田んぼのいのち

著者 :
  • くもん出版
3.57
  • (1)
  • (7)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 47
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774304625

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「田んぼにはいのちがみなぎっています。米は人のいのちも養うし、米そのものがいのちなのです。淡々と田んぼにとりくむ老夫婦の米作りの一年を通して、自然の「いのち」をえがく絵本。
    「行動派作家」として知られる立松和平の「いのち」の絵本シリーズ第4弾。『山のいのち』、『海のいのち』、『街のいのち』に続くこの『田んぼのいのち』では、「人間の苦しみと、しかし、苦しいだけではないと応えてくれる自然への信頼」をテーマに描いている。」

  • 稲の命が女性群舞で表現されていたりするシュールな画風/十年近く続いたTPP参加是非の議論の背景に「農業者の高齢化」があった。それを象徴して賢治さんは70歳、彼に米作を代わってくれないかと頼む「隣の豊さん」はさらに高齢なのだろう。米がお金より貴重だった時代に米作を始めいつから「ビニールハウスのなかプラスチックの苗床」「トラクターで代かき」「鉄の爪の田植え機」「(「農薬を使いたくないので」)鉄の刃の草取り機」「稲刈りはコンバイン」「乾燥は(描いてないがおそらく)乾燥機」となったのだろう。単位面積当り収量の少ない外国産米は石油消費僅少だったりする。日本の農家の農地はUSA 農家の50分の1
    戦後、新民法で、相続は兄弟平等と定められた。タワケ=「愚か」とは、農地を細分化し自立さえできなくなる窮乏化を座視すること/日本らしさ=日本文化のほとんどは江戸時代に形成された、人力万能の「変化を恐れる時代」であったから、≪時代の変化≫にさらされ、いずれ崩壊する必然ではあった/鎌倉~戦国時代に発展してきた貨幣経済システムを幕藩体制(の地方分権)はコメ本位制に逆行させた、「農地重視」「お家大事」の気質も作り上げられた。「日照りに不作なし」というように、細長い日本列島の東西で同時に不作となることはあまりない。流通があれば気象異変で餓死をださないで済んだが

  • つらい話だ…とても「よかったね」では終われない。
    この先のことを考えずにはいられない。
    70だよ。何反あるか分からないけど、ひとりでこれからどうしていくのだろう…。

    立松和平さんがいなくなって、もう7年も経つのね…。

  • 田んぼで稲が育つ。米が出来る。冬に雪の下で眠り、春に水がはられ、苗が植えられ、稲は育つ。
    作っている人間にも、いい事も悪い事もある。
    だけど、田んぼを続けるということ。農業を続ける人が少なくなり、自らも年を取り、一緒にやってきた妻が倒れても、賢治さんは、来年も田んぼをしようと思う。

  • 小学五年生が社会で米作りについて学ぶときに一緒に読ませたい本。

  • 宮澤賢治をおもわせる、その名も“賢治さん”がひとりでコメ作りをします。奥さんが倒れたり、寒さの夏におそわれたりと、淡々と、これでもか的な状況がおこります。あんな小さな種もみに、ちからがぎゅっとつまってる。(さわ)

  • いのちシリーズ

    田んぼとともにいきる夫婦のお話

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒。在学中に文学作品「自転車」で第1回早稲田文学新人賞を受賞。卒業後、さまざまな職歴を経て帰郷して宇都宮市役所に勤務。79年から文筆活動に専念。80年「遠雷」で第2回野間文芸新人賞、93年「卵洗い」で第8回坪田譲治文学賞、97年「毒ー風聞・田中正造」で第51回毎日出版文化賞を受賞。2010年2月逝去。

「2023年 『すらすら読める奥の細道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

立松和平の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
立松 和平
tupera t...
シェル・シルヴァ...
アーサー・ビナー...
トミー=アンゲラ...
ヨシタケ シンス...
谷川 俊太郎
原田宗典、柚木沙...
モーリス・センダ...
平田 研也
長谷川義史
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×