生と死を握るミトコンドリアの謎 ~健康と長寿を支配するミクロな器官~ (知りたい! サイエンス)

著者 :
  • 技術評論社
3.77
  • (4)
  • (3)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 49
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774152370

作品紹介・あらすじ

健康・長寿のカギを握る細胞内のエネルギー生産器官ミトコンドリア。膨大な活動エネルギーを生み出す一方で細胞の死(アポトーシス)にも関与。最新の科学データを駆使しつつ、生と死を操る細胞内の小さな生命体に様々な角度からスポットを当てる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 身体には60兆個の細胞×300個、つまり、1.8京個のミトコンドリアが存在する。このミトコンドリアが、酸素を使って糖や脂質をエネルギーに変換するといった働きをしたり、病原菌に侵食された細胞と共に自死する機能アポトーシスにより、免疫機能を果たしている。つまり、人体を健康に、病気せずに元気な状態を保つのはミトコンドリアの仕事だ。

    そうした重要な機能を担うから、人体への影響は当然大きい。ミトコンドリアのはたらきが低下すると、細胞の活動が低下し、脳の神経細胞であれば、理解力が低下。心臓の細胞であれば、血液を全身に送ることができなくなる。筋肉の細胞なら疲れやすくなる。

    寿命や病気にも影響。ならば、常にミトコンドリアを正常な状態に保ちたい。増やすには、身体に負荷をかける有酸素運動が良いらしい。活性酸素は老化に繋がるだろうと思うが、ミトコンドリアの質が良くなることで、結果的に活性酸素の排出量が減るらしい。ジョギングするなら紫外線は良くないし、激しい運動は良くないのでバランスを考えながら適度に。

    元々はプロテオバクテリア(好気性細菌)という原核生物だったミトコンドリア。命の起源を探りながら、健康や寿命といった身近な興味に答えてもくれる素晴らしい一冊であった。

  • ミトコンドリアが母系遺伝であることは実は詳細に証明されていなかったという。著者が実験にて、それを証明したそうです。その時の課題や解決法など証明までのプロセスが面白いと思った。

  • もう少し基本的なところの説明が物足りなかった。後半は面白い。

  • SLBA選定図書 2012年度 第3期 Bセットから

    動物の細胞に存在し、健康の立役者でもあるミトコンドリアという小さな器官の不思議な振る舞いをわかりやすく解説します。

    分類 463/ヨ

  • ミトコンドリア病を知りたくて読みました。
    専門的な用語もでてくるのですが、ポイントが分かりやすく書かれています。

  • 2000年代の研究成果も入っており、知りたい!サイエンスシリーズの易しい説明でわかりやすいが、高校生物程度の知識がないとついていくのが辛いかも知れない。

    内容は6章立て、それぞれの章で、長寿遺伝子との関係、実際のミトコンドリア像、ATP生産などエネルギープラントのミトコンドリア(TCA回路含む)、アポトーシスの仕組み、ミトコンドリア病との関係、母性遺伝(異種との関係もあり)の真実、である。

    ミトコンドリアが核とは異なる遺伝子をもつことや、癌等の免疫治療でもアポトーシスが注目されているので、ミトコンドリアの全体像や2012年出版時の研究成果を知るには良い本だと思う。

  • ミトコンドリアは、ATPというエネルギーの源を作るために大事な器官であるという知識しか持っていなかったが、この本を読んで、ミトコンドリアが人間の寿命にかかわっていることや、人間などの生物の中にいるミトコンドリアは、その生物の遺伝子と違う遺伝子を持っていること、ミトコンドリア病という難病があることなど、新たな知識が得られてよかったし、ミトコンドリアがないと我々人間をはじめ動植物はまともな生命活動ができていなかったということで重要性がよくわかった。

全7件中 1 - 7件を表示

米川博通の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
佐藤 優
ウォルター・アイ...
ジャレド・ダイア...
トニー・ブザン
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×