死体埋め部の悔恨と青春 (ポルタ文庫)

著者 :
  • 新紀元社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775317525

作品紹介・あらすじ

死体の処理、引き受けます。
秘密裏に“案件”を請け負う先輩と
巻き込まれ型の後輩が奇妙な死体の謎に挑む。

 英知大学に入学したばかりの祝部は、飲み会の帰りに暴漢に襲われた末、誤って相手を殺してしまう。途方に暮れた祝部を救ってくれたのは、同じ大学の先輩だという織賀だった。しかし死体の始末を申し出てくれた織賀の車には、すでに別の死体が乗っており、祝部は秘密裏に死体の処理を請け負っている織賀の手伝いをする羽目に。そのうえ、織賀が運ぶ“奇妙な死体”がなぜそんな風に死んだのか、織賀を相手に推理を披露させられることになるのだが…。
 繰り返される『死体遺棄』の末に祝部と織賀を待ち受けるものはいったい何か――。気鋭の作家が描く、異色の青春ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 斜線堂作品、倫理感もへったくりもなし。決してあってはならないタブー。主人公・祝部は英知大学に入学したその日に織賀に助けられる。正当防衛でうっかり殺してしまった相手の死体を、織賀の手で穴に埋めてもらう。織賀(先輩)と祝部(後輩)は依頼人から金を受け取り、死体の処理を請け負う死体埋め部だった。表向きは生物研究会だが、実際にやっているのは生と対極にある活動でえある。4章のうち3章は何故遺体が殺されるに至ったか?のミステリー&解決編。4章は額賀と祝部の対決、よく分からなかったが全体的にインパクトありすぎでした。⑤

    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、
      こんばんは(^^♪
      ポアロはあと3冊ですよ。月1で読んでいるのでまだ3か月間続きますよ。
      そのあとはアガサクリステ...
      アールグレイさん、
      こんばんは(^^♪
      ポアロはあと3冊ですよ。月1で読んでいるのでまだ3か月間続きますよ。
      そのあとはアガサクリスティーの別シリーズを読みます。
      で、最近、斜線堂有紀に嵌まっています。ご存じの作家さんかな?
      インパクトがあって、大好きな作家さんで~す。
      ラノベを超越していますよ。
      2023/06/24
    • アールグレイさん
      斜線堂有紀さん、お名前だけは聞いていますが、今のところ他に読もうとしている本が、行列を作っています!
      今は、以前ブクログでプレゼント本になっ...
      斜線堂有紀さん、お名前だけは聞いていますが、今のところ他に読もうとしている本が、行列を作っています!
      今は、以前ブクログでプレゼント本になった「若葉荘の暮らし」という本が終わったところ。次の本は図書館本なのですが、これが煉瓦本なのです!
      Oh NO!!
      2023/06/24
    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、
      ブクログでプレゼント本になった「若葉荘の暮らし」おおおー、当たったのかな?
      斜線堂有紀作品、コンプリート狙っています...
      アールグレイさん、
      ブクログでプレゼント本になった「若葉荘の暮らし」おおおー、当たったのかな?
      斜線堂有紀作品、コンプリート狙っています。
      レンガ本!京極さんかな?
      楽しんでね(^^♪
      2023/06/25
  • 2023/05/28読了
    #斜線堂有紀作品

    青春死体埋めミステリー。
    暴漢を誤って殺した祝部が
    死体の始末を請け負った織賀と
    死体埋め部を結成。
    様々な死体の死因を推理する。
    ちょっとぶっ飛びすぎてウーン。

  •  歴史・神話・西洋ファンタジー・クトゥルフ・TRPG、それにミリタリーといった分野で、図解でわかるシリーズや、ボリューミーな辞典あるいは事典もの、古代や中世の武器や兵器の図鑑などの書籍を主戦場としている印象が強い出版社・新紀元社。しかし、気づけばWeb小説の書籍化レーベル「モーニングスターブックス」は順調に書店の棚の幅を広げ、昨年には日本初の幻想文学専門誌「幻想と怪奇」が45年ぶりに復活して継続中。さらにあの『三体』の翻訳監修を務めた立原透耶による中国SFアンソロジー『時のきざはし 現代中華SF傑作選』の刊行は大きな話題となり、今年は『夢遊病者と消えた霊能者の奇妙な事件』(リサ・タトル)が発売と、ライトのみならずSFや海外翻訳も含めた、小説作品の展開に力を入れている感が見受けられます。
     そんな新紀元社による新レーベル「ポルタ文庫」。その創刊ラインナップの中の一冊が、斜線堂有紀(しゃせんどう・ゆうき)著『死体埋め部の悔恨と青春』です。

     大学進学のため、東北から上京してきた祝部浩也(はふりべ・ひろや)。その登校初日、飲み会の帰り道の公園でナイフを持った見知らぬ男に襲われ、抵抗した末に意図せずその男を死なせてしまう。呆然としているところに、茶髪で赤いジャージの男・織賀善一(おりが・ぜんいち)が現れ「助けてやろうか?」と声をかけられる。死体を持ち上げ、車に運び込む織賀に促され、頭がついていかないまま乗り込んだ後部座席には、すでにもうひとつ別の、なぜか左手の指がすべて折られた女性の死体が座らされていた。聞けば織賀は、祝部の入学した大学の先輩にあたり、以前からビジネスとして依頼を受けては死体を遺棄する『死体埋め部』なるものの部長(そしてたったひとりの部員)なのだという。突然の事態と罪悪感、混乱するモラルの感覚の中で葛藤する祝部に、織賀は目的の山に着くまでの時間、なぜ死体の指が折られているのか、推理合戦をしないかと持ちかけてくるのだった。

     ――「承認しよう、それが今回の正答だ」

     はやみねかおるを原体験と語り、佐藤友哉作品がきっかけで作家を志したという経緯や、さらに『斜め屋敷の犯罪』(島田荘司)にあやかってペンネームをつけたとの言などから、新本格を中心としたミステリ・ムーブメント作品群のミーム(=文化的遺伝子)を強く受け継いでいる自覚を持った作家であることがうかがえる著者。
     一方で、その作風はどことなく“破滅の予感”のような空気をまとったものが少なくない印象で、本作でややいびつなバディを成す祝部と織賀のふたりもまた、ぐらりぐらりと少しずつ足場が揺らいでいくような不安感を伴って、その関係が深まっていくさまが綴られます。そして、じわじわと祝部とともに読者が気付かされていくある事実と、待ち受ける結末――。
    「遺棄する死体がなぜ、どのように死んだのかを推理する」という異色にしてショッキングな謎解きフォーマットが見どころの、苦味強めでツイストの効いた青春ミステリです。

  • とても読みやすい、のに内容は重いというか狂気。
    あー狂ってる、そして地獄…
    なのに2人の関係に惹かれて読んでしまう
    歪んだ関係がもう!そして織賀先輩に惹かれてしまう…

    読んだことのないミステリで一気読みでした
    最後の話を読んだら、あ!続き読もう!となりました

  • 本紹介で書かれているような内容そのままで進みました。こんな書き出しで、途中で読み飽きるかと思いましたが、二人がどう決着するのか気になって一気に読んでしまいました。うん、なるほど。最後に謎解きして、ミステリーの形を取っているところとか、読ませる手法があるから最後まで引っ張られるんですね。終わり方もさほど嫌じゃなかったです。この本、中学生に紹介したら食いつきそう。
    カレイドミステリーもこれも、きっと上智大学がモデルなんですね。賢い登場人物が出てくる話は好きです。

  • 織賀の性格が軽い感じなので、サクッと面白く読めるんだけど主人公の名前、祝部に何度もなんて読むんだっけと躓いてしまった。

  • 自分がたった一人であるように、相手をたった一人と思いたい。そんな祈り。
    知り得るのもまた幻想で、ただ知ろうとする意思だけがある。
    己が生の縁、そのたわいなさと、直視する恐ろしさが迫る物語。

    出自も生きるも死ぬも、出会うも出会わないも、土台は決められぬ、どう転がるか分からぬ、サイコロの平等。
    俺もお前も、例えば時代も国も、あらゆるものに通ずる。
    ここにいる事は選べず、それでも人はただ己で承認する。許すか、許せるか、倫理も感情も一絡げに。埋めて踏みしめ道をゆく。

    作者らしい、インパクトのある設定に、ざっくりしているがするりと溶け込むミステリーと台詞回しが絡み合い、止められない、そんな印象の一冊です。
    趣味です!な感じもまた楽し。

  • どこか欠けた織賀先輩ととにかく不遇?不運?な祝部の死体埋め部。
    埋めるよう依頼された死体の死因を考察する新しいミステリ。面白かった。
    最後の終わり方に、期待してしまう自分がいる。笑

  • 死体を埋めに行く途中の車内で、なぜこの遺体はこんなことになってしまったのかを推理する青春ミステリ。

    とはいえ、謎解き部分も面白くないわけではないけど、それよりかは織賀と祝部の関係性を楽しむ話かと。

    『あんたの所為で、人生滅茶苦茶ですよ』
    という関係性が好きな人はハマりそう。

    途中まではサラサラっと読んでしまったけど、第四話とラストはすごく好みだった。
    設定が設定なだけに幸せな結末にはならないだろうとは思ったけど…これは…最後どうなんだろう。
    続編もあるようなので、今度読んでみよう。

  • 突飛な設定が気になり手を出しました。比喩かと思ったらちゃんと死体を埋めててワオ…ってなりました。死体の謎を解くミステリがおもしろかったです。解いたところでどうにもならない理不尽さと暴力性。そして祝部と織賀のふたりとも、互いの唯一でありたかったんだなと思って切なくなりましたね。互いに唯一だったけど唯一にするわけにはいかなかった。この後のふたりの関係がどう変わるのか変わらないのか楽しみです。

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著者プロフィール

2016年、『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。楽園とは探偵の不在なり』『恋に至る病』『コールミー・バイ・ノーネーム』ほか著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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