- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784775524039
作品紹介・あらすじ
人々から魔の森と恐れられる場所に、エリスは独りきりで暮らしている。今は亡き父親に、森を出てはいけない、誰にもかかわってはいけないと、幼い頃から言われてきたせいだ。訪れる者もいない森の中、ある日、一人の青年が倒れていた。絵本に出てくる王子を思わせる-ずっと眺めていたいくらいに美しい青年だ。エリスは禁忌を破ってその青年を家に連れ帰るが…。
感想・レビュー・書評
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魔物が住むと人々から恐れられる森にひとり暮らしているヒロイン・エリスが、森の中で倒れていたイケメン子爵イザークを助けたことから展開していくラブストーリーです。
父と祖母の言いつけから、人と関わって相手も自分も不幸にしてしまうことを避けるべく、誰も近づけることなく森の中でひっそりと暮らしていたエリス。
これ以上親密にならないように、愛しているの言葉さえ伝えられないエリスの葛藤は、読んでいるこちらも苦しくなります。
自分の中の自分と対話しながら思い悩むヒロインは健気で、切ない気持ちにさせられました。
子爵イザークは奇跡のように整った顔立ちであるうえに、爵位持ちというキラキラとした人です。
エリスへ向けられるまっすぐな愛情が熱く、年上なのにどこか少年を思わせるような言動も素敵。
エリスもイザークも思い込みで行動しがちで、それがお話を掻き回し、どきどきしながら読み進めました。
ヒロインがひっそりと魔の森に住むようになったことの秘密が、このお話の要です。
次から次へと新事実が明らかになるとともに、エリスとイザークの関係が変わっていくのが面白い。
最後まで、次の展開はどうなるのかとわくわくしながら読める作品です。