赤いダイヤ(下) (ウィザードノベルズ)

  • パンローリング
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  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775920022

感想・レビュー・書評

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  • ずいぶん昔の話だが、ぐいぐい引き込まれて一気読み。
    相場師となって一旗あげてみたくなる一冊であるとともに、赤いダイヤの怖さが伝わってくる一冊。

  •  松崎辰治の卑劣な手段によって一敗地にまみれた相場師・森玄一郎。その彼が主人公の木塚慶太やヒロインの井戸美子を巻き込んでのすさまじい仕手戦に再度臨んでいきます。相場小説・経済小説の金字塔。完結編です。

     空荷証券と現物の横流しという卑劣な手段によって敗退し、1億円もの借金を抱えた元大陸浪人の相場師・森玄一郎。商売の失敗から一度は自殺を考えたが、ひょんなことから森玄一郎と出会い、再起を果たした主人公の木塚慶太。高利貸しのジョージ・高瀬。怪しさあふれるヒロインの井戸美子。そして、この物語の敵役である松崎辰治。

    そのほかにも魅力あふれる人物たちでつづられる相場小説の金字塔。その完結編です。登場人物の魅力もさることながら、最後まで息をつかせぬ展開で一気に読み終えてしまいました。特に、井戸美子が木塚慶太の調達した1万俵の小豆を強奪しようとたくらんだが、船が沈没し、それでも木塚慶太は保険をかけていたので、

    痛くも痒くもないというところや、今まで森玄一郎の資金面を担ってきた宝井物産が手を引いた後に森玄一郎の先輩格で、押田義男という政界の黒幕的な存在を味方につけて、壮絶な仕手戦を展開するくだりには、もともと以前、僕はこの世界に身をおいていたことがあるので、手に汗握る迫力でした。

    「私は株で××円儲けた」

    というような本を100冊読むくらいなら、これを10回読み直したほうがいい。僕はこれを自信を持っていえると思います。

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著者プロフィール

梶山 季之(かじやま・としゆき):1930-1975年。小説家、ジャーナリスト。現在のソウルに生まれる。広島高等師範学校(現・広島大学)卒業。53年上京、国語教師、喫茶店経営などを経ながら、「新思潮」の同人となり作品を発表。58年より「週刊明星」のトップ記事を担当。59年「週刊文春」の創刊に参画。71年月刊「噂」を創刊。作家としては62年「黒の試走車」を発表後、話題作を続々刊行する。75年取材先の香港で客死。産業スパイ小説、経済小説、時代小説、風俗小説など数多くの著作を発表した。ちくま文庫では『せどり男爵数奇譚』がロングセラーになっている。

「2024年 『犯罪日誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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