魔の森の乙女と美貌の子爵 (エバープリンセス)

著者 :
  • オークラ出版
3.60
  • (2)
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 10
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775524039

作品紹介・あらすじ

人々から魔の森と恐れられる場所に、エリスは独りきりで暮らしている。今は亡き父親に、森を出てはいけない、誰にもかかわってはいけないと、幼い頃から言われてきたせいだ。訪れる者もいない森の中、ある日、一人の青年が倒れていた。絵本に出てくる王子を思わせる-ずっと眺めていたいくらいに美しい青年だ。エリスは禁忌を破ってその青年を家に連れ帰るが…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 魔の森でずっと暮らしていて、人との関わり合いを極力断っていたエリスは健気でかわいく思ったのですが、ヒーローのイザークに全く好感を覚えませんでした。

    登場はまだいいのですが、イザークが思い込みでエリスが名前を偽ったことを全く信じず、自分の求婚相手だと思い込み、ああしてエリスがイザークと別れたあともエリスが求婚相手だと思っていたあたりでは、呆れてしまいました。その後、エリスが王の娘だと分かり、教育係になったあとの態度もいただけませんでした。

    あと、最初エリスがイザークに名前を告げず、名前を教えてってことで偽名を伝えたって下りになるのですが、それはP55。なのにP42で、すでにイザークが「エリス」と言ってます。知らないはずなのに・・・。
    そこでまずえっ?てなっちゃいました。

  • 魔物が住むと人々から恐れられる森にひとり暮らしているヒロイン・エリスが、森の中で倒れていたイケメン子爵イザークを助けたことから展開していくラブストーリーです。

    父と祖母の言いつけから、人と関わって相手も自分も不幸にしてしまうことを避けるべく、誰も近づけることなく森の中でひっそりと暮らしていたエリス。
    これ以上親密にならないように、愛しているの言葉さえ伝えられないエリスの葛藤は、読んでいるこちらも苦しくなります。
    自分の中の自分と対話しながら思い悩むヒロインは健気で、切ない気持ちにさせられました。
    子爵イザークは奇跡のように整った顔立ちであるうえに、爵位持ちというキラキラとした人です。
    エリスへ向けられるまっすぐな愛情が熱く、年上なのにどこか少年を思わせるような言動も素敵。
    エリスもイザークも思い込みで行動しがちで、それがお話を掻き回し、どきどきしながら読み進めました。

    ヒロインがひっそりと魔の森に住むようになったことの秘密が、このお話の要です。
    次から次へと新事実が明らかになるとともに、エリスとイザークの関係が変わっていくのが面白い。
    最後まで、次の展開はどうなるのかとわくわくしながら読める作品です。

  • お伽話みたいにきれいな雰囲気の物語。
    森の中に一人で住むヒロインは、タイトルでは「乙女」、作中では「森の魔女」と言われるシーンもありますが、あまりの健気さと清らかさ、そして何より序盤のイザークとの二人きりの生活シーンで、私の中では妖精のような印象です。
    「愛するものができても愛していると言ってはいけない、愛する人を不幸にしてしまうから」という父の教えを守って、イザークから愛を乞われても答えることができず、自分の名前すら偽っているエリス。
    この戒めの正体は後々明かされるのですが…
    イザークのちょっと強引な感じもよかったです。後半は、エリスの態度にイザーク自身も傷ついてしまっているので、ちょっと意地悪。でもその二人のすれ違いというか…想いが少しずつずれているところが切なくもどかしく、楽しいお話でした。

全4件中 1 - 4件を表示

春野リラの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×