見切り千両 (ウィザードノベルズ 4)

  • パンローリング (2005年2月5日発売)
3.00
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 17
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784775920046

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『見切り千両』。相場格言のなかでも屈指の名言とされるこの言葉ですが、この小説は主人公、丸井辰彦が自分の全てを奪った人間に対する復讐相場小説です。ただ、それだけに収まらぬ、スケールの大きさを感じました。

    この本も結構面白かったです。内容はというと、相場を舞台にした復讐小説なんですが、幼いころに相場師として名をはせた父親が急死して、身を寄せた叔父や祖父までもが古垣金之助という男に破産させられて自殺の憂き目に遭うというところからこの小説は始まっています。すべてを失った主人公の丸井辰彦が旧制中学時代に合百(株のノミ屋)の必勝法を編み出し、そこで稼いだ金をを更に相場にぶち込んで巨額の財産を作る姿。

    そして、古垣金之助に淫猥なことを強要された果てに自殺に追い込まれる叔父の子供の姉と弟。それを知った丸井辰彦が彼に対して行った復讐の手段が読んでいて
    『なるほどねぇ。こういうやり方もあるんだなぁ』
    と思わずにはいられませんでした。そして、この作品の全編を貫く『見切り千両』という相場格言にのっとった行動哲学が胸のすく読後感を僕に残してくれました。

    昔の相場がどういうものかを知りたい方はぜひ読んでいただきたいのですが、純粋に読み物としても楽しめるはずですよ。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

梶山季之:かじやま としゆき
1930年1月2日 - 1975年5月11日
多くの商業雑誌に記事を執筆し、週刊誌創設ブーム期にはトップ屋として活躍。
その後『黒の試走車(テストカー)』『赤いダイヤ』などの小説でベストセラー作家になる。
活躍分野は、産業小説・経済小説・推理小説、時代小説、風俗小説、社会小説、痛快小説、SF小説、時代小説、実録小説、少年少女向けの冒険小説等とあらゆる分野に作品を残した多才・多作の作家。
まさに波乱万丈、破天荒、文字通りの無頼派作家。

「2025年 『実力経営者伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梶山季之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×