- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774131993
作品紹介・あらすじ
「35歳定年説」が常識としてまかり通っている事実が示すように、我が国ではプログラミングは「若く、給料の安い人がやる仕事」とされている。しかし、世界の常識はそうではなく、40代、50代でも現役としてプログラミングを続けている技術者も少なくない。40代後半の現在もなお現役プログラマーとして活躍する著者が、生涯プログラマーとして活躍するための心得を説く。
感想・レビュー・書評
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プログラマー35歳定年説が囁かれる中、プログラマーとして活躍できるかは、年齢ではなく「その人がソフトウェア開発に対してどのように取り組んできたか」に左右されると謳った本書。
作者の実体験に基づき、プログラマーとして活躍し続けるための心構えやノウハウが記されています。
自分自身、ソフトウェア開発に携わる仕事を行なっているので勉強や仕事へのモチベーション向上に繋がりました。とにかくプログラマーは勉強を継続していくことが重要であろうというのが読後の一番の感想です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プログラマーとしてプロフェッショナルを目指す人へ。プロとして学び続ける意識の重要性を強く説く
★本の概要・感想
プログラマーとして発信・活躍する柴田氏によるプロフェッショナルとして生きるための学習論・仕事論。新書でコンパクトにまとまっており、モチベーションアップに非常に役立つ。ジョン氏の「CAREER・SKILLS」よりも、心構えや行っていくべきことが選別されていて、読みやすい。新人のプログラマーにお勧めしたい。
★本の面白かった点、学びになった点
*ソフトウェアの出来は作る人によって決まる。誰によっても同じものができる、という事はない
*『コード・コンプリート』によるソフトウェアエンジニアのレベル
レベル1:初級者
1つの言語の基本的な機能を使用できる。クラス、ルーチン、ループ、条件文を書くことができ、言語の機能の多くを使用することができる
レベル2:中級者
複数の言語の基本的な機能を使用することができ、少なくとも一つの言語を使いこなしている
レベル3:上級者
言語、環境、または両方の専門知識を持っている。このレベルのプログラマは、J2EEの難解な機能を全て知っていたり、特殊な記法を記憶していたりする。このレベルのプログラマは、企業にとって貴重な存在であり、多くのプログラマはこのレベルを超えられない
レベル4:指導者
レベル3のプログラマの専門知識を持ち、プログラミングにおいてコンピュータとのやり取りはほんの15%に過ぎず、85%が人とのコミュニケーションであることを心得ている。指導者は、マシンではなく人が読むためのコードを書く。指導者レベルのプログラマは、水晶のように澄み切ったコードを書き、しかもそれを文書化する。
*コードを書く前によく考えよ
・自分で書いたプログラムが説明できない場合、何か問題がある
*継続的に学習を行うには会社に頼ってはいけない
・会社から求められる技術しか身に着けないのではプロになれない
・専門書を読めない人が増えている現状..
*一つの言語、一つの技術では不十分!
・本来ソフトウェアエンジニアとしては、与えられた課題に対して、自分が身に着けてきた数々の技術の中からどの技術を使用するのが適切かを判断できることが重要なのですが、限られた知識しか持たない人の場合、それが適切であろうとなかろうと、同じ技術しか使えないことになる...
