとは愛に飢え、底知れぬ寂寥感を抱え込んでいる。
スペイン現代文学のフロントランナーが描く「現代人の疎外」状況!
セルバンテス賞コレクション第8作。
〈セルバンテス賞コレクション〉
スペイン文化省は1976年に、スペイン語圏で刊行される文学作品を対象とした文学賞を設置した。名称は、『ドン・キホーテ』の作家に因んで、セルバンテス賞と名づけられた。以後、イベリア半島とラテンアメリカの優れた表現者に対して、この賞が授与されている。このシリーズは、セルバンテス賞受賞作家による、スペイン語圏の傑作文学を紹介するものである。
感想・レビュー・書評
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表紙は甘い砂糖菓子のような感じよね。中身は骨付き肉のローストって感じかしら。かなーりハードボイルドよ。双子の兄は休職中の刑事。弟は知的障害者でローラって言うママがやっている売春宿に入り浸っている。恋人がいると言う。兄激怒。乗り込んでつれ戻そうとする。家族含め弟も宿屋の人間も何が悪いのかわからない。兄は弟が騙されていると思う。兄以外の人間は兄がオカシイと思う。そんな中嫌な事件が起こり、それぞれの人間が現実をまざまざと見せつけられるのだが。作者は三島由紀夫の金閣寺をスペイン語に訳してるそうだよ。
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2012年内一番作かも。
なのにこのタイトル。。。でもそうか、直訳なんだよね。
ロリータはまったく出てこない、それどころか出てくる女性たちは人生を半ばあきらめてる娼婦たち。
純粋な愛と、自他共に傷つけてしまう男と、そんな男に結局ひかれてしまう女と。
やるせない、悲しい、美しい。
映画化されたみたい、そう、すごくビジュアルが浮かぶ、しかもスペイン人作家なのにフランス映画チックな。
筆者72歳のときの作品だって!
心はいつまでも自由だなぁ。
セルバンテス賞を追いかけるか、この作家の他の作品を読むか。 -
読まへんな〜