- Amazon.co.jp ・本 (633ページ)
- / ISBN・EAN: 9784775526569
感想・レビュー・書評
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「銀河鉄道の夜」を読むのを諦めて
(短編数話で挫折)
手を出してしまった「ウィル・トレント」シリーズ第二作
高圧的な上司に加え、別件の捜査
の影響でウィルを敵視している
パートナー
「フェイス」まで加わりピリピリムードのなか捜査を進めます。
ウィルは難読症のため、様々なことを識別するのに時間がかかる。
仕事は音声認識ソフトやスペルチェッカーを使って補っている。
全然本筋とは違うが、こうやってハンデを努力と工夫で補っているトコ
なんか、下手な自己啓発本読むより良いんじゃないかと思ってしまう。
「改めて携帯電話の操作を覚えるのに、時間がかかりすぎる」のでかけた破片がポロポロ落ちるボロボロになってになった携帯を使い続けてるのとか涙ぐましい…
今回の事件も、重たい。
「事件の解決」とは何なのか?
そんなもの無いように思えてしまう。
タイトルが重たく響く。
リンカーン・ライムシリーズの様に
「探偵対犯人」と言う構図ではなくて
「被害者、加害者、観察者(探偵ではなく捜査官ではあるが、捜査をするだけで解決はできない)」と言う違いがある。
前者は、被害者についても「証拠品」と同じくらい深く掘り下げない。
前回と変わったのは、フェイスと言うパートナーが出来たことで捜査の展開が多少は(前回より)進みやすくなったこと、
また今後ウィルが見落とす点を補ってくれることになる(と思う)
血の気の多い女性が多く登場するが、
(皆、近くにいたら嫌なくらい濃い)
ここに次の三作目から著者の別シリーズ「グラント郡」のサラが加わると、もうウィルに逃げ場はない。
楽しみである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ウィル・トレントシリーズ2作目。
1作目よりは残酷さと「痛そうさ」がずっと抑えられててよかった。これくらいなら耐えられる…。
事件の細かい部分の真相とか、ちょっとあいまいに終わったような気もしなくもないけど。
ただ事件を追って謎を解くだけじゃなくて、いろいろな要素があるところがとてもいい。子供を想う母親の心情とか、男社会で働く女の立場とか、若者の心の危うさとか、いろいろ。
このシリーズ、主人公の捜査官ウィル・トレントが、幼少期にひどい虐待を受け、児童施設で育った過去を持つのが特徴で、ウィルはその過去の影響を濃く受けながら、しかも識字障害がありながらも、どうにかこうにか捜査官としてやっているのでいいほうだけど、ほかに社会的弱者の人たちが、ひどい境遇にあっても、助けられるどころか気づいてももらえない、ということに胸がつぶれるような思いがする。
彼らの孤独ときたら……。
困っていても助けを求められない人もいる。助けを求めて、逆に利用されてしまう人もいる。自分だったら助けを得られるかどうか、って考えてしまった…。 -
印象変わったから3作目に戻らないと。
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ウィルトレントシリーズの第2弾。絶版で、かつ電子書籍にもなく、なかなか入手できず、ちょっと順番が前後しましたが、ようやく読むことができました!読みやすくて面白くて、良かったです^ - ^ そしてこの巻は、一緒に捜査するフェイスミッチェルとの出会いの作品でもあります。というか、それに尽きる気がしました。もちろんミステリーも面白いのですが。インパクトの問題ですかね。このシリーズ、どんどん読みたいです!
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<ウィル・トレント>シリーズ第二作目。サスペンス調の一作目と打って変わり、今作は王道の王道を征く警察小説だ。前作では鳴りを潜めていたウィルの有能さが随所で発揮され、相棒・フェイスを得たことにより、今一つ掴み切れなかった彼の人物造詣もより立体的となった。直接的なバイオレンスが売りの作家というイメージ先行を良い意味で裏切る犯人像だったし、社会的マイノリティを取り巻く環境に対する問題提起も含め、完成度の高いエンタメ作品だと思う。終盤は流石に失速感が否めなかったが、海外作品らしくない律義さや丁寧さに好感が持てた。
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母親が帰宅したとき最愛の娘は血にまみれナイフを持ってたたずむ男がいた。とにかく冒頭からしばらくがとても印象的できっとずっと忘れられない。後半はやや失速するけど、文句なしに面白かった。ポールの存在もイライラさせてきて良い。ラストシーンも好き。終盤にハッピーともバッドとも言えない独特の表現をつかいまくるカリンスローターすごい。知って読めてよかった。スローターを知ったのはゲームクリエーター小島秀夫さんのツイートを見たからです。小島秀夫さんの好きな作品(映画も本も)ハズレないから信頼できる。
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ウィル・トレントシリーズの2作目は、主人公の境遇やこれまでの環境を理解していたため、スムーズに読み進めることができました。
前回よりも残酷な描写が減った一方で、ディスレクシアや被害者のその後について考えさせられる場面が多かったです。