Webプロジェクトマネジメント標準 PMBOK(R)でワンランク上のWebディレクションを目指す
- 技術評論社 (2008年8月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774135991
作品紹介・あらすじ
世界標準プロジェクト管理の知識体系PMBOKに基づくWebディレクションの新スタンダード。
感想・レビュー・書評
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会社の勉強会で取り入れており、
予習のため読了。
4つのチャプターとアペンディックスで
構成されている。
この本を読むより、
PMBOKを勉強した方が
業務には活用できそう。
下記は本書のポイント。
プロジェクトの定義
・有期的であること
・独自性があること
9つの知識エリア
①プロジェクト統合マネジメント
②プロジェクト・スコープ・マネジメント
③プロジェクト・タイム・マネジメント
④プロジェクト・コスト・マネジメント
⑤プロジェクト品質マネジメント
⑥プロジェクト人的資源マネジメント
⑦プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント
⑧プロジェクト・リスク・マネジメント
⑨プロジェクト調達マネジメント
基本動作
インプット→ツールと技法→アウトプット
プロジェクトマネジメントの目的
プロジェクトの質を上げ、それによってプロジェクトが生み出す価値をどんどん高めていくこと
5つのプロジェクトマネジメント・プロセス群
・立上げ
・計画
・実行
・監視コントロール
・終結
立上げ
・プロジェクトが「誕生した理由」
・プロジェクトの「目的・目標」
プロジェクト誕生の背景
①市場の要求
②顧客の要求
③法的な要求
④ビジネスニーズ
⑤技術の進歩
⑥社会的ニーズ
目的
最終的に達成すべきもの
目標
数値的指標
SMARTの原則
・Specific(具体性)
・Measurable(測定可能性)
・Accurate(正確性)
・Realistic and Tangible(現実性と実体性)
・Time bound(有期性)
プロジェクト・チャーター(プロジェクト憲章)の役割
①プロジェクト・マネジャーを決定し、権限を与える
②プロジェクトのアウトラインを規定する
③ステークホルダーから作業着手の承認を得る
「プロジェクト・スコープ記述書」の作成
①クライアントの要求をまとめ、プロジェクトに必要なすべての成果物をまとめる
②前提条件、制約条件を洗い出し、プロジェクトの境界を明らかにする
クライアントから提供される資料
・提案依頼書(RFP/リクエスト・フォー・プロポーザル)
・作業範囲記述書(SOW/ステートメント・オブ・ワーク)
・見積依頼書(RFQ/リクエスト・フォー・クオーテーション)
・情報提供依頼書(RFI/リクエスト・フォー・インフォメーション)
WBS(ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー)
プロジェクト全体のスコープを個別の作業単位へと階層的に分解したもの
クライアント企業の組織構造
・機能型
・マトリックス型
・プロジェクト型
コミュニケーション・チャネル数
=メンバーの人数×(メンバーの人数-1)÷2
リスク
・既知のリスク
・未知のリスク
対策
①回避
②転嫁
③軽減
品質
あるものの、明示された、または暗黙のニーズを満たす能力に関する特性の全体
「計画により達成されるものであり、検査によってではない」
等級
同一の用途を有するが、技術的特性が異なるようなものに対して与えられる区分または順位
品質計画とためのツール・手法
・費用便益分析
・ベンチマーク
・品質コスト
・実験計画法
プロジェクト調達マネジメント
締結前→締結→締結後
納入者選定時に用いられる評価ツール
・重み付け法
・スクリーニング・システム
・独自見積り
・納入者点数評価システム
・専門家の判断
・プロポーザル評価技法
・契約交渉
見積りの種類
・超概算見積り(-50%から+100%)
・概算見積り(-25%から+50%)
・確定見積り(-5%から+10%)
見積り手法
・類推見積り
・ボトムアップ見積り
・資源評価
・係数見積り
コストダウンの方法
①見積りを早い段階で具体化する
②汎用技術を活用し、カスタマイズを最小限に抑える
③コンテンツをクライアントに用意してもらう
④物販サイトなどにおけるレベニュー・シェア導入
アクティビティの依存関係の種類
・強制依存(ハード・ロジック)
・任意依存(ソフト・ロジック)
・外部依存
論理的順序関係
①終了-開始(FS:Finish to Start)
②終了-終了(FF:Finish to Finish)
③開始-開始(SS:Start to Start)
④開始-終了(SF:Start to Finish)
責任分担マトリックス(RAM:Responsibility Assignment Matrix)
・実行責任(R:Responsible)
・説明責任(A:Accountable)
・協議対応(C:Consulted)
・情報提供(I:Informed)
チーム育成の4つのプロセス
