- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784775970621
感想・レビュー・書評
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マイケル・ルイスのデビュー作にして出世作は、自分自身の投資銀行ソロモン・ブラザーズでの3年間に、同社モーゲージ債部門の興亡史をからめたもの。ネタがいいし、それを料理する腕前もさすが。すでにスタイルができあがっている。
『世紀の空売り』も楽しく読んだが、著者は短い間とはいえまさに業界の中の人だったわけで、ウォール街を描かせたらうまいわけである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
見出しに書かれている言葉にビビビと来て読んでみた。それは、「投資銀行(証券会社)は巨大な幼稚園!ウォール街は今日も、非常識・無節操だった!」だ。1980年代のソロモンブラザーズという会社に在籍していた著者が織りなすドタバタ劇。今はどうかはわからないが、ニュースで出てくる金融の話題は、リーマンブラザーズのようにクレージーなことが目立つ。あの業界の本質は、そんなに変わっていない証拠か。
著者のマイケル・ルイスは、あの「マネー・ボール」をはじめとする著書で話題になっている。ロンドン大学で経済学の修士号を取る前に、美術史をプリンストン大学で学んでいたという経歴の持ち主。美術史という金のにおいがしない学問を先行していただけに、ウォール街に完全に染まることなく第3者、文化人類学者がフィールドワークをしているがごとく筆を進めている。
登場する人物の一人一人には個性が際立っていて面白い。一癖も二癖もある人々に囲まれて生活していた著者が見た投資銀行の世界を垣間見ることが出来て面白い。
日本人に関する記述もある。研修生に関する記述で、前列に座って居眠りをする。その他にも記述はいくつかあったが、印象に残ったのは、著者曰く「日本人研修生は結局、得体の知れない不気味な存在という以上のものではなかった」と述べていたことだ。この点は、今も変わっていないような気がするが気のせいだと思いたい。 -
ソロモンでセールストレーダーとして3年勤めた著者マイケル・ルイス自身による投資銀行白書.著者が新卒として入行した時期から少し遡り,モーゲージ債で絶頂を極めるところから,ジャンク債へのシフトについていけなかった時代までのソロモンの内部を赤裸裸に語る.ルイス氏のあっぴろげな表現はまさしく痛快と言ったところで,本音と建前をコミカル描いている.日本人という集団に対するコメントに爆笑してしまった.住宅ローンの証券化やジャンク債の仕組みも,これまた痛快な解説が載っている良書.
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美術専攻(だったかな?)で新卒でソロモンブラザーズに入社した著者が、そこで働いた経験を語っているお話です。
素直で読みやすい語り口、著者の文章力があるのだろうと思うと同時に、日本語訳がとても上手だと思いました。
世紀の空売りも同じコンビですが、同じように感じました。
色んな人が実名で登場しているのにも驚きでしたし、他人の成果物を自分のものにしてしまった同僚の下りなど、すごく生々しい社内政治だなぁ、と怖くなりました。 -
筆者が実際に体験したウォール街の姿が生々しく書かれてある。金融とはかけ離れた美術史専攻という異色の経歴もなんのその。働きだせば、ものを言うのは会社に対していかに貢献するか(利益をあげるか)という一点に集約される点が、ここの働き方らしい気がした。ただ、この中の年代はかれこれ20年前のものなので、どの程度現状と合致するのかはわからない。ウォール街のすさまじい働き方、部門ごとの格差、そして破格の給料。これらに関しては著書以外にも似たような本に書かれているが、この本のいいところとしては、初心者にもサクサクと読めるよう、ところどころに面白さがつまったものになっているといったところであろう。
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ソロモン・ブラザーズ黄金時代の話。
この前何人か元ソロモンの人の話聞いたこともあって、興味持って読みました。
マーケットサイドの話なのでIB志望者にはそこまで関係ないかもだけど、今のご時世にすごくあってる本です。
モーゲージ債の取引とか。
正直今この時代に金融業界を目指すことはかなり厳しいけど、少しでも自分の幅を広げるためにいろいろな人に会って、いろいろな本を読むべきだなって思いました。
ちなみに、読み物としても非常に面白いです! -
稼げば稼ぐほど太っていくという記述には思わず納得。(笑)
日本人が全く活躍していないような記述にはちょっとがっかり。
ソロモンブラザーズのすごさを感じれた、特に、モーゲージ債部門 -
08'0815
マーケットサイドの現場が伝わってくる。
ユーモア溢れるので、読み物としても面白い。
4年時にまた読みたい。 -
うそやーん。と言いたくなる、やくざな金融業界。。な内容かなぁ?面白く読めると思いますが、好き嫌いは別れそう。