鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)

著者 :
  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774155654

作品紹介・あらすじ

鳥は恐竜から進化した。かっこいいTレックスやでっかいアパトサウルスを生み出した恐竜は、紆余曲折を経て、今を生きるかわいい鳥なったというわけだ。だとすると……鳥類学者は恐竜学者とも言えるのではないか? そのへんをパタパタ飛んでる鳥を観察すれば、太古の恐竜のアレコレがわかってしまうのではないか! ? これは実際に、鳥類学者に恐竜を語って頂くしかない。そんな難問に挑む、一人の鳥類学者。ユニークな視点と大胆な発想をもとに、恐竜の息吹を蘇らせる。無謀とも言える挑戦で見えてきた恐竜の姿とは、一体どんなものなのだろうか?

感想・レビュー・書評

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  • 「本書の主題は、鳥類と恐竜の緊密な類縁関係を拠り所とし、鳥類の進化を再解釈することと、恐竜の生態を復元することである。この本は恐竜学に対する挑戦状ではない。身の程知らずのラブレターである。」

    目次
    序章 恐竜が世界に産声をあげる
    ・恐竜とはどんな生物か
    ・恐竜学の夜明け、そして…
    第1章 恐竜はやがて鳥になった
    ・生物の「種」とはなにかを考える
    ・恐竜の種、鳥類の種 ほか
    第2章 鳥は大空の覇者となった
    ・鳥たらしめるもの
    ・羽毛恐竜は飛べるとは限らない ほか
    第3章 無謀にも鳥から恐竜を考える
    ・恐竜生活プロファイリング
    ・白色恐竜への道 ほか
    第4章 恐竜は無邪気に生態系を構築する
    ・世界は恐竜で回っている
    ・恐竜の前に道はなく、恐竜の後ろに道はできる ほか

    川上和人:
    森林総合研究所・島嶼性鳥類担当チーム長。西之島など離島の鳥類調査に従事。

  • 恐竜は鳥も同然である。鳥類学者が、鳥類と恐竜の緊密な類縁関係を拠り所とし、鳥類の進化を再解釈し、恐竜の生態を復元する。鳥類学者の目から見た恐竜の姿とは? 本書の主題は、鳥類と恐竜の緊密な類縁関係を拠り所とし、鳥類の進化を再解釈することと、恐竜の生態を復元することである。この本は恐竜学に対する挑戦状ではない。身の程知らずのラブレターである。
    (2013年)
    --- 目次 ---
    はじめに 鳥類学者は羽毛恐竜の夢を見るか
    序章 恐竜が世界に産声をあげる
     Section1 恐竜とはどんな生物か
     Section2 恐竜学の夜明け、そして
    第1章  恐竜はやがて鳥になった
     Section1 生物の「種」とはなにかを考える
     Section2 恐竜の種、鳥類の種
     Section3 恐竜が鳥になった日
     Section4 羽毛恐竜の主張
    第2章 鳥は大空の覇者となった
     Section1 鳥たらしめるもの
     Section2 羽毛恐竜は飛べるとは限らない
     Section3 二足歩行が鳥を空に誘った
     Section4 シソチョウ化石のメッセージ
     Section5 鳥は翼竜の空を飛ぶ
     Section6 尻尾はどこから来て、どこに行くのか
     Section7 くちばしの物語は、飛翔からはじまる
    第3章 無謀にも鳥から恐竜を考える
     Section1 恐竜生活プロファイリング
     Section2 白色恐竜への道
     Section3 翼竜は茶色でも極彩色でもない
     Section4 カモノハシリュウは管弦楽がお好き
     Section5 強い恐竜にも毒がある
     Section6 恐竜はパンのみに生きるにあらず
     Section7 獣脚類は渡り鳥の夢を見るか
     Section8 古地球の歩き方
     Section9 恐竜はいかにして木の上に巣を作るのか
     Section10 家族の肖像
     Section11 肉食恐竜は夜に恋をする
    第4章 恐竜は無邪気に生態系を構築する
     Section1 世界は恐竜で回っている
     Section2 恐竜の前に道はなく、恐竜の後ろに道はできる
     Section3 そして誰もいなくなった
    あとがき 鳥類学者は羽毛恐竜の夢を見たか?

