たそがれ詩集

  • かまくら春秋社
4.20
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本棚登録 : 17
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784774004402

作品紹介・あらすじ

50歳を過ぎてアンパンマンを産み、90歳の今なお現役。老年の星やなせたかしがおくる最新詩画集。大活字本。

感想・レビュー・書評

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  • B4サイズの大きな本の見開きページに1篇の詩と1点の絵。
    詩の文字は2センチ角くらいありましょうか。
    印刷物の本文で、いままで見たこともない大きさです。
    アンパンマンの作者、今年90歳のやなせ氏が、自分と同世代の、老年を生きる人々のために書いた、正真正銘のユニバーサルデザイン詩集です。

    こんな詩があります。

    坂道

    ほんのゆるやかな
    スロープをのぼっても
    息切れする
    視力が落ちて
    難聴で
    心臓も心ぼそい
    それでも
    生きることにまだ飽きない
    もっと生きたい
    ジタバタしたい

    「老人って、やっかいだなあ」と思うものの、90歳を過ぎて、まだ人生を余生と決めつけない、こういう生き方ができることに拍手を送りたいと思います。

    こんな詩もあります。


    生きる

    朝眼がさめると
    まだ生きているので
    うれしい
    とにかく
    今日一日は
    けんめいに生きよう
    衰弱していく
    細胞が
    いとしくて
    心がどんどん
    やさしくなる

    年をとることで、自立の範囲は狭まっていきます。
    他人を頼らないと生きられないようになります。
    そんな自分に対して肯定的であれば、他人に対してもやさしくなれるということなのでしょう。

    以前、やなせ氏が「徹子の部屋」に出ているのを見ましたが、90歳にして妻子のいない天涯孤独の生活をしていらっしゃるとのことでした。

    でも、

    数えきれないけど
    2000にあまる
    ぼくが
    この世におくりだした
    キャラクター達
    天涯孤独と思ったが
    どうやらそうではないらしい

    読み終わった後、「ああ、老人って大変だなあ」という思いと、それとまったく相反する「年を取るって、楽しそうだなあ」という感想を持つことになります。

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著者プロフィール

1919年生まれ。 高知県出身。新聞記者、三越宣伝部のデザイナーなどを経て漫画家、詩人として活躍。1973年、絵本『あんぱんまん』を刊行。同時期に雑誌「詩とメルヘン」を創刊し、30年間編集長を務めた。主な著書に絵本『やさしいライオン』『チリンのすず』、作詞に『手のひらを太陽に』『それいけ!アンパンマン』など多数。1990年勲四等瑞宝章受賞。1995年日本漫画家協会文部大臣賞受賞。2000年日本児童文芸家協会児童文化功労賞受賞。2013年10月逝去。

「2015年 『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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