ビジネスモデル症候群 なぜ、スタートアップの失敗は繰り返されるのか?

  • 技術評論社 (2017年9月16日発売)
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774192161

感想・レビュー・書評

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  • 面白い、学びが多かった

  • 2017.10.18 品川読書会で紹介を受ける。

  • なぜ、企業・新規事業に失敗してしまうのか?学びたい方に。
    新規事業のマネジメント方法を考えたい方にもお勧め。

    失敗の理由は、脳の『バイアス』にある。
    正しく世の中を見えず、事実を認識できないので、自分のビジネスモデルに固執してしまうビジネスモデル症候群になってしまうのだ。

  • ビジネスモデルというアイディアをいったん打ち立ててしまうと、そのアイディアがバイアスとなり、自分に都合の良い情報しか集めなくなる。リーンスタートアップの考えにのっとりプロトタイプ検証をしたとしても、都合の良い反応しか目に入らない。結果として、お客様のニーズと乖離したまま気付かずに盲進し頓挫してしまうことが多い。アイディアに飛びつきたくなる気持ちをぐっとこらえて、何が問題なのかを深く理解し尽くすまでは、1つのアイディに固執することなかれ。そして派手なビジネスモデルに囚われるのではなく、もっと足元を固める経営を身に付けるべし。経営を回せるようになった後にビジネスモデルを構築するという2段構えで考えよう!といった内容。ビジネスモデル礼賛の風潮に一石を投じる一冊。
    確かにアイディアを立てるとバイアスかかるよなーという部分は納得なんだが、バイアスから逃れる術も述べられているが、それを個人で実践できる自信はない。よきメンターを探すのがベターかな。

  • ぼくは起業家のメンターとして「あなたがまだ分かっていないこと/まだ確証が得られていないこと」に意識を向けるように問いを投げかける。要は「未知」について考えを促す。まさにそのような「起業家自身の思い込み(バイアス)と視野狭窄に対処すること」が本書の主題。

    スタートアップ支援者(投資家、メンター、コンサルタント、官僚等)に推薦したい書物。起業家本人にはオススメしない。功利主義的な統計アプローチと、実存的一回性の違い。統計に基づいた医療と、患者の立場の違い。

    ちなみに、ぼくはこういう助言をすることが多い:

    ・未認識課題の指摘:「こんな落とし穴が空いてると思うけど、もう認識していますか/リスクは評価済みですか?」

    ・課題への対処法の例示:「その落とし穴をふさぐのであれば、これらの方法が有効かもしれませんよ」(普通の言葉で言えば、デザイン思考的な意味での「調査」や「評価」の手法に関する知識を提供するということ)

    補足しておくと、「課題を認識しつつ、あえて無視する」という選択肢もある。時間は有限であり、あらゆるリスクを潰していくことはできないし、そんなのはスタートアップのやり方でもない(医療機器メーカーや霞ヶ関みたいなやり方だ)。そこで「リスクを評価し、リスクをとる」という考え方が出てくる。無視してよい課題は、最悪でもそれによって致命傷にならない課題だけ。つまりリスクが小さい課題だけ。

    なんにせよ、いずれにせよ(無視するにせよ)、未認識課題がなるべくないように、あらゆる課題の可能性をできるだけ網羅的に想像して列挙しておくことが大事。その想像がぼくは得意。ある意味、パラノイア的・不安神経症的なパーソナリティの人には向いている精神活動だと思う。「これでもう十分だろうか?完璧だろうか?漏れはないだろうか?」というメンタリティが求められる作業なので。

  • ジレットの替刃モデルやグーグルの検索等、当初から練り込まれたビジネスモデルがあったわけではなかった。ビジネスモデルを持つことにより、「確証バイアス」「ヒューリスティクス」「経営破綻」「手段の目的化」「失敗のループ」の症状に陥ることが考えられる。そのため、ビジネスモデルコンテスト等が流行りつつあるが、ビジネスモデルを持つことに執着するのではなく、起業、すなわち経営することをライフスタイルとし、経営を続ける(成功していないだけで失敗していない状態を保つ)ことが重要である。
    筆者は本書の最後に、成功者を産むことも大事だが、失敗社を出さないメカニズムの研究も必要であり、これにより多数の成功者が産み出されると持論を述べている。特にビジネスモデルがあり、かつ成功した事例については取り上げられることが多い一方で、ビジネスモデルがなく成功した事例やビジネスモデルの有無によらずに失敗した事例が取り上げられ研究されるべきということであろう。この最後の章ではスポーツにおける育成について述べられており、スポーツの科学化は進んでいるものの、起業における科学化はいつになるのやらと結ばれている。この研究及びその結果に今後日本が世界で勝ち残っていく活路があるのではないかと考える。

  • 読了

    ビジネスモデルやアイデアで起業するんじゃなく、なんで起業したいのかを考えて経営をまず持続させなさい、と。
    人間は大体都合よく生きてしまうので反証しなさい、と。やりたいこと、できること、叶えたいこと、
    ビジネスモデルは先についてこない。
    小さくはじめて改善の積み重ねで成り立つよ、と。

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