- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774514215
感想・レビュー・書評
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解説だけで泣けた。むしろ題名だけで泣ける本さえある。
『永遠の0』、『ツナグ』、『さよならもいわずに』を読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
意外な本も紹介されていて、興味深い内容でした。
物語の持つ意味について今までにない読み方を学ばせていただきました。 -
気になるタイトル。非常に大きな人生の分岐点である「死」を描いた物語は多いですが、その何を読めば死を恐れなくなるのだろうかと思います。
日本映画の実に約9割に、人が死ぬストーリーが挿入されているのだそう。
子供向け映画以外のほぼ全部になるそうです。
更にその5割は、大量に人が死ぬ設定なのだそう。
よくあるパターンだとは思っていましたが、そこまでとは。もはやデフォルト状態です。
これは、現実の死を考える機会が少ない、日本が平和な国だからだそうです。
「人が死なない国では、物語のなかで人が死ぬ。」
現実に死が身近な国では、絵空事ではないからでしょう。
死を描く作家として、村上春樹が挙げられました。
"『風の歌を聴け』の秘密性、『ノルウェイの森』の狂気、『国境の南、太陽の西』の切なさ"と表現されています。
確かに作品によって、死が作品に与える影響は違っていることに気づきます。
ラストサムライのモデルは、西郷隆盛だと書かれていました。
急激な西欧化に異を唱えて下野し、西南戦争で散った姿に日本の武士道を重ねたそうです。
メーテルリンクの『青い鳥』は、世界ではじめての臨死体験物語なんだとか。
そんな風に考えたことはありませんでした。でもそれは、物語を童話でしか読んだことがなく、原作を知らないせいかもしれません。
結局、死を恐れないということは、「死を超えるほどの生の充実を感じる存在」と出会うことだと著者はまとめています。自分の生死などお構いなしに夢中になれるものに没頭できるのが一番の幸せであると。
死を恐れないためには、自分自身を豊かなものにするべきだというメッセージを、この本から受け取りました。 -
114.2-イチ 300357647
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『アンデルセンから村上春樹まで、自身が死ぬことの「おそれ」と、愛する人が亡くなったときの「かなしみ」が少しずつ溶けて、最後には消えてゆくような本を紹介します。『一条真也のハートフル・ブログ』等の記事を加筆・訂正。』
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「死」に関するブックガイド。これは他にない本でしょうね。
いくつか読んである本もありましたが、柔らかいものも硬めのものも
前半は特に、読む価値ありと思える本ばかりならんでいました。
文中にあった「生と死」を「キッチンとトイレ」に例えた部分。
上手い事いうな~と感心しました。 -
素晴らしい本でした!
「死」に関する本が50冊紹介され、
本のおすすめの言葉を読むだけで
心が静まり、深いところへしんしんと
しみていくようでした。
私事ですが、昨年母が急逝し、
最初の一ヶ月間は
ただ呆然としていました。
世の中にはこんなに
悲しくつらいことが
あるのかと思い、
誰もが身近な人の死を乗り越えて、
それでも笑って生きているのだと
思い至りました。
葬儀の際には、
丁寧に検死してくださった警察の方や、
葬儀屋さんやお寺さんに、深く感謝の
念を持ちました。
そんなわけで、
この本には、腑に落ちる所が
たくさんありました。
また、今年の夏は、
「新盆」の儀式を、
いろんな方に教えていただきながら、
なんとか執り行ったのですが、
いろいろな準備をすることで私のほうも
心が整っていったのか、
ちょうどお盆の真ん中の晩に、
「亡くなった母と、確かに
つながった」と
感じられたひとときがありました。
それはとても自然な流れで、
私は嬉しくて嬉しくて、
涙がポロポロこぼれました。
たくさん話しかけて
とても心癒されました。
私は霊感もありませんし、
「あの世」や
「スピリチュアル」の話も、そのまま
信じているわけではありません。
でも、そういったこととは全く別に、
日本に古来から伝わる行事や儀式は
奥深いなと、あらためて思ったものです。
頭で考えるより、
もっと自然で当たり前に、
亡くなった両親やご先祖さまとは
つながっているようです。
ちなみに、
この本のおすすめ本の中で
一番まっすぐに響いてきたのは、
椎名誠さんの本
『ぼくがいま、死について思うこと』の中で、
椎名さんご本人が
「じいじいも死ぬの?」
と聞かれて、お孫さんに語った
一言でした。
生きて命を継いでゆく者へ、
こんなにも愛しく、優しい言葉が
あるだろうかと思いました。
良い本を紹介してくださって
ありがとうございました!
まだ読んでいない本を読むのも
楽しみです。
私も生きている者としての務めを
楽しく果たして生きて行きたい、
そんな気持ちになれました。