ゴールディーのお人形 (末盛千枝子ブックス)

  • 現代企画室
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本棚登録 : 188
感想 : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (55ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773813142

作品紹介・あらすじ

多くの人に愛されたゴフスタインの名作、ついに復刊!

「会ったこともないあなたのためにこれを作ったのです。
どこかの誰かが、きっと気に入ってくれると信じて。」

 両親が残した人形をつくる仕事を続けながら、ひとりで暮らす女の子ゴールディは、人形をつくるときいつも、森で拾った枝を使っています。それじゃないと「生きている」感じがしないからです。ただの人形、と友だちのオームスに笑われてもひとつひとつ心をこめて、ていねいに仕事をしています。そんなある日、お気に入りのお店で、ゴールディーはいままでに見たこともないほど美しいランプを見つけます。そして、すばらしい出会いをすることになるのです――
 

私が本の中で表現したいと思っていることは、自分が信じるすばらしい何かのために黙々と働く人の美しさと尊さです。そして、本はだれか人が書いたということを知って以来、私は本を書く人になりたいと思っていました。(ゴフスタイン)

すえもりブックスを主宰し、国際児童図書評議会(IBBY)の国際理事としても活躍した名編集者・末盛千枝子さん。「末盛千枝子ブックス」では、末盛さんが新しく企画・編集する絵本や著作を刊行するほか、末盛さんがかつて手がけた名作の復刊にも取り組んでいきます。「末盛千枝子ブックス」ホームページにて復刊リクエストを受け付けています。
www.jca.apc.org/gendai/contents/suemorichiekobooks/index.html

感想・レビュー・書評

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  • Amazonやブクログのレビューで、星五つがズラリと並ぶ佳作。
    人形作りを生業とするゴールディーという女性に起きた、ある小さなお話。
    モノ作りの真髄と仕事への情熱と誇りを、静かなテキストとモノクロの絵で語る。

    人形作りと言っても、ゴールディーの場合は「無」からのスタート。
    森で気に入った枝を拾い、それを人形の形に彫り、絵付けをして服を着せる。「無から有を生む」この作業を、ゴールディーはひとり心を込めて続けている。
    ある日、必要な道具のために町に出たゴールディーは、ひとつのランプに心を奪われる。
    それはこれまで見たこともない美しいものだった。。

    最近孤独を推奨するような内容の本が多く、首を傾げていた私には、ある種納得の話。
    何よりも先ず「より良く生きよう」という矜持が真っ先にあり、仕事はそれを形にして表わすもの。作中にある「どこかの誰かがきっと喜んでくれると信じて、一生懸命作ったのです」という言葉がそれで、ゴールディーの孤独も、その過程でたまたま生まれた副産物に過ぎない。ひとりでいたくて、この境遇になったわけではない。
    理解し、支えてくれるひとはちゃんと存在する。
    パン屋さんで出会った、ゴールディーのお人形を抱きかかえていた女の子がそうだ。
    なんと豊かで充実した孤独だろうか。

    ランプを手に入れたことで、仲良しの大工さん・オームスに美意識を否定されても、これからも信じる道を黙々と進もうと、そう思い直して立ち上がる彼女の姿がとても素敵だ。
    お話の中では、ランプの作り手が夢枕に現れることになっているが、たぶんゴールディーだからこそ、モノを通して語ることも出来たのだろう。
    作るからには、せめてこのくらい心を込めて仕事をしたいものだ。

    「ゴールディーはとても幸せでした」という一行で終わる55ページのお話。
    仕事に対する真摯な姿勢を持ち続けることが何よりも幸せであるという、当たり前すぎる話だが結末は温かい。こうであって欲しいという、読み手の期待を裏切らない展開。
    「ジョコンダ夫人」の後なので星四つになったが、後書きまで含めてとても良いお話だった。

  • ゴフスタインの作品を読むと、シンプルなものだけが残る。ものづくりの原点に戻りたい時、いつもこの絵本を読んでいます。

  • 好きな場面は、ゴールディーがランプのある部屋を初めて「自分の居場所」だと感じるところ。
    他人と違うものを好きでいることは、ときにしんどいけど、自分にとってかけがえのないものなら、絶対に手放してはいけない。

  • >人形をつくる仕事をしながら、ひとりで暮らす女の子ゴールディはある日、お気に入りのお店で、見たこともないほど美しい中国製のランプを見つけて……

    両親が残した人形をつくる仕事を続けながら、ひとりで暮らす女の子ゴールディ。
    ゴールディの丁寧な仕事ぶりに感動!
    働くことについて深く考えさせられる素敵な物語でした。

    春から10年ぶりにパートで働き始めたこともあり、興味深く読みました。
    まだ仕事に慣れていないこともあり、色々壁にぶつかるけれど・・・
    ゴールディのように一つひとつ丁寧に自分のできる精一杯の仕事をして成長していきたいと思いました。

  • 昔一度読んだことがあり、なんとか手に入れたかったのですが、絶版になっていたためかないませんでした。それが復刊!ありがたいことです。
    絵本とは言うものの、文字数が多く、内容も大人向けかもしれません。それでも、世代を問わずたくさんの人にみて欲しい作品です。
    芸術とはなんなのか。ある芸術に対し、その作品を作った人がいると言うこと。その人との心の価値観の共有…50ページほどの絵本ですが、深いメッセージが込められています。
    本当に復刊してよかったです。

  • 仕事へのこだわり、製作している人形に対する愛情、手にする人たちへの思い。
    自分がこれまで信じ進んだ道を再確認する姿を見て、こちらまで嬉しくなった。

  • 「ねむたいひとたち」が気に入って、こちらの本も借りてみた。
    こちらは大人が読んでも心に響く本だった。

    価値観の違い。
    自分が信じるものを信じ続けられたらいいけれど、他人に否定されるとグラついてしまう時もある。
    もちろん色々なものから刺激を受けて価値観はどんどん変わっていくものだけど、できればポジティブに変化していきたい。

  • 愛されるものを作る。それを誰がつくったかは受け手には正確には分からない。そのことの尊さ。陰ながら頑張っているからこそ伝わることがある。

  • 私と同じだ、思った。もしかしたらたくさんの人がそう感じるかもしれない物語。

    ゴールディーは人形を作る職人。愛してくれる誰かのために信念と愛情を尽くして作る。作った人も受け取った人も幸せになるもの。本物の豊かさがみえるもの。

    モノも情報も溢れる世の中。ノイズも多い。それでも自分の幸せと豊かさのために、人の幸せと豊かさのために、自分もそうありたいと思う。

    一生モノ。

  • 物作りの大切さを教えてくれる大人向き絵本。この人の作品は「ピアノ調律師」の方が好きかな。

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著者プロフィール

M.B.ゴフスタイン(作)
1940年、アメリカミネソタ州セントポールに生まれる。大学卒業後、ニューヨークに移り絵本作家として活動を開始。1966年に最初の絵本を出版。シンプルな線、スピリチュアルで哲学的なストーリーが児童書の枠を越えて影響を与える。1989年以降は小説を執筆。晩年は自然や天国についての物語や詩を書いた。2017年77歳の誕生日に没。

「2022年 『Goldie the Dollmaker(通常版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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