超訳 種の起源 ~生物はどのように進化してきたのか (tanQブックス)

  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774150048

作品紹介・あらすじ

ダーヴィンの『種の起源』が出版されたのは1859年。ダーウィンの時代にくらべれば、科学・技術は長足の進歩をとげ、生物学における謎も多くが解明されてきた。しかし、いまなお『種の起源』が色あせないのは、生物進化における良質な理論であることはもちろん、そこにダーウィンの偉大なる科学者としての姿が読みとれるからだ。

感想・レビュー・書評

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  • 誰しもダーウィン、 進化論、 自然選択というワードを聞いたことがあると思いますが、 その本文を読んだことがある よという人はかなり少ないのではないかと思います。 本書 は、ダーウィンの有名な 『種の起源』 を中学生でも理解で きるような平易な言葉使いで書いたものです。

    さて、 過去の書評でも書きましたが、 昔の科学の名著を今 読むというのは相当難しいことだと思います。 第一に、単純 に専門的な内容で難しいということ、 第二に、 当時何が知られていて何が知られていないのかという歴史的文脈を知ら ないと見当外れな読み方をしてしまう可能性があるということです。 本書はそういう意味で2つの難題に気を配ってい ると言えます。 1つ目は既に説明した通りですが、2つ目の 懸念も、念入りな時代背景の説明がなされ、「なぜ今ダー ウィンを読むのか」を明らかにしてから読めるようになっ ています。 もし読みが不安なら、 シッダールタムカジーの 『遺伝子』、アイザック・アシモフの 『生物学の歴史』、 佐々木閑 『犀の角たち』 を読むといいと思います。

    さて、ダーウィンは (イメージと違って??) どうやら気の弱いタイプのようでしたが、その分膨大な博物学の知見を読者にこれでもかと提示して、 想定される反論に対応しています。 この姿勢は科学者だけではなくビジネスマンにも有用 なのではないか、と思えます。 行間からは、 「自分にはどう してもこう思えて仕方ないのだけどこれでいいのか?」と問 い続けた結果白らの内側でたくさん議論したことをしっかりと書いています。

    大事なことは、全てのデータを(特定のものを無視しないで)説明するような理論を考えているということで、その姿勢が、仮に後世にいくらかの間違いがわかったとしても、そんなものは些細なことでしかなく、ダーウィンの偉大さが語り継がれている所以なのだなぁと思います。

  • 進化論で有名なダーウィンの『種の起源』。池上彰氏の『世界を変えた10冊の本』にも選ばれており、ぜひ読みたかったのだけど、難解なので手を出せずにいた。
    そこで登場した超訳。見つけたときには、書店でニヤリとしてしまいました。

    超訳のいいところは、最初に作者や時代背景について説明があること。

    地球上の生命は全て神(創造主)がお作りになった、人間は最初から人間として作られた・・・と信じられていた時代に、生命の起源は1つで長い時間をかけて今ある姿に進化した・・・と真っ向から神を否定する進化論。
    この衝撃は、コペルニクスの天動説以上だと思われ、
    ダーウィンの『種の起源』が世界に与えた影響の大きさに感服。

    当然批判もあるけれど、彼の説は論理的でわかりやすい。
    超訳の読みやすさも手伝って、一気に読めた。

    ついでに、小学生の教科書のような文体のレイアウトも好き。

  • 進化論には興味があるのだが、それこそ進化の早い分野なので、160年以上前のダーウィンの本は気になりつつも、読んでなかった。

    でも、やっぱ原点なので、なんか読もうかなと思って、検索したら超訳でかなり短めにしている本書を発見して、読んでみた。(なんと14歳の子供向けの本のようだ)

    これは、ほんと読んで良かったと思う。DNAの解析もできなければ、化石や地層の放射線測定での年代を調べることもできないということは言うまでもなく、実はメンデルの遺伝理論も知らず、地球の年齢も知らず(当時は、聖書の記述からの想定で6000年位前に神によって地球が創造されたと想定されていたのだ)、さらには、「神が全ての生物を創造した」という考えが極めて強かった時代に、よくぞここまで考えることができたなと驚嘆するほかない。

