そもそも島に進化あり (生物ミステリー)

著者 :
  • 技術評論社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774182506

作品紹介・あらすじ

島だ!進化だ!鳥類学者だ!!今度は島について考えた!

感想・レビュー・書評

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  • 「はじめに」から「おわりに」まで、軽快な川上節が堪能できる1冊。
    島における生物の進化や絶滅を、テンション高めにわかりやすく教えてくれます。

    島は生物の進化の流れが凝縮された特殊な環境なのですね。
    まっさらな島に植物や動物が上陸し、繁殖していく流れを辿りつつ、生物は子孫を残すために各々がさまざまな工夫を凝らしていることに改めて驚きました。

    そして川上先生のユーモアが本文のみならず多数の脚注にまで溢れすぎていて、何度もむふむふ怪しい笑い声をもらしてしまいました。
    「世界最深を誇るマリアナ海溝はジャイアント馬場を縦に5200人並べた深さ」だそうです…その発想力に感服します。

    余談ですが、本書を読んでいて、だんだん"鳥"と"島"の見分けがつかなくなってきてちょっと困りました。
    なんでこんなに似てるんだ…もうっ!

    • nejidonさん
      すずめさん、こんにちは(^^♪
      ラスト3行であまりにも笑ったので、コメントさせていただきます。
      川端誠さんの絵本で「鳥の島」というのがあ...
      すずめさん、こんにちは(^^♪
      ラスト3行であまりにも笑ったので、コメントさせていただきます。
      川端誠さんの絵本で「鳥の島」というのがあるのですが、毎度毎度「え?しまのとり?
      あれ?とりのとり?・・あ、しまのとりか!」と混乱しています。
      そういう自分にガッカリして、それから笑う、の繰り返しです。
      小学校で習う漢字なのに!!!
      すずめさんも同じかしらと思って、少し嬉しくなりました。
      すみません、変なところに喰いついて(^^♪
      2018/09/03
    • すずめさん
      nejidonさん、こんにちは!
      「鳥の島」という絵本があるのですね。nejidonさんのコメントを読んで、案の定画面を凝視しながら「しま...
      nejidonさん、こんにちは!
      「鳥の島」という絵本があるのですね。nejidonさんのコメントを読んで、案の定画面を凝視しながら「しま…あ、とり?」となっていたのでした(笑)

      本書は鳥類学者が綴る島の話なので、鳥も島も頻出です。「はじめに」の中で著者の川上先生も漢字が似ていることを話題(ネタ?)にしているのですよ~!
      2018/09/09
  • 島の生態系に関する大真面目な話を小気味よくボケながら語ってくれる。
    こんなに分かり易く楽しい本にはめったにお目にかかれない。
    かなりの切れ者であるに違いない川上和人さんにハートを掴まれてしまった。
    この方の著書は全部読むことになりそうだ。

  • 鳥類の本、と思って読んでいると、これは島の本だとわかる。著者もその辺のところを狙っていたようで、鳥と島の漢字を並べておちょくってくる。油断ならない。タイトルだって、「そもそも鳥に」と間違えて買う人を狙っているのかもしれない。そして、あらかじめお伝えしておきたいのは、本の半分は「島」に関する定義に費やされているということ。決して「鳥」ではない。半分までついてこられないと、鳥の話にならない。しかしこの定義が非常に重要なので、飛ばし読みしてはいけない。

