自然界はテクノロジーの宝庫 ~未来の生活はネイチャー・テクノロジーにおまかせ! (知りたい! サイエンス)

  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774156538

作品紹介・あらすじ

地球の環境や資源は有限。現在の生活を続けると行き詰まってしまいそう。今までの豊かさを享受しつつ地球を破綻させない。その問題解決のカギこそがネイチャー・テクノロジー。産業界が注目するその技術と発想力。発想の転換一つで未来はぐっと変わるのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 人間活動の肥大化によるエネルギー消費量の増大で、地球環境は急激に劣化している。そんな状況を打破するために、自然界の様々なテクノロジーを参考にしてみたらどうだろうという提言だ。
    土には温度や湿度を一定に保つ力があるが、その力を保ったままタイルにして床に施行することでエアコンの消費電力を抑える、ハスの葉やカタツムリの殻の構造を模して、表面に汚れの付きにくい物を作り、洗浄水を節約する、アワフキムシのようにお湯ではなく泡で体を包み込むお風呂を開発する、微生物が多様で活性な軽量の土を作り出すことができれば、家庭農場も可能となる、トンボの羽の構造を参考に、自分だけの小さな風力発電機を作ってみるなど、どれもまだ今後の研究が待たれるものだが、自然界にこんな省エネルギーのヒントがある事を知るのはとても楽しい。現代のエネルギー大量消費の生活を反省しつつ、ネイチャー・テクノロジーを取り入れた未来の生活を想像してみるのも良いだろう。

  • 先日著者の石田さんがラジオで、「間抜け」のことを語っていた。自立と依存の両極端になったからいけない、その間に注目を、というような感じだったと思う。本書のタイトルはバイオミミクリー的な感じではあるが、中を開くとバックキャスト思考が必要だ、という話からはじまる。エコ製品という商材で、人はもっと多く消費するようになっていくし、国もそれを後押しする。人の欲望は後戻りできない。だったらテクノロジーのためのテクノロジーではなくて、ライフスタイルに責任を持つテクノロジーを、というのがネイチャーテクノロジーだ、と。
    バイオミミクリーばかりではなく、環境ハーモニクス建材というようなものも紹介されているが、とにかくバックキャスト的パラダイムシフトを起こさなければ、エコ商品の波に飲まれてしまうだろうと感じる。
    未来が垣間見えてきたところで、最後は江戸の意気、で締めていて、タイトルと締め方がどうもしっくりこないけれども、中身は大いにヒントと励みになるものだと思う。エコを売りにしている人、しようとしている人には気にしておいてもらいたいこと。

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著者プロフィール

環境探究学研究会会長。地球村研究室代表。東北大学名誉教授。京都大学特任教授、星槎大学特任教授などを歴任。小学校の教科書を含め多くの書籍を執筆。「バックキャスト思考によるライフスタイル」や「ネイチャー・テクノロジー」などを提唱している。現在は、沖永良部島のジャングルの中に「酔庵塾」を開き、塾長として島の発展に尽力している。

「2022年 『学校教育の未来を切り拓く 探究学習のすべて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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