- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774005881
感想・レビュー・書評
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自称「典型的なフィンランド人の家族」ほんとにー?とびっくりしながら読みました。ミッコさんの考えかた自体が、フィンランドの教育の賜物なのかな。子育て論、素晴らしいです。
税金は高いけど高福祉(医療や教育が無料とか)、女性の就労率が高いとか、イクメンが普通すぎて、それを指す言葉がないとか。そんなフィンランドの「いま」がどんな歴史のうえで築かれてきたのかというあたりもとても分かりやすく説明されており、医療や福祉に関わっていて、いまの制度に行き詰まり感や疑問を感じているかたも読んでみるといいのではないかなーと思います。
フィンランドで出来たこと、日本にもできるのかなーとぼんやり考えていて、ふと、日本人のお父さんたちは「子どもともっとたくさん一緒にいたい」って本当に思っているんだろうかと考えてしまい、世の中のお父さんたちごめんなさい。
更に突っ込んで、ワークシェアや収入、貯蓄のこととかを質問してみたいなーと思いました。
本のデザインがさすがにお洒落で、合間に入っているフィンランドご飯のレシピや素敵な食器、あとフィンランドツアーのおすすめコースとかも面白かったです。フィンランド行ってみたい。直行便だと10時間なんですって。 -
本書は、フィンランドにおける子育て政策がどのように変遷してきたか、またその根幹となる男女平等に対する意識はどうやって培われていったのか、などについてはあまり紙面が割かれていません。ある程度、北欧の社会制度について興味のある人であれば、すでに知っているような内容が多いので、入門編といえるのかも。
その代わり、ミッコ・コイヴマーさん自身が父親になっていく上での体験談が本書のメインになっています。ミッコさんがどのように妊娠・出産と関わり、育児休暇をどのように過ごし、どのように子育てに関わり、何を感じているのか。パーソナルな内容ですが、そのぶん男性として共感できる部分も多く含まれています。というか、実はパーソナルな体験こそが大事であって、ミッコさんのような考えの人が多いからこそ、フィンランドの子育て政策が立案されていくわけです。
とはいえ、フィンランドの男性も昔からイクメンだったわけではなく、ミッコさんの親世代あたりはフィンランド人らしくシャイで寡黙ないわゆる「男性的」な男性が多いそうです。社会的にも始めから男性の育児休暇に寛容だったわけではなく、80年代後半には有名企業のCEOが「育児休暇をとる男性従業員は、職場に復帰すべきではない」と発言するなど現在とはまったく価値観の異なる社会だったとか。
それがなぜ、この数十年で男女の定義やアイデンティティについて大いなる変化があり、子供やパートナーへの愛情を大っぴらに示すようになり、「男性も育児をすることは普通なこと」となったのでしょうか。 -
・子どもというものは親の注目を一身に受けることに喜びを感じるものだといいます。僕は子供たちと過ごすときには、彼らだけに集中することにしている。