    内容は所々ボケをかましてくるが、大体が専門的な話である。ノートをとるか、迷ったほどだ。よほど眠くない時に読まないと、内容が入ってこない。なお、挿絵の半分はボケに関するもので、こちらは一向に専門的ではないため、わかりやすくない。このネタを知っている人には、挿絵は必要ないだろうし。ほしい絵は、なかったりする。
    川上先生は、離島の海鳥が専門で、とんでもない離島に出向いて、蝿を食べたり、海鳥のフンまみれになったりして冒険家さながらに活躍されていることは、よく知られている。なぜ離島なのか。それは離島では、進化の過程がわかりやすい状況が残されているから。しかも、それを説明するために、(イヤイヤながら)苦手な植物や昆虫にまで言及している。生き物は皆繋がっているので仕方がない。そして、島の生態系はとても脆弱であることを、心しなくてはならない。
    ダーウィンの進化論もこういうことだったのか。眠くない時に読めば、もちろんわかりやすい。川上先生は自ら現代のダーウィンを名乗ってもいいと思う。怒られても知らんけど。

  • 軽妙洒脱な語り口で島と鳥、その他の動物の物語を紡いでいる。外来種の駆除の話は難しいなという感想を持った

  • 「大陸はわずか6個だが、島は星の数ほどある。どう考えても島の勝ちだ。」という表紙裏の文字を見て手に取った。
    生物学界隈の著者として有名な鳥類学者、川上さんの本を初めて読んだがなるほど面白い。
    タイトル通り、島に焦点を当てた進化論の話ということになる。著者が島を愛するあまり書いたようなものだった。
    美女がやたら出現するし、妖怪やガンダム的比喩も多くて進化論の教本としてもわかりやすい。

  • 島における生物の進化や絶滅について、フィールドワークを基に、いかにも学術的っぽく述べられていない本。

    でも、内容は真面目で(小ネタを挟むが)、島の固有種と外来種との関係については、なるほどなぁ、と感心(関心)。

  • いやぁ。面白かった面白かった。
    ラムちゃんでしょ。ガンダムでしょ。
    パンダとタイヤの配置についてでしょ。
    東京ドームを縦に並べらいくつ分でしょ。

    ってこれ何の本?
    いやいや、いたって真面目。大真面目な本ですよ。
    筆者のお人柄が読んでいて伝わってきます。大変、勉強にもなるいい本です。ギャンブルなら大勝利と、僕は自身を持っていいます。

    ほんとは「恐竜」の本を買おうと書店に出かけたのですが、置いてありませんでした。仕方なくこちらを購入し、読んでみたんです。。。

  • 生態系の話。気軽な口調でかなり専門的な事を書いている。おもしろかった。

  • 島における生物の進化について鳥類学者である著者が語る1冊。やたらと登場する美女や、ガンダム、ウルトラマン、児童書、さらっと『鼻行類』まで引っ張り出す語り口は愉快で楽しい。
    島はいいぞ。

  • 「第一作目『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』で好評を博した川上和人先生の著作第二弾。今回扱うトピックは「島での生物進化」。西之島新島の形成からしばらく経ち、島における生物の流入・定着に少しずつ関心が集まっています。島という隔離された環境・・・そこではいったい何が行われているのでしょう? 実はこの「島」という一見特異な環境、私たちの身近な場所にもたくさんあります。いったいどんな場所が「島」なのか? 離島の鳥類を研究する専門家が、実際の経験で感じた「島」という存在。その「島」で繰り広げられる生物たちの動向を、ユーモアあふれる語り口で、軽快に解説。鳥類学者が見つけた「島」という箱庭、そこにはどんな不思議な世界が広がっているのでしょう。

    内容説明
    島だ!進化だ!鳥類学者だ!!今度は島について考えた!

    目次
    序 そもそも島は
    第1章 島が世界に現れる
    第2章 島に生物が参上する
    第3章 島で生物が進化を始める
    第4章 島から生物が絶滅する
    第5章 島が大団円を迎える

    著者等紹介
    川上和人[カワカミカズト]
    森林総合研究所・主任研究員。鳥類学者」

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著者プロフィール

森林総合研究所・島嶼性鳥類担当チーム長。西之島など離島の鳥類調査に従事。チーム名は自分で提案したのだが,「島」と「鳥」という字が似ていて時々混乱する。

「2023年 『羽毛恐竜完全ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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