バルナ・クロニカ リプレイ 真王姫の叙事詩 プリンツェザ・サーガ I (Role&Roll Books)

著者 :
  • 新紀元社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775309094

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  • ゲームの雰囲気は美しく、普通の「村人」、地に足のついたファンタジー世界の住人として物語(キャラ設定)を始めるところがとてもよかった。

    が、リプレイとしては面白くなかった。
    同じ著者さんの「ソングシーカー」は大好きだったのだが、こちらはなぜだか文章的にもノれなかった。
    一番の原因は、チュチュ役プレイヤーさんの印象の悪さだろう。
    「だって私のキャラクターはこういう子だから曲げられない」というプレイヤーの気持ちはわかる。
    「弱かったり問題児なキャラがいざ頑張ると感動する」というGMの意図があるならそれもわかる。
    しかし、このプレイヤーさんからは、「なにか理由を見つけて自分のキャラが自然に協力できるように工夫しよう」とか、「協調しよう」といった意志が非常に感じにくかったのだ。
    言動を拾ってみても、

    ・シナリオ終了後、キャラクター間の絆が強まると有利になるルールの成長チェック時「私、誰にも友情なんて感じてないからねぇ」「苦しい戦闘を一緒に切り抜けた? そのときのことをキャラは忘れてるもん」(※忘れたのはプレイヤーが突然つけた設定)
    ・プレイ中、勝手に判定をする
    ・今まで何度も襲ってきてる化け物の同類が襲ってきたのに対して「私、敵を攻撃するのにためらうかも……」(←高レベル〈弓〉技能持ち。一体どうやって鍛えたんだ。ちなみにその前には意味もなくカラスも撃っているし、「怖いから」という理由で意味もなく弓を構えもしている)
    ・ピンチ時に一発逆転のきっかけになる魔法を使うが、その魔法を持っていたことを誰にも言っておらず、「ただの村人が急に魔法を使えるようになるのはおかしいので今まで使わなかった」(←あやうく全滅の危機)
    ・2話目の絆成長チェック時「仕方ない」と言って絆を上げる
    ・お菓子をとってくれた人に対して「なによ、私がピンクなんか選ぶと思うの?」(←これはリプレイに載せる意味が分からないという意味でも引っかかった)

    ひとつのロールプレイとしてなら面白いのかもしれないし、プレイヤーとして呼んでいるからにはGMさんは好きな人なんだろう。が、見ていて「楽しそう」と感じられるプレイングではなかった。正直、1話終了時で投げようかと思った。しばらく寝かせた後にがんばって読み進めても印象は変わらなかった。
    初心者が間違えて、「あ、こういうふうにやるんですね!」と色々覚えていくのなら何も問題ないが、「わかっているのにやるタイプの人」だというのも作中で明言されていたし、全く反省の様子もないのでなおさら引っかかる。
    そういうことがわかるようにリプレイに明記しているGMもどうかと思った。

    もちろん、そういうプレイを歓迎する場があるなら、それ自体は全く否定しない。プレイスタイルは様々で、結局は好みの問題だからだ。
    だが、私としては、「読んでいてゲーム外のプレイヤーのせいで嫌な気分になる」、というのは、「リプレイというお金を払って読む読み物」としては擁護できない。
    私は大体のリプレイは面白く読むし、続刊が出なくて悲しい思いをすることもままあるのだが、これは打ち切り納得の出来だった。
    ……ほかのプレイヤーさんたちの続きは見てみたかったなあ。

    最初にも言ったが、システムは美しかったし、ほかのプレイヤーさんのプレイングは面白い部分もあったので☆2。

  •  TRPGバルナ・クロニカのリプレイ。プレイヤーの「詳しい」紹介がある時点で不安だったが、その不安が的中してしまった。キャラクターの描写ではなくプレイヤーの描写が多くキャラクターではなくプレイヤーが全面に出てきてしまっていた。
     リプレイから入る人も多いことから、普通はシステムや世界観、サプリメントの紹介も兼ねていることが多いのだが、それらを知っていることを前提に構成されており不親切だった。特に問題だと思うのは種族の説明がないこと。そのせいで種族の特性を活かした行動なのか、単なるプレイヤーのわがままなのかが分からないシーンも多かった。
     このリプレイは読んでもプレイヤーばっかり見えてきて世界が見えてこなかった。残念ながらこれを読んでバルナ・クロニカで遊んでみようという気にはなれなかった。

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