    それは、ビーグル号での探査の経験をベースとしつつ、基本、博物学的な知識、趣味の鳩の飼育とか身の回りの自然の観察をベースにした思索の結果である。

    それだと、独りよがりになってもおかしくないだろうが、ダーウィンは、常に自分の考えに反する事実がないかをチェックを続けているし、他の人からの反論を予測して、それに対する再反論を考える中で、自分の思想を修正しつつ、磨きをかけていたのだ。

    最新の学説から現時点でもっとも正しいと考えられていることを知ることより、こうした思考の力、そして世間からの反発を恐れつつも自説を述べる勇気に触れることが、大事なんだなと古典を読む大切さを再確認した。

    というわけで、超訳ではないダーウィンも近いうちに読んでみたい。

  • 図書館で借りた。とりあえず入門編

  • 化学も生物学も地学も全部ひっくるめて理科が苦手だし、面白く感じられないし、すぐ眠くなる私だが、この本は最初から最後まで面白かった
    この手の本で全部読めたのはこれだけだ、超訳として100点
    ダーウィンってすげぇ〜〜〜生物ってすげぇ〜〜!!!と感動しきり ロマンだ〜〜〜〜

  • 生物学をかじっていると、必ず出てくるのが「種の起源」であり、進化論だ。
    しかし原著を読むのもなかなか…と思って探していて見つけたのが本書だった。
    現代風の訳、注釈での解説、そして付録として現代における進化論が追記されており、とても読みやすい。150年前、ダーウィンが気付いたことがまとめられた種の起源は、今の進化論の考え方と基本的には違っていないという記述で、彼の偉大さに気づかされるのだ。

  • 読みやすい
    サピエンス全史の前座にどうぞ

  • 言わずと知れた人類の知識遺産とも言える、ダーウィンの進化論。「14歳の教室」というシリーズの本なので、中学生くらいがターゲットなのであろうが、大人でも十分読むに耐える内容。いや、むしろ自分のような無学のものには丁度良い難易度とも言える。

    生物の進化は、自然界の限られたリソース、例えば食糧であったり場所を奪い合うために、より良い条件の特質を備えた個体が生き残ることによる、自然選択の結果だというのが基本的な要点である。ハーバードBスクールのゲマワットの企業戦略論講義には度々、企業の競争を自然界での競争に例えて解説がされているが、進化論はまさしく競争の本質を表している。無論、企業間による競争には、法的規制や倫理等の要素も考慮されるため、完全に同一ではないものの、環境の変化に適応できる種だけが生き残り子孫を残す事ができるという本質は共通である。

    最後に訳者によるコラムが古いカセットテープの写真と共に掲載されていのが象徴的である。エアチェックという言葉と共に消え去る運命を誰が当時想像したかという事を。

  • 原著は翻訳版も少し読みにくいらしいが、超訳版なので読みやすい。生物を会社に読み換えると、非常に示唆のある話になる。似たようなもの同士の生存競争は同じリソースを奪い合うことなので激しくなるというのは、色々な事に当てはまる。人間がジャングルに住んでいた時代、殺されるのは巨大生物よりも同じ人間だったという内容を他の本でも見たが、そういう事なんだとわかった。読み換えて考えるととても面白い本です。

  • 帯文:”150年前、もしダーウィンが『種の起源』を書いていなかったら、世界はいまとは違っていたかもしれない”

    目次:訳者まえがき、本書について、第1章 人為選択、第2章 「種」とは何か、第3章 生存競争、第4章 自然選択、第5章 生物変化の法則、第6章 学説の抱える問題、第7章 本能、第8章 雑種、第9章 なぜ化石が足りないのか…他

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著者プロフィール

イングランド西部のシュルーズベリー生まれ。エディンバラ大学で医学を学んだのち、ケンブリッジ大学に転学。卒業後、英国海軍の帆船ビーグル号に乗り込み、4年半にわたって世界各地をめぐり、ガラパゴス諸島での調査などに従事。帰国後は在野の自然史学者として研究を重ね、1859年に『種の起源』を出版。他の著書に『ビーグル号航海記』『人間の由来』『ミミズと土』など。

「2020年 『ダーウィン『種の起源』を漫画で読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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