「日本」を超える日本サッカーへ (コスモブックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774706955

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  • 最近では優勝しないサッカーアジアカップも珍しくなったが、その珍しく3位に終わった2007年のアジアカップの記録。

    形式は、試合ごとにその時の現地の様子を含めて書いてあるが、西部さんらしく戦術論の話も入れてある。個人的に印象に残ったのは下記のところ。

    ・キャプテンに似合う人間(年齢、経験、ポジション、パーソナリティ)があるというところ。ベッケンバウアーや技術はないデシャンは生まれながらのキャプテンだったが、日本人は少ない。

    ・オシムの4バックはラインよりも人よりだったこと。特にラインで守るだけではなく、一人余ることで対応ができる。韓国戦、阿部がついていけなかったのはある意味必然だが、これはメリット・デメリットがあるので一概にいえない。トルシエはライン型、ジーコは人より。当時、欧州でもサッキのラインの後、DFラインを下げて、人よりになっていた。

    ・日本人の日本化サッカーはすでに明確になっている。一言で言えば、テクニカルなパスサッカーで、人対人ではなく、つなぐことに懸命になるが、これを明確にすればするほど、デメリットも強くなる。

    ・地頭のよいオシムは、質問を先回りし、メリット・デメリットを考えて答えてしまう。その意味では、言葉が難解に聞こえてしまう。

    時間がたっているので、忘れていることも多いですが、オシム監督を再評価できたという意味では良い本でした。

  • 相当強引に名匠というか名将を引っ張り出して取り組んだアジアカップ。そのレヴューも今となってはノスタルジックな感じ。僕自身、過去に「たら」と「れば」は禁物とはわかっているもののオシム前監督の率いる今の姿を見てみたかったなぁと思う今日この頃。確かに今の代表に南アの舞台に立てているかどうかの期待は日々薄くなってはいるけれども。トークイベントに参加するのがきっかけで軽く読みました。

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著者プロフィール

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。06年の『footballista』創刊時から「戦術リストランテ」を連載中で、同誌が主催する各種サッカーイベントにも多数出演している。趣味もサッカーで、東京都シニアリーグで現役続行中。主な著書に『サッカー戦術クロニクル』シリーズ、『スローフット』、『1974フットボールオデッセイ』(双葉社)、『戦術リストランテ』シリーズ(小社刊)など。

「2020年 『戦術リストランテⅥ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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