  • 恐竜からどう鳥に進化し、翼で空を飛ぶようになったのだろう。目の前のスズメもあの化石でしか見られない恐竜の子孫…?そんな興味から読みました。

    鳥類学者目線で恐竜を見て、骨は?脚は?渡りは?色は?嘴はどのような経緯で獲得したか?などを書いています。一般人では想像もできない観点からの考察が面白いです。あと、ちょいちょいギャグがあった。私は好きです笑

    家にある恐竜図鑑を引っ張り出して、翼竜の大きさや手のつき方をまじまじと眺めたり、はたまた他の図鑑で鳥の骨格写真を眺めて、この骨がこんな役割を持つのかと想像しながら読むのはとても楽しかったです。図鑑をお手元に読むことをオススメします。

    もともと恐竜に興味があったのに、今では鳥が恐竜に見えるし、鳥にも興味が出てきました。

  • 鳥類学者による恐竜本。決して専門家ではないが、門外漢
    でもないという絶妙な位置からの視点は興味深い点が多々
    あった。「白い恐竜」「恐竜の渡り」「ミミズクのように
    耳のある恐竜」などなど。恐竜について様々な視点を提供
    してくれるというだけでもこの本には大きな価値があると
    思う。ただ、頻発する軽口は読者を選ぶかも知れない。私は
    世代的にも大丈夫だった(笑)。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00577615

    鳥は恐竜から進化した。かっこいいTレックスやでっかいアパトサウルスを生み出した恐竜は、紆余曲折を経て、今を生きるかわいい鳥なったというわけだ。だとすると……鳥類学者は恐竜学者とも言えるのではないか? そのへんをパタパタ飛んでる鳥を観察すれば、太古の恐竜のアレコレがわかってしまうのではないか!?  これは実際に、鳥類学者に恐竜を語って頂くしかない。そんな難問に挑む、一人の鳥類学者。ユニークな視点と大胆な発想をもとに、恐竜の息吹を蘇らせる。無謀とも言える挑戦で見えてきた恐竜の姿とは、一体どんなものなのだろうか?(出版社HPより)

  • 鳥類の祖先は恐竜、っていうのは理解してるけど、恐竜の子孫は鳥類って言われると、あれ?そういわれればそうか、ってなるから不思議。というわけで、恐竜の子孫である鳥類を研究する鳥類学者の筆者が、恐竜の姿、生活などを逆深掘りしていく視点が面白い。鳥がこうだから、恐竜もこうだったろう、でもこんな違いもあったはず、などなど、鳥視点で見ると、恐竜の姿が急に具体的になる。世界はよくできてる。

  • 著者のギャグは滑りがちで微妙ではあるが、慣れると面白く思えてくる。
    恐竜の生態や風貌は化石から推定されたものでしかないというのは分かっていたけれど、幼い頃に刷り込まれた「恐竜像」がすなわち真実であるような感覚を捨て切れずにいた。
    この本を読むとそれがいかに間違っているかがよく分かる。骨から推定できることは断片的なものであり、進化の経路はより複雑で、生態となるとまるで分からないというのが実態であるらしい。だからといって、恐竜の生態について好きに空想を膨らませようということにはならず、現生の生きものから推理し、いくらかの理屈をつけて想定をするのが科学というものだ。好きに空想をするならばただのトンデモ説である。鳥にフォーカスし、恐竜の生態推定を行ったのが本書である。
    「鳥類学者で門外漢だから」と著者は前置くが、本気の素人からすると十分に説得力があり、面白い。このような特徴を持つものはこういう生態というのが1つ1つ丁寧に説明され、だからこんな恐竜もいたかもしれないと具体例が生き生きと書かれている。
    眼窩の大きさと夜行習性の関係性など、言われてみればあっても不思議ではないが、あまり考えてもみなかった点で新鮮だった。今度科博に行ったら、そういう視点で骨格標本を眺めたい。

    恐竜と言われて頭に浮かべるイメージが少し変わったし、固定観念から自由になれた。イラストもあってそもそも恐竜に詳しくなくても読みやすかった。

  • 図書館で。
    確かにこの頃の恐竜のイラストは羽あり・カラフルな絵が多いものなぁ~ そして翼竜と後…海の…なんだっけ?は恐竜じゃないんだ。知らなかった…

    そしてミミズクちゃんの骨って結構精悍だった。カッコイイんだな~ びっくりだ。
    色々面白かったので手元においてもいいかななんて思いながら読みました。

  •  鳥類の先生が、その辺の知識を総動員して、鳥類の一種となった恐竜について語る。
     いいけど、挿絵のえるしまさく御大によるものだか著者のアレかは知らんが、「四つ足で飛翔能力が退化した翼竜」の可能性として、退化した翼がa孔雀型bクロコサギ型cクセニシビス型 になると紹介されてゐるのだが、本著内でかかれるD・ディクソンの『新恐竜』の方で、aのディスプレイ用を持つ草食翼竜とbの翼(まだ飛翔能力はある)で日陰作って魚とるのは出てゐるのである。『新恐竜』に関する言及無いけど。
     はー。

  • タイトルに惹かれて思わず購入。軽妙な語り口で楽しい。

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著者プロフィール

森林総合研究所・島嶼性鳥類担当チーム長。西之島など離島の鳥類調査に従事。チーム名は自分で提案したのだが,「島」と「鳥」という字が似ていて時々混乱する。

「2023年 『羽毛恐竜完全ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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