①成立期(フォーミング/Forming)
②動乱期(ストーミング/Storming)
③安定期(ノーミング/Norming)
④遂行期(パフォーミング/Performing)
スケジュール管理の3つのポイント
①進捗を把握する
②スケジュールの遅れに対処する
③遅延の理由を明文化しておく
スケジュールの遅れを是正する手段
・クラッシング
・ファスト・トラッキング
・資源平準化
プロジェクトの終結
・定常業務/保守運用へと発展(付加)
・プロジェクトの完了(消滅)
・プロジェクトの統合(統合)
・途中で終結(欠乏)
CMMI成熟度の5段階
①場当たり的で個人の能力に頼っている
②基本的なプロジェクト管理が行われている
③組織のなかで標準のやり方が定義され、利用されている
④プロセスが定量的な手法で管理されている
⑤連続的にプロセスが改善されている
リーダーシップ
・指示型
・コーチ型
・参画型
・委任型
目的志向の実践テクニック
①2段階開発
②スコープ縮小
プロジェクト・チャーター
⓪プロジェクト名
①プロジェクトの目的
②プロジェクトゴール
③プロジェクトスコープ
④前提条件
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PMBOKを実際に活用する際にポイントとなる内容が、実例と共に書かれて参考になった。プロジェクトマネージャーになったら読んでおきたい一冊。
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入門書としては良い。
「プロジェクトマネジメントは手段であると同時に、文化。」 -
数年前に受けた
IPAのプロジェクトマネージャ試験を思い出した。
PMBOKはとても素晴らしいと思う。
実際に、システム開発のマネジメントにおいて、
非常に役立っていると実感している。
ただ、10年前の本とはいえ、
PMBOKのWebプロジェクトへの適用が斬新!
という雰囲気には単純に驚いた。
世界標準と言われるPMBOKでも、
Web業界では新鮮なんだなぁ、という点が新鮮だった。 -
ざっと読んだが、プロジクトの進め方や、その際の振る舞いについて書いていて、プロジェクトに不慣れな人は、プロジェクト前に読んでて損はないです。
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受託でのweb開発が前提だがpmbokのエッセンスが知れるしプロジェクトマネジメントを考える際のベースの知識としてとても有用。webでのプロジェクトを管理する際になにを考えるべきかを知れる。網羅性もある感。コンパクトにまとまっているし読みやすい。
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Webのプロジェクトマネジメントについて書かれた本。著者は林千晶さん。ロフトワークの共同創業者で代表をされている。もう一人の共著者は富士通のWeb戦略を担当している高橋宏祐さん。日本でアクセサビリティの推進をしたことでも有名な方で、2000年半ばに出版されたWeb制作関連の本で、富士通のアクセサビリティ指針を打ち出したサイトがよく掲載されている。この本は2部構成となっていて、一部は林さんが担当しており、プロジェクトマネジメントの技法や文書について説明されている。2部は高橋さんが担当している。主にプロジェクトマネージャーの振る舞いや精神性、数々のプロジェクトを担当した経験からのノウハウが書かれている。
一部ではプロジェクトマネジメント(以下PM)の知識体系であるpmbokの説明がされている。プロジェクトの失敗例からPMの必要性が述べてある。プロジェクトマネジメントやpmbokの概要についても説明がされている。
次章からはプロジェクトの発足から、設計までに多くのページが割かれている。プロジェクトチャーターやスコープ、WBS、リスク、コミュニケーション、調達、契約のマネジメントについてそれぞれ説明されている。後半はプロジェクトの管理や監視について書いてあった。
二部はプロジェクトマネージャーとしての心構えや行動特性について書いてある。コーチングやファシリテーションのような説明が混ざっていた。
付録は林さんや高橋さん、味の素のWeb担当、コンサルを交えての座談会形式のディスカッションを掲載してある。他にも書籍で登場した文書のモデルのようなものが掲載されていた。
実務でどこまで通用するかは分からないが、ウェブ制作をする上でプロジェクトを管理するのに必要な要素や細かな注意点について丁寧に書かれている。書籍にも書かれているが、PMは社内に文化を定着させるようなもので、体質として馴染むまでにとてつもない労力と時間がかかると言われる。PMに取り組むための入り口としてとても参考になった。 -
PMBOKとか完璧に使ったこと無い。
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Web制作においてPMBOKの観点からどうやれば上手くいくかを纏められているという本でWeb制作会社にいた時に読んでおけば良かったと思いました。Web制作会社の方や企業のWeb担当の方が初めてプロジェクトに入った時にオススメの一冊です。