- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774159768
作品紹介・あらすじ
東大卒、起業、就職を経て、日本の労働の矛盾に気付いた「脱社畜ブログ」著者が本音で語る。
感想・レビュー・書評
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ブログを読んでいる時から読みやすい文章だなと思っていたけど、東大卒で小説も書いたりしていた経歴があるとのこと納得。
本書では「仕事中心の価値観」を徹底的に相対化して、多様な価値観が認められる社会を目指そうじゃないかと提言している。
「価値観が多様化した社会ではある意味皆がマイノリティ」「そんなカオスな社会が面白いのではないか」という著者の言葉が印象に残った。
著者は否定するが、会社という共同体に対しては偏った見方の表現がある。でもそこはこの本のテーマを伝えるためにはその位の強さで書かないといけないんだろうな。 -
はてなの人気ブログ「脱社畜ブログ」の管理人、日野瑛太郎氏の(紙媒体では)初めての著作。会社に依存しないで生活する「脱社畜」のスタイルを、自身の体験や価値観と併せて紹介している。
著者によれば脱社畜のあり方は二段階あり、一つは「会社を絶対視しない考え方」を身につけた「精神的脱社畜」の状態。これは価値観のレベルで、会社(あるいはそれを中心とした日本企業的価値観)から自由になること。
この具体的なレッスンとして、日本の企業社会でよしとされる価値観(ex 「社会人としての意識」)のあれこれを取り上げて、その問題点を批判している。
そしてもう一つの「脱社畜」とは、「会社に頼らなくてもよいような経済的基盤」が確保された「経済的脱社畜」の状態。会社とは別の部分で収入が確保されていけば、(それが必ずしも高額でなくとも)相対的に自分が勤めている会社の重要度は低下し、「なんとしてでも会社にしがみつかなければ」という意識から解放される。もちろん、会社勤めをしなくても済むような収入が得られるようになれば、万々歳である。
著者は、そのための方法の一例として、ネットなどを活用した「プライベートプロジェクト」(会社とは別にお金を稼ぐ)の重要性を説いている。
また、著者自身が大学院在学時代に友人達と起業し、ソーシャルゲームをリリースした体験談などもおもしろい。自分たちで立ち上げた会社における経営者としての経験と、その後、就職した一般企業における従業員としての体験の両方が、日本の企業慣行を批判する言葉に説得力を持たせている。
そして、この人の文章は、書き方が上手い。
ブログの方もそうなのだけど、無駄がないというか、余計なことは書かないし、感情的でなく、押し付けがましくもない。至極真っ当なことを淡々と書いてるので、多くの人の共感を呼ぶものなんではないかと思う。
もっとも「それがいい」という意見と、「だから物足りない」という意見があるかもしれないが、とりあえずその読みやすさに関しての異論はないだろう。
提示される脱社畜のやり方(特に経済的脱社畜としてのプライベートビジネス)もスマートで、無理がない。いきなり「会社なんか辞めろ」などと言うことはないし、「自分もプライベートプロジェクトやってみようかな」と思いたくなる(同時に、そうしたアプリ開発などのプライベートプロジェクトを絶対視して「こうすれば儲かる!」などという詐欺まがいの夢物語を決して提示しない、という態度も誠実である)。
つらい職場環境で苦しんでいる人や、これから就職する若い人などに読んでもらいたいと思うような本だった。
ところで、個人的にちょっと気になったことを以下に。
この人の話は、日本のクソ労働システムを批判しながらも絶対に「組合が」といったことは言わない。「労働組合」とかいうものが世の中に全く存在しないかのような語り方には、やはり疑問をおぼえる。
いま多くの会社で存在する組合が、経営陣の意向に沿った御用組合(しかも正社員限定)みたいなのばかりなので、「労組なんて」という意識が広まるのはわかる。しかし、だからといって労組自体がどうでもいいものだってことにはならないし、それはそれで必要なのだ、ということは思う。
この本の取り扱う射程を超えるので仕方ないとも言えるが、日本の社畜慣習やシステムを批判するのなら、なぜそれが成立してきたのか、という歴史的視座は必須であるだろう。
