オルドビス紀・シルル紀の生物 (生物ミステリー (生物ミステリープロ))

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  • 技術評論社
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774160856

感想・レビュー・書評

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  • 私の推薦する書は,私が所属している金沢大学地球惑星科学コースの先輩でもある土屋健氏による「生物ミステリーPRO オルドビス紀・シルル紀の生物」である.本書は書名の通り,オルドビス紀及びシルル紀に生きていたとされている古生物の生態,構造,また発見にまつわるエピソードなどを収録した科学図書である.本書は専門的な古生物分野にまつわる内容が列挙されているものの,一般的な方にもおすすめできる内容となっている.というのも,古生物学は勿論,地球科学に全く触れたことのない高校生の私ですら本書の内容にワクワクすることができた.古生物学に興味・熱意のある方は是非とも一度目を通していただきたい.
    私は本書を推薦するにあたり,以下の二つの点を提示したい.
    第一に,豊富な写真やイラストを伴った,著者による古生物一つ一つの種に関する解説である.本書には教科書では取り扱われることのない膨大な数の古生物が紹介されている.その驚くべき情報量に加え,実際の化石の写真や,イメージイラストも付随されており,読者は古生物のイメージを容易に捉えることが可能となる.科学図書でありながら,写真集や図鑑として,人によっては博物館を探訪しているかのような楽しみ方をすることも可能なほどである.
    第二に,三葉虫に関する特集である.本書は時間スケールに伴って当時生息していたとされる古生物についての解説が進んでいくが,特にオルドビス紀の三葉虫に関して語られた部分は非常に興味深い.おそらく多くの方は三葉虫と言えば,扁平で楕円型の姿形を想像するであろう.しかし,ここには三葉虫だとは思えない奇妙な構造を持った多様性のある三葉虫が多く記載されている.棘を持つ種,立体的構造を持つ種など非常に多様性に富んでおり,「化石の王様」とも呼ばれる三葉虫の素晴らしさに酔いしれることになるだろう.
    本書は科学図書でありながらも,土屋氏のテンポのいい解説は非常に読みやすい.今回この推薦文を書くに当たって目を通した際,古生物の世界はある意味で小説のような,実際にこの眼で見ることはできない世界であるからか,気づけば私はまるで物語を楽しむかのように読み進めていた.このように,私が特におすすめしたいのは本書であるのだが,「生物ミステリーPRO」はシリーズ化されており,様々な時代にフォーカスしたものも出版されている.それぞれの時代のファンの方は興奮間違いなしだろう.勿論初学者や一般の方にもとっつきやすい内容であるため,古生物に触れるきっかけとして,本書を含め,「生物ミステリーPRO」シリーズを是非お手に取っていただきたい.

  • 昔の図鑑やかいつまんだ生命史では飛ばされがちなオルドビス紀・シルル紀。三葉虫、サソリ、初期の魚類、礁の形成などが特徴的。 豊富な化石写真などの資料で最新の研究・発見を解説してくれる。
    なかでも古代節足動物の化石をスライスし画像をコンピュータで復元して初めて確認されたヘレフォードシャーの化石がすごい。新しい技術がなければ発見できない代物で、肢の構造から最古の生殖器まで確認できるという

  • 凄い時間を空けてしまったけど、2冊目読了

    次はデボン紀!

    カンブリア爆発から礁の発達とかで生物の細分化が進んだオルドビス紀、三葉虫のバリエーションがキモい
    その末の大量絶滅
    シルル紀のウミサソリがきもい
    シルル紀でゆっくりと顎を獲得した魚類が、1億年の弱者からデボン紀で活躍しはじめる
    今の脊椎動物の半数をしめる魚の勝利のルーツはここからだそうで

    陸への植物の進出が進むやら

    やぁ、面白いですねぇ

  • 「ワンダフル・ライフ」アップデート第2弾。良書。三葉虫の立体構造、シルル紀の王蟲は必見。ウミサソリの構造も実にダイナミック。
    図版の綺麗さ、本文解説のわかりやすさ、作り手と編集サイドの意欲が相まって質の高いシリーズが生まれた。続刊も期待。

  • 第1部 オルドビス紀
    第2部 シルル紀

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著者プロフィール

サイエンスライター。オフィス
ジオパレオント代表。埼玉県出身。金沢大学大学院自然科学研究科で修士(理学)を取得。その後、科学雑誌『Newton』の編集記者、部長代理を経て独立し、現職。2019年にサイエンスライターとして初めて日本古生物学会貢献賞を受賞。近著に『アノマロカリス解体新書』(ブックマン社)、『化石ドラマチック』(イースト・プレス)、『パンダの祖先はお肉が好き!?~動物園から広がる古生物の世界と進化~』(笠倉出版社)など

「2020年 『恐竜・古生物 No.1図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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