統計思考の世界 ~曼荼羅で読み解くデータ解析の基礎

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774197531

感想・レビュー・書評

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  • 前半楽しめたが後半から難易度が上がってしまった。とはいえ、前半のストーリーは納得感があって良い。

  • 1.純粋統計学:アブダクション
    →演繹・帰納とは別に、限られた既知の情報から未知の問題を推測・解決する

    2.グラフィック統計学:数と図のリテラシー
     ボアソン・グランピング(認知心理学上、確率的に生じる無作為現象に非確率的必然を誤って読み取ってしまう)
    →第1種過誤の恐れ →完全無欠の統計モデルはなく、推論の連鎖により、よりよい説明仮説へ改良し続けることが目標

    3:観察モデルから統計モデルへ
     データに対して線形モデル(例:y=ax+b)を当てはめる →観察データの背後には不可視の一般データ関係・法則性が潜むという
     ※実際には現実の値とモデル値は誤差がある→確率変数や確率分布に関する数学理論により、観察データをいかにモデル化に近似できるかを念頭に発展

    4.統計学をめぐる論争
     データをいくら蓄積しても真実が手に入るわけではない → 有限のデータからどこまで非演繹的な推論を進めることが出来るか
     実験科学(再現可能) ⇔歴史叙述科学(再現不可能) →状況証拠に基づくアブダクション(仮説の真偽を問わず複数のデータから相対的な順位を踏まえ)によりその都度ベストな仮説を選ぶ

    5.統計的思考に必要なリテラシー
     計算による緻密な推論(統計的思考)と可視化による全体の把握(統計データ解析)のバランス

    6.パラメトリック統計学
     記述統計学:データの特性や挙動を数値的に書き出すこと
           →目の前の数値データを集約するだけで、背後の母集団に関する推論は対象外
            →データセットのばらつきをそのサイズによって補正することに問題無し

     推測統計学:目の前のデータの背後に広がる仮想的な母集団に関する推測を行う
           →有限個の標本から母集団のばらつきを推定
            →データサイズnの標本から母分散を普遍性をもって推定するには、平方和をnではなく(n-1)で割る

    7.実験計画法 完全無作為方への道
     実験計画法:ある実験を実施するうえでそれぞれの実験処理区をいかに配置するか → 得られたデータをどのように統計分析するか(一連の分析手順の体系)
    主目的は、データのばらつきが線形統計モデルを構成するどの変動要因に帰することが出来るのかを調べること

    実験計画法の三原則
      ・反復実施  複数回実施でばらつき評価  →得られるデータには多少の偶然的なばらつきがあり、同一水準を反復しないとばらつきの大きさを推定できないから
      ・無作為化  ランダムな配置で背景要因の影響を偶然誤差化 →実験要因以外の背景要因との交絡(相関する外部変数)の効果を取り除くため
      ・局所管理  ブロック分割による実験環境の均一化
       →思い立った時点から実験計画法は始まっている(綿密に計画された実験が前提 → 意味のある解析結果へ)

     統計モデル=データを説明する方法(必ずしも数式だけではなく、数式は簡潔に表現したもの)

    8.実験計画法 分散分析と多重比較
    データの偏差を処理偏差と誤差偏差に分ける →それぞれの平方和を分散σで割る(カイ二乗分布に従っている) →対応する自由度で割る(F分布に従う)
    F分布のグラフに棄却域を設定する
     帰無仮説(処理効果無し、偶然誤差のみとする)と対立仮設(一定の水準の下で処理効果ありとする)の2つの線形モデルを立てる 
     変動要因の有意性を統計的に検定→いずれの仮説をとるか意思決定

     分散分析 → ある実験処理により結果が変わったことが分かる
     多重分析 → どの処理水準が結果を変えたのかが分かる

  • 狙いは何となく分かったけど、あんまし面白くなかったので途中まで読んでおしまい

  • 2018/04/17 初観測

  • 三中節炸裂
    って感じ
    数式よりもグラフ化が大事っていうのは同意
    各分布や考え方の歴史的な流れはわかりやすい
    が、統計曼荼羅の意味というかどこに何が関係性などは前著に任せたのかな、本書ではあまり解説がなし

    統計って手法が乱立してどれをいつなにのためにってところで立ち往生している方(特に私)のコンパス的にはとても良い本と思う

  • 統計学の世界を俯瞰してみようという主旨の本です。パラメトリック統計学、ノンパラメトリック統計学、コンピュータ統計学、多変量解析という分野を紹介し、ガイドしてくれるツアーのような本でした。統計学ド素人の僕にはちょっと難解でしたが、好奇心がくすぐられる内容でした。

  • (図書館員のつぶやき)
    著者の三中さんが30年にわたり講義録されてきたものを、初めて出版されたのがこの本です。専門的なことは私にはわかりませんが、表も図もおおくて読みやすくなっていると思います。一度手にとってみらんですか。

  • 請求記号 417/Mi 36

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著者プロフィール

農業・食品産業技術総合研究機構農業環境研究部門専門員

「2021年 『読む・打つ・書く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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