クソ労働システムが日本で成立してきた背景の一つには、国家権力が資本と組んで積極的に加担して進められてきた労働運動つぶし(国鉄解体と大量解雇といった国家ぐるみの不当労働行為や、公務員のスト権剥奪など)が間違いなくある、ということを僕は思ってる。また、経済的な背景や、職能給採用などといったシステムも影響している。
言うなれば、日本人は好き好んでこうした労働礼賛的な文化を作り出してきた、というだけでなく、そうした環境からの要請があった、ということは考える必要がある。だから、個人的な救済(これはこれで重要であるが)よりも広範に「脱社畜」の可能性が語られるには、広範な社会システムの変革の可能性は放棄してはいけないように思う。
人間の生を踏みにじるような労働のあり方から脱出することは大切だが、同時に不条理に正面から闘って打ち負かすような方法も復権される必要がある、ということはとりあえず押さえておきたい。
(ちなみに、上で「物足りない」と書いたのは、自分が会社で感じた怒りや、恨みのようなネガティブな感情がさらけ出されることで読者と共有されるカタルシスのようなものがない、という意味である。たとえば日野氏も影響を受けたであろう「海外ニート」氏のような激烈なdisを欲している人からは、日野氏による批判はあまりに冷静であっさりしている、と思われるかもしれない。もっとも、これらは必ずしも相互に反目するものではないし、単に文章スタイルの違いなのかもしれないが) -
感想
自分を殺して働く。労働者にも会社にも非効率。効率化が叫ばれる昨今、最短ルートは個人がのびのび働くこと。シンプルな解決策は常にある。 -
まったくもってうなづく内容ばかり。購入して何度も読み返したい本。著者の考え方は、今までに読んだことのある、こちら系の本の著者の中で、一番私と近いように感じた。会社とはあくまでも労働者として契約している関係に過ぎない。給与計算は有給取得を前提として決定されている。「残業」は極めて例外的なこと。「社会人の常識」という言葉を使うと思考停止に陥る。他人の幸せに寛容になることで、日本の職場の我慢大会が緩和される。「〇〇したくない」も「〇〇したい」と同様に個人の願望として受け入れるべき。日常生活を脅かすほどの「働くこと」にどれだけの意味があるのか。経済成長からの卒業をすべきときでは? 憲法に労働義務規定がある国は日本と北朝鮮だけ。「プロ」と「アマチュア」の区切りが曖昧になっていく。
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サービス残業は犯罪行為!と真っ向から指摘してるのはとても気持ちいい。
欧米の働き方は著者の望む働き方に近いんだろうな。
私も会社員時代は会社の一員という意識を強く持っていたし、その意識を持たないと居づらい環境だったなと思う。
会社に帰属することが全てじゃないんだよと著者は伝えます。会社を抜けるリスクも踏まえた上で、自分が望む生き方を選択できるのがベストだね。 -
タイトルはストレートだが、中味は一般的というか、仕事に対する自然なスタンスを持とうというもの。ここまで社畜の人がどれだけ残っているか疑問だが、自分なりの価値観を持つことが大事だと思う
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クラウドワークなど、オーナーシップの持てない副業は避ける。
※納期に間に合わない場合、損害賠償請求の恐れも。
※オーナーシップを持てないければ、結局社畜。
・スマホアプリ制作
・Webサービス制作
・ブログ、HP作成
・Amazon Kindle Publishing
"❌仕事とは、理不尽なことに耐えること
⭕️仕事とは、価値を生み出すこと
プライベートプロジェクトを成功させるコツ
「やめない」こと" -
自己評価を高めてくれます。
それだけでなく、本当に自分はそれだけの価値があるか。自分の人生の中で何が本当に大切か考えさせられます。
仕事は起きている時間の半分くらいかもしれません。それがどう自分を作り上げ、自分の好きなことをやっている時の時間とバランスを保っているか。
自分の働き方を変えたいと思っている人にはオススメです。