*相手のレベルに合わせて説明する能力をつけよ
*日本語では中級者までの文献しか当たれない。プロを目指すなら英語で学習せよ
・「現在でも、私の場合、専門書は翻訳が出版される前に購入することが多いので、所有している専門書は圧倒的に英語の原著が多いです」
*テストはソフトウェアの品質を改善しない
・「テストは、ソフトウェアの品質レベルを知る手段ですが、ソフトウェアの品質を保証する手段ではありません」 -
心がけがちゃんと書いてあってイイ本だと思います。
「学び続ける」ということに対して、正論がおどけることなく書いてあって、気持ちよいです。
私はこの本で言う所だと中級職人くらいにはなれたかなぁ。
ただ、大学でちゃんと教育していないみたいな話があって、新卒で入って来る人の前提が情報○○学科出身的な人だけになっているのはちょっとなぁ、と思った。
あるいは著者の認識は違うのかもしれないけど、少なくともそう読み取れちゃう。 -
よく言われる35歳定年説に反論。常に学ぶこと。またよき指導者が必要であることを説いている。改めてフェイストゥフェイスの教育が大切であることを知る。自分も常に学んでゆく。非常に刺激を受ける。会社の図書館で借りた。
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40代後半になってもプログラミグを続ける柴田さんのこれまでの取り組みを振り返った本。プロフェッショナルとはこういうものかと思い知らされる本。この本を参考に自分の状態を少しでも改善したいと思う。
以下注目点
・個人の能力がプロジェクトの成否を分ける。
・多くのプログラムを書き、優れたプログラムを読み、そして、指導を受ける。
・自分でプログラミングやデバッグをしないからといって、技術の学習を止めたりしたわけではなく、自分が担当する開発グループが使用する技術についてはかなり勉強したりしていた。
・「他人のソースコードだから、それ以上は調べない」という態度では、「できない奴だな」と思われても仕方ない。
・プログラムを読めば分かるようなことを、プログラムとは別のドキュメントに細かく書き残す必要はありません。
・専門書は最初のページから最後のページまで時間をかけて読んでほしい。
・前日の仕事の残りのコーディングやデバッグをしたいことも多かったのですが、そのような衝動を抑えながら、まずは一時間は読むようにしました。
・自分の語彙力にあった英文を大量に読むことで、訓練する必要があります。
・TOEIC900点が欲しい。このレベルでなければ、原著の専門書をある程度のスピードで、内容の理解に集中して読むことはできません。
・読んで理解できない英語を、聞いて理解できることは無い。
・自分のレベルより数段上のスピードの英語を聞かないと、いくら聞いてもリスクニング力は向上しない。
・実際に英語を書いたり話したりしなくても、リーディングとリスニングを続けることが重要。
・日本の出来事を英語で放送しているものがおすすめ。→News7の二カ国語放送なども良いかも?
・語学は「継続」が難しい。
・スーパーエンジニアには、モジュールを担当させることなく、開発メンバーへの設計の指導、設計レビュー、コードレビューを行うことに専任してもらうことが必要となります。
・P.221 バグ修正時
発生原因、レビューで見逃した原因、未然に防ぐには?、同様のバグを効果的に見つけるには?、同様な不具合はない?
・会社の先輩から技術を盗むのではなく、自分自身でさまざまな技術を習得すして、日々のソフトウェア開発に適用して習得する必要がある。 -
著者と年代や経歴が似ているためか、非常に納得できたり肯定できることが多い。
残念ながら私は現役プログラマーではないのだが。
この種の書籍は著者の独りよがりや自慢話が多いのだが、そういうこともほとんど感じさせない。 -
久々に読み返してみた。(4回目位かな)
もう一度、初心に戻って進んでいきたいと思う。 -
IT業界人が身につけるべき行動習慣について言及されている。半分くらいはその通りにしているような気がする。
「指導者レベルのプログラマは、水晶のように澄み切ったコードを書き、しかもそれを文書化する。」
ってのは少し心に残った。
あと、コンパイラとかOSとか、基礎体力なのだなと。今更ながら着手しようかどうか悩む。 -
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Effective Javaを始め、著名英書の訳者でもある柴田芳樹さんの書籍。日本のシステム開発において、プログラマー35歳限界説や日本の企業の体質的な部分から管理職専業に移行せざるを得ない場合も多いと思います。
そういった中でプログラマーとして現役で居続けるにはどうすればよいか、と言った書籍です。
内容的には達人プログラマーや情熱プログラマーなどと重なる部分も多いですが、日本人の書籍ということもあり、日本の事情も踏まえた部分を共感して読むことが出来ました。また、自分が他の書籍を読みながら実践していた内容と重なる部分もあり自信を持たせてもらいました。