温暖化論のホンネ ~「脅威論」と「懐疑論」を超えて (tanQブックス) (tanQブックス 6)
- 技術評論社 (2009年12月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774141039
作品紹介・あらすじ
武田が吠え、江守が説き、枝廣がつなぐ。3人が描くそれぞれの地球温暖化論!ほんとうの温暖化論議はここからはじまる。
感想・レビュー・書評
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温暖化の原因や将来の見通しについての議論かと思いきや、いずれ来たる温暖化に対する対応についての方法論の議論だけ。
小競り合いが延々と続く…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2018/12/26 詳細は、こちらをご覧ください。
『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1206.html
2018年の夏は 半端なく暑い! 地球温暖化、深刻だ。
というくらいはわかっても、じゃぁ 本当にどうすればいいの!
熱中症予防といって クーラーのきいた室内にいればいい だけじゃないはずだが。
ニュースも天気予報も目先のことしか伝えない。(まぁそんなものでしょうが)
ずいぶん前から、温暖化という言葉だけが、一人歩き。
ちまちま少数の個人が節約生活しても、大多数の人・企業・暮らしを取り巻く環境が根本的に変わらないと改善されないだろう。
本書は、温暖化についての考え方が整理できていない頭にはすごくいい。
3人の話は、それぞれなるほどと思わせてくれます。
鼎談は対立したり合意したりしながら、問題点を絞っていきます。
読みながら じゃぁどう暮らしていけばいいのかがわかるかも!
ところが、鼎談で 武田邦彦氏は 何もしなくていいのだと説く。
武田氏の持論をよく聞けば、なるほど!と説き伏せられることも多い。
しかし極論が多く、温暖化も影響がでてから対策すればいい、日本は西欧諸国が対策した後でやればいい。
30年後には、社会が進化しているだろうからそのころ対策すればいい。というようなことが書かれている。
もちろん、裏付けのデータや論理の根拠も明白に示され、ソウカモネ!と思わされる。
しかし、危機感があってこそ研究もされ、社会の発展もあるのではなかろうか。
本書が出版された2009年以降、3人の動向はどうなっているのか。温暖化が解決に近づけばいいんだけれど。この暑さでは来年以降が不安です。 -
2018/7/23
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地球温暖化論で鋭く対立する3人の議論が意外と噛み合っているのに驚きました。ただ、読者一人一人が考えることを訴えているのは良いのですが、そのための材料あるいは文献紹介がもっと提供されているとさらに良いと思いました。
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最近、地球は温暖化しているんじゃなくて、寒冷化している、という話しをよく聞く。また、最近読んだ「気候変動とエネルギー」(深井有)では、かなり説得力のある(ように思える)温暖化批判だったし。一方では、レスター・ブラウンの「地球に残された時間」は、かなり危機感が伝わる本で、一体、どうなっているのだ!という感じである。
というわけで、温暖化の「脅威論」と「懐疑論」が議論を戦わせるということなので、読んでみた。が、あれ?結構、言っている事って、3人とも変らないじゃん、みたいな感じ。謎は深まる。 -
思わず笑ってしまう受け答えやスリリングなかけあい。内容以上に業界勢力図的なものも俯瞰してみたかったので満足でした。
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とても読みやすかった。第3部は漫才台本みたいで面白かった(枝廣氏がぼけて武田氏が突っ込む)。「温暖化懐疑論があるのは日本ぐらい」という江守氏の主張は、日本人の弱いところをついている。本当だろうか?
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人間が排出する二酸化炭素で温暖化はする。
2100年時点での温暖化の程度はIPCCの各種シナリオで摂氏1.1〜6.4度の上昇。
さて、これらを認めた上で、それが世界にどう関係して来るのか。
ここの評価が人によって分かれてくる。
その評価が分かれてくるから、対策に対する考え方も分かれてくる。
江守氏や枝廣氏がオイオイとツッコミを入れてしまう武田氏の尖った発言も、ご本人も自覚された上での過激さであることがわかった。実のところ武田氏だって温暖化を多少心配されているのであるが、温暖化脅威論を必要以上に振りかざして利権化する政府や産業界への対抗措置であり、精神論や宗教の様に市民に押し付けられている効果のない二酸化炭素削減対策モドキの欺瞞への武田節炸裂は大変清々しい。
この問題に対して自分のとるべきポジションをどの辺りにすべきか、という手がかりのひとつとして興味深く読んだ。 -
『不都合な真実』の翻訳をはじめ、地球温暖化や環境問題についての数々の著書や講演などで知られる環境ジャーナリスト・枝廣淳子氏と、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』シリーズをはじめ、リサイクルや省資源はかえって環境を悪化させるという、まるで正反対ともいえる意見の中部大学教授・武田邦彦氏に、国立環境研究所の江守正多氏が加わった鼎談をまとめたもの。このメンバーで、果たして本当に気温は上がっているのか、どの程度深刻な問題なのか、CO2は悪者なのか、いったい何が問題で、何をすべきなのか、またすべきではないのかといったことを確認していく。失礼な言い方だが、まるで「朝まで生テレビ!」のように、喧々諤々と意見を述べ合うのを野次馬的に聞いているような面白さがある。興味深いのは、前書きと後書きを、3人がそれぞれ書いていることだ。試合に臨む心境のような前書きと、ヒートアップした鼎談を締めくくるクールダウンのクロージングを最後にもう一度読んでみるのも一興。数ある環境関係の出版物のなかでもユニークな視点といえよう。