幻想と怪奇 傑作選

制作 : 牧原 勝志(合同会社パン・トラダクティア) 
  • 新紀元社
3.50
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本棚登録 : 97
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775317600

作品紹介・あらすじ

1973年4月、雑誌〈幻想と怪奇〉創刊。当時からすでに幻想文学紹介の先頭に立っていた紀田順一郎・荒俣宏による、文字どおりの「我国最初の幻想怪奇文学研究誌」だった。翌74年10月号の休刊まで12号を発行、1年6ヶ月という短い期間ではあったが、名のみ知られた数々の名作を掲載し、後の幻想文学出版の礎石となった。休刊から45年。ここに〈幻想と怪奇〉掲載作および、評論、コラム、書評を厳選し復刻。寄稿者による書き下ろしエッセイと、〈幻想と怪奇〉の前身と言うべき幻の同人 誌〈THE HORROR〉全4号を収録した、幻想文学愛好者必携の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 日本最初の幻想怪奇文学研究誌「幻想と怪奇」の掲載作品を
    厳選し復刻。更にその前身の「THE HORROR」を収録している。
    序文、小説12作品、評論4編、FANTASTIC GALLERY2編、コラム2編、
    ホラー・スクリーン散歩2編、寄稿者エッセイ3編、
    幻想文学レヴュー6編(not exactly editor全編集後記、
    「幻想と怪奇」総目次を含む)。
    【特別収録】「THE HORROR」全巻復刻。
    1973年4月創刊~1974年10月休刊の12号だけの発行でしたが
    紀田順一郎と荒俣宏による編集という、濃い内容の雑誌でした。
    その休刊から45年が経ち、この度、目出たく傑作選が登場!
    思い起こせば「季刊・幻想文学」の創刊号、荒俣宏インタビューの
    中に「幻想と怪奇」の話を読んだのが興味の始まりで、
    古書店を巡り入手した全巻は、今も貴重な蔵書となっています。
    傑作選では小説は、アンソロジー等の書籍未収録の作品を掲載。
    序文や寄稿エッセイには、当時の大いなる想いと苦労がたっぷり。
    特に前身なる「THE HORROR」全4巻は、平井呈一の監修、
    日本初の怪奇幻想小説の同人誌で、マニアックな香りが濃密。
    デ・ラ・メアやハートリイの作品が秀逸でした。

  • '73年4月~'74年10月まで計12冊が刊行された伝説の雑誌『幻想と怪奇』の傑作選。
    今年2月に新紀元社から新創刊となった同名誌のパイロット版というか、Vol.0的な意味合いもあったんだろう。折しも昨年8月には平井呈一の怪談翻訳集成「幽霊島」が創元推理文庫から刊行されていたが、その流れも何らかのかかわりがあったんだろうなと。
    当時の誌面で邦訳が紹介され、後に書籍に収録された作品は数多いが、今回の傑作選は未収録のものが選ばれたとのこと。

    今回収録された作品は、自分の酷く偏った好みからするとどうも今一つ。むしろ特別収録された同人誌「THE HORROR」の方が面白かったのも正直なところで。

    詳しくはこちらに
    https://rene-tennis.blog.ss-blog.jp/2020-07-01

  • 雑誌「幻想と怪奇」の傑作選。短編小説あり評論ありギャラリーもあり。良い意味で古さを感じる作品の数々にじっくり浸って読める一冊です。
    お気に入りはW・デ・ラ・メア「運命」。さくっと短くあっさりしている物語だけれど。だからこそ怖いし嫌だと感じました。
    ホラー好きとしては、「THE HORROR」全巻復刻の企画のほうが好みかも。こっちに収録されている作品のほうがあからさまにホラーでした。こっちでもデ・ラ・メアの「なぞ」がすごく好き。ファンタジックで不気味なのだけれど、どこかしら優し気な雰囲気もあります。まさしく謎めいた物語。

  • 『幻想と怪奇』
    チリ紙交換に出されてしまった哀しき記憶リストの一隅さ…(T_T)

  • 伝説の専門誌『幻想と怪奇』から、収録作を精選したアンソロジーが刊行。いっそのこと全部復刊してくれればいいのに……と思わなくもないが、流石にそれは無理があるかw 但しこれが売れれば、第2巻も……と、夢見るぐらいは許されるだろうw

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著者プロフィール

評論家・作家。書誌学、メディア論を専門とし、評論活動を行うほか、創作も手がける。
主な著書に『紀田順一郎著作集』全八巻(三一書房)、『日記の虚実』(筑摩書房)、『古本屋探偵の事件簿』(創元推理文庫)、『蔵書一代』(松籟社)など。荒俣宏と雑誌「幻想と怪奇」(三崎書房/歳月社)を創刊、のち叢書「世界幻想文学大系」(国書刊行会)を共同編纂した。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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