怒る! 日本文化論 ~よその子供とよその大人の叱りかた (生きる技術! 叢書)

  • 技術評論社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774153858

感想・レビュー・書評

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  • ○パオロ・マッツァリーノ氏の著作。
    ○「最近の大人は叱らない」という観点から、著者が考える「叱り方」について体験を交えて描写。
    ○そもそも、むかしから、しっかり叱ることの出来る大人はそもそもいなかったという意外な(?)歴史が興味深い。
    ○その他は読み物として。

  • 日本人って面と向かって怒らないよね。でも決して寛容ではない。だから陰険なんだな。この本は「もっと怒れよ!」と言っている点で中村義道『怒る技術』と似てるんだけど、テイストは真逆だな。

  • 正義のためではなく、自分のために!
    世の中の「怒らないための本」は全然役に立たないと著者は言うだけあって、他人に怒ることや叱ることをとても論理的に分析してくれる本です。例えば「道路にタバコを投げ捨てる大人が、高校生にタバコを吸うなと言う資格はあるのか」「大して勉強ができなかった大人が、学生に勉強しろと言う資格はあるのか」などの、単純でありつつもふと答えに窮してしまうような問いに、ズバリ答えてくれるのは爽快です。ちなみに他人に叱るときのコツは「まじめな顔で・すぐに・具体的に」だそうです。そして、正義感のために叱るのではなく、迷惑を受けた自分のために「交渉する」ことが大切だそうです。まことに納得できるではありませんか。

    またこの本は、以前読んだ「しつこい怒りが消えてなくなる本」と意外にも共通点がありました。例えば「他者中心から自分中心の考え方へ」や「争わずに言いたいことを言おう」ということが書かれていたのですが、この本を読んでようやくそれが明確に理解できた感があります。

  • 不愉快だと感じた時に、実際に相手に注意する人間はほとんどいません。しかし注意をしなければ、現実は何も変えられないのです。
    大きな問題では行政の強制力が必要なので、個人レベルでできることはほんのささいなことを解決していくことです。
    明らかにヤクザな人に無理して注意をする必要もないですし、その日の気分で注意をしないときがあってもよいのです。

    内心我慢に我慢を重ねて爆発しそうになってしまっている人に、注意を「自分の権利を守るために交渉する」と考えて具体的にどうすればよいのか実例を交えて解説してくれます。机上の空論ではなく作者の実体験がベースなので説得力があります。

    同時に「昔はマナーがよかった」という幻想も新聞の投書欄を引用して打ち砕いています。
    特に喫煙者は昔から一貫してマナーが悪く、注意すると暴力沙汰になる危険性も他のことに比べれば高いということが分かって「やっぱりなあ」と思いました。

    作風が変わってしまったので、ブログの頃から読んでいた側としては若干さみしさもあったのですが、結果的には幅が広がって飽きずに済んだように思います。

    皮肉やツッコミにはクスリと笑えるものが所々ありました。

  • マッツァリーノ氏にはもう、読者を笑わせるつもりはないのだろうか?さみしいなぁ…。

  •  あ~、結局自分の物差しで起こる基準やルールを決めちゃうんだ。聖人君子、ヒーローなんて言わないがその時点でなんか幻滅した。
     
     せっかく良いことも言っているのにと思うと残念でしかならない。まぁ、なんにせよ自分がその時点で気持ちが良くなればというのなら、立場は違うが中身はどちらも同じになってしまうんじゃないだろうか。自分はそう考える。

    143左 169左 186左 206左 209左 226右

  • 電車の中や地域での子ども御大人のしかり方についての薀蓄イロイロ。ためになること多し。

  • 新聞の投書欄を読みながら家で文句をいうレベル。あるいは僕が居酒屋でくだをまくレベル。もっと社会的な視点があると思ったのだけど。ここまでの本にはひさしぶりにあたったなあ。お笑いに徹したほうがよい。これじゃあ毒にも薬にもならない。なお、僕も結構怒ります。それこそ怒るぜ。

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著者プロフィール

パオロ・マッツァリーノ(Paolo Mazzarino):日本文化史研究家。著書に『反社会学講座』『続・反社会学講座』『誰も調べなかった日本文化史』(以上、ちくま文庫)、『読むワイドショー』(ちくま新書)、『「昔はよかった」病』(新潮新書)、『サラリーマン生態100年史』(角川新書)、『思考の憑きもの』(二見書房)などがある。

「2023年 『つっこみ力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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