- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774148717
作品紹介・あらすじ
真偽当否定めがたい雑多な情報からどれを選択しどう判断するか?ポスト3.11の日本が進むべき道は?地震・津波・原発に負けない言葉の力。「非常事態」のプロ5者による徹底討議。
感想・レビュー・書評
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東日本大震災を中心としたメディアや情報伝達について、そのあり方を有識者の方々が対談されたものです。
特に印象に残った、というより再認識させられたのは、上杉隆さんが言われていた「4月4日以降、日本は加害者になった」「100年間は放射能と一緒に暮らすための対策」が必須であるという内容でした。また、「右肩上がり」の発想しかできない老人は、若い人たちに道を譲ってくべきであるということも・・・戦後の経済発展の顛末が「放射能」であったことを真剣に考えなければいけないのですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内田樹、岩田健太郎の時点で、個人的には勝利が確約されたようなもんです。他の方の人選もやはり間違いなく、色んな見方が折り重なることによって、参加各人の考えも、よりブラッシュアップされていく様子もうかがえて、読みながら楽しめました。今回も、マスなメディアのろくでもなさが浮き彫りにされていて、いかに小さな声に耳を傾けるかっていう、前読んだ「ぼくらの資本主義~」に痛く感銘を受けたこととシンクロしました。メディアリテラシーのスキル、研ぎ澄ませていかなければなりませぬ。その思いを新たにした次第。しかし現状、原発再稼動とか何事もなく行われて、結局小さい声は掻き消されてしまっている訳ですね…
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今となっては、過去の対談。
当時の混乱していたようすがわかる。
放射線の基礎知識抜きに有事のコミュニケーションンを語るとこうなるのだろうな。
現場がだいじなことは確か。 -
東日本大震災、福島原発事故の後の日本の政府、ジャーナリズムのコミュニケーションがどんなに嘘っぱちなやり方だったかという、リアルで情けない検証。日本のメディアというものが一切信用できなくなる。
ちよっと怖いけれど、読んでおくべき報告。 -
被災地にいた人間としては、テレビの伝えるものを疑いの目で見ていたのはたしか。それをこのような形で振り返られても「なにをいまさら」ということしか思えなかった。
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病や老いと戦ってはいけない。対立してはいけない。対立すると、それに捉えられてしまう。自由を失ってしまう。だから、それはそれとして共生するしかない。そのためには、あまりおびえないということが大事。放射性物質を、恐れてもいけないし、憎んでもいけない。もうここにある以上、ともに生きるしかない。
内田樹氏のこの言葉が印象的でした。 -
3.11を契機としたリスクコミュニケーションを論じた本と思い読み進めましたが、大半は福島原発情報に対する既存メディアの問題でした。
既存メディアや官邸の言うパニックとは、在来システムで対応できず経済活動が停滞すること。→命の話をしているところが金の話に
常に正しく情報を提供し、皆がそれに従うシステムは絶対無理。自分が情報を選択し判断しなければならない。判断力を高めることが災害回避となる。→どうしたら事故は起きないかの議論 -
シンポジウムにおける対論を収録してるわけですが、もうちょっと突っ込んだ話があった方が良かったような。
論点が多少バラけている印象がありました。上杉隆のメディア批判はいつものとおり切れ味があります。