- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774406053
作品紹介・あらすじ
戦後の焼け跡に、非合法の市場「闇市」ができてから70年。
食料、衣類、雑貨、生活に必要なものは何でもあった闇市で、人々はどのような日常を送り、
敗戦後の混乱に満ちた時代を生き抜いたのか?
「闇市」をめぐる、初めてのアンソロジー!!
感想・レビュー・書評
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闇市をテーマにした短編集。蜆 がとても心にずしりときた
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耕治人・鄭承博・永井荷風・坂口安吾・織田作之助・梅崎春生・石川淳。それ以外読んでない
名前も知らなかった鄭承博の『裸の捕虜』、次から次へと転がってゆく、スリリング -
闇市を題材にしたアンソロジー。太宰治の貨幣、鄭承博の裸の捕虜、坂口安吾の日月様、野坂昭如の浣腸とマリア、織田作之助の訪問客あたりが面白い。特に、裸の捕虜は見るものによっては悲惨な捕虜の強制労働を冬の晴空のようなカラッとした書きぶりで描いていて、著者の深みを感じた。
野坂昭如は短編集で読んだものの再読だが、焼跡闇市派を自称するだけあり、このアンソロジーで迫力がピカイチ。
太宰治はよくできている小説。
坂口安吾はさすが、精神のキワキワな短編、織田作は生きるか死ぬかの金勘定という感じ。
みなの個性がよく出ており、編者の確かな目を感じた。 -
必ずしも闇市が主題になっている作品ばかりではないのだが、戦中から戦後にかけてなんらかの形で闇市を関わりながら広がりを見せる作品集。有名作家の作品ばかりで読みごたえがあるが、特に関西が舞台になっているものがしっくりとくる気がする。野坂の作品は秀逸。
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太宰や坂口安吾などの闇市についての短編小説集。面白そうだなと思って読んだのですが、闇市だけに、どれも